めでたいめでたい
僕くらいの年齢になると、下手すると孫がいたりしますけど、僕の場合は一緒に生活をしてないから何をしてるか、皆目見当がつきませんが、上の子は24になるのかな。一番下の子は18歳。早いものです。そんな状況で大学時代の友人がお子を授かったという連絡がありました。しかも、女の子。僕は奴のおじさんになったような気持ちになりました。
僕と同い年だから51歳。51歳で娘が生まれるというのは、おじさん頑張ったねー!という感じで、すごく嬉しい。本人が61歳になっても、まだ娘は10歳。当たり前だけど、娘がはたちになると71の爺さんですよ、あなた。これはかわいいと思うよ。ビデオとか写真とかガンガン撮っちゃうんでしょうね。お父さんは、二十の時どれだけ悪いことをしていたのか、20年後にその娘に教えて上げたいものだ。大学を卒業してからも、色々とやっていたようですが、大学在学中はモテるやつで、一方僕は本当にかわいそうなくらいもてなかったので、羨ましかったですなあ。
この51歳でパパと判明した彼は、大学からの親友なんですが、田舎のお坊ちゃんでもありました。実家が中堅どころの会社を経営していて、彼もその後を継いでお父上も悠々自適のはずだった。僕は詳しくはわからないけど、2年くらい前彼のお父上が自死を選び、会社をたたまざるを得なくなった。お父上が亡くなっている状態を彼自身とお母上がもとに戻したということを本人から聞いている。
僕も母親を癌でなくしているからわかりますが、自分の肉親を失うほど悲しいことはありません。僕は未だに母が亡くなったということがいまだに信じられないけど、ただ彼よりも僕が幸せなのは自死ではなく病気によるものだということ。(ただ、叔母から聞いた話によると、僕の母は自分で点滴の管を抜いちゃったらしく、それから一挙に衰弱してしまった)彼の場合は、お父上が仕事絡みで騙されてしまったようで、その挙句の自死の選択だったと聞いてます。
その状態をもとに戻した友人もそうだけど、その妻でもある彼のお母上の気持ちを思うと胸が詰まる。80近くで自死を選ばざるを得なかったお父上の絶望感。自分の夫や父をそういう手段で失うという彼と彼の母上の気持ちは想像を絶します。
その後、この人の運命は暗転する。まず会社の後始末をしないといけなくなり、債権者との話し合いや金額が大きいということもあって、個人の自己破産も視野に入れているという話も聞いて、本人は僕にそれほど話はしてないけど、本当に大変だったと思う。会社が弱っていくというのは、人間が衰弱していくのとよく似てます。
その彼が、お父上が亡くなった翌年に再婚をしました。30代の若い奥さんだそうです。写真を見たけど、タイプが昔と変わったみたい。一番初めの結婚式は、20年ちょっと前新潟で行われたのですが、それはもういかにも田舎の御曹司の結婚式で有名人も何人か来てて実に派手な結婚式でした。ただ、その奥さんとはうまく行かなかったようで2,3年で離婚しちゃったのかな。
この人が僕にはとてもマネの出来ないことが一つあって、かつて付き合った彼女とは今でも普通に話ができるし、未だに連絡を取りあっている。別れた奥さんとも連絡を取り合ってるようで、僕とはちがって心が広いから、広く付き合ってる。僕はどちらかと言うと、狭く深く付き合うタイプですけどね。(僕なんかわかれた女性と話をしてるのは、一人だけです。ま、僕はそんなに多くの人とは付き合ってないけどね。)
そんな苦難続きだった彼が、若い奥さんと結婚して、嬉しそうに尻に敷かれている。若い頃は僕もでしたが、嫁に尻に敷かれるってすごく気分が悪いし反発をするものなのですが、50も過ぎると尻に敷かれるというのは、そんなに気分の悪いことじゃないのです。尻に敷かれたほうが人間関係は上手くいくし。そして、娘が生まれるということがわかった。
こういっちゃあ、あれですけど、男親にとって娘の存在は大きい。よく51にして子供を作ったし、凄いことを成し遂げたなと思うね。ほんとうに素晴らしい。しかも、お母上にとっては長男から生まれた孫ということもあり、お喜びもひとしおじゃないかと察します。女の子は本当に可愛いです。
こうやって見ると、人生悪いことは続かないと正直に思うね。本当にめでたい。おめでとうございます!僕の苦難も早く開けてもらいものだ。