リクルートがネット通販を始める記事の件
今朝の日経新聞の一面トップの記事は、リクルートがネット通販を始めるという記事で、これはマーケティングを専攻するものとして注目をしていきたいと思うのです。通販のスタイルとしては、ショッピングモールに店舗を出店してもらうという楽天方式なので、今後楽天がどういう手を出してくるのかが楽しみなのです。
リクルートがネット通販 仮想商店街、楽天を追撃
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD160A6_Z11C12A1MM8000/?dg=1
僕はかねてから楽天のビジネスについては批判的で、それはどういうことかというと、楽天のビジネスというのは出店者にも、利用者にも負担を強いるビジネススタイルなんです。じゃあ、どうしてここまで大きくなったのかといえば、出品者に対してはきちんとやれば売上が上がるし、利用者も品ぞろえという点では、日本一であるということ。これがその負担以上のものもあるから、仕方なく利用しているということだったと僕は考えます。
もっとわかりやすく言えば、出品者に対しての楽天のビジネスは端的に言うとサーバー貸しなのです。そのレンタル料と月々の売上の一部を上納するシステム。楽天にすれば、その出品者が売上が上がらなくても、レンタル料は確実に入ってくるという仕組みです。その費用は全国からですからそれは凄い金額になるわけです。かつ、売り上げればそのロイヤリティも入ってくる。あと利用者が僕はこれは儲け過ぎだと思うね。楽天はサーバーのメンテナンスが大変だというかもしれないけど、それでも取り過ぎです。逆に言えば、このあたりが突っ込みどころだと思うのです。競合他社から見れば。
では、利用者という点から見ると、楽天は実に使いにくいのです。例えば、「外付けハードディスク」と楽天で検索してみると
一番上をクリックしてみると、商品個別ページにアクセスできるわけですが、実際このページに行ってみると、上から下まで35回スクロールしないとだめです。このハードディスクを買おうとして、購入ボタンまで14回もスクロールしないといけません。つまり、これを買おうとするところまでユーザーは、15回もクリックしないと買えないということです。
他方でamazonだと
商品の個別ページで既にユーザーは買える状態になっている。その商品についての説明は、次にスクロールすれば、それらを読むことができる。僕は今のネット通販のウェブサイトの理想のやり方だと思うのです。
つまり僕が言いたいのは、楽天の現在の状況は突っ込むところがたくさんあって、逆に言えば楽天の弱点を抽出して、それとは全く逆のことを実現させれば、楽天を圧倒することは可能だと思うのです。
ただ、楽天打倒計画の最大の弱点は、資金をどうするということなのです。インターネットの優れたコンテンツというのは、まず、量なんです。これは楽天も中小店舗の圧倒的な集合体だし、クックパッドもアップされているレシピ情報は、無名の主婦のレシピが大量にあり、検索できるからサイトとしてのステータスが高い。じゃあ、彼女たちとレストランのシェフとどっちが料理が上手か?と言われたら、当然シェフですよね。でも、インターネットでのステータスはどっちが高いかというと、素人のレシピの集合体であるクックパッドなんです。それは、情報量が圧倒的だということです。
その圧倒的な情報量をウェブサイトにまとめるためには、デザインやシステム、サーバーの準備等を考えるとコストが大変かかるのです。それは一般の企業では無理だし、ましてや個人では絶対に不可能。
ところが、ここに来てリクルートがやると。しかも、リクルートには優れたインターネットコンテンツがあり、恐らく日本で最もインターネットのことをわかっている企業の一つと言えると思います。実際にリクルートの媒体はほぼネットに移管されていますからね。しかも先日上場ということもあって、資金はあまりあるほどだから、対楽天と言うところを見ると、リクルートほどふさわしい企業はないので、僕は期待をしているのです。
日経新聞の記事の抜粋をすると
顧客には購入額の3%を買い物に使えるポイントとして付与する。楽天など競合サイトより1~2ポイント高くし、他社追撃の武器とする。年間のべ6000万人が利用する旅行予約サイト「じゃらん」、同4000万人の飲食情報・予約サイト「ホットペッパーグルメ」など傘下の7サイトとポイントを共通化。既存の顧客基盤を生かし市場開拓を急ぐ。
出店者から受け取るシステム利用料は仮想商店街での売り上げの2.5%に設定し、楽天の半分の水準に抑える。先行する競合会社に比べて出店者の負担を軽くし、効率的に店舗や品ぞろえを充実させたい考えだ。
こんな感じになると、結局競合とのサービスを良くせざるを得ず、我々利用者としてはウェルカムな状況になって来ました。