阿川佐和子さんのこと
僕は阿川佐和子のことが結構好きです。好きと言っても、AKBのともちんとか、ああいう人達と並べるのではなくて、女性として、人間として面白いという意味です。実際に彼女の書いた本とか読みますけど、センスの良い頭のいい人だという印象があります。
僕から見たセンスの良さというのは、もちろん人との会話でのことだけど、ウィットに富んだおしゃべりとか、間のとり方が上手だとか、これは頭のいい、もちろん、勉強ができるとかそういうことじゃなくて、地頭(じあたま)がいいということです。1を聞いて10を知るというのは、彼女のためにある言葉といってもいいと思います。
昔、檀ふみとタッグを組んでる時の阿川さんははっきり言って、自分が結婚ができないことを売りにしているうざったい人だなという印象があったけど、吹っ切れたのかね。本来の頭の良さが普通ににじみ出る素敵な女性だと最近思います。
僕は、「知」とか最近では「スマート」とかいう言葉が嫌い。だから、本屋さんとかに行くと必ず「知的」とかそういう本があるけど、一冊一冊破りたい気分になります。あとは、自分が頭がいいということを売りにしている著者もだめ。実名を上げれば、佐藤優なんて最悪で、月間300冊読むということだけど、何故?って本人に聞きたいと思うね。
僕は本が好きだし、お金もないから本はとても大事にしてるんだけど、恐らくこういう人は目を通して、付箋を張って、大事なところだけ引き出したら、ポイって捨てちゃうような人だと思う。実に許せん。
あとは、どういうわけだか、マッキンゼーを出てる人間は、癇に障る人間が多い。大前研一、勝間和代、ちきりんこと伊賀泰代とかは、マッキンゼー流でどうのこうのって言ってるけど、自己満足をしているだけという感じがする。この人達のノウハウを学んで成功した人間って見たことがないし、それこそこの連中の本とかが10年先に読めるかといえば、恐らく80%は読めない。そんな本しか出せないような連中に限って、「知」がどうだとか言うのです。実に腹立たしい。
そんな中で全く真逆にいるのが、たけしさんだったり、この阿川佐和子さんだったりする。この人がどれだけ相手の本音を自然に引き出して、それに対してジョークを飛ばしたりするやり取りというのは、間のとり方がうまくて、今更ながらさすがという感じです。
それでこの人達が、それこそ「知」だとか「スマート」だとか言わないです。言わなくても、わかってる人はこの人たちのことを普通じゃない、すごい人だって認めてる。ところがマッキンゼーとか佐藤優とかは、昔そういう凄いとか言われたことがないんでしょうね。だから、やたらそういう「知」だとか「スマート」とか言うんだと思うんです。幼少時に勉強ができるのになんで認めてもらえないのという思いがあるんだと思うね。
例えば、僕はね、グルメなんですよっていう人は、こいつはイモだなって恐らく思われる。普通、あなたはグルメだよねって言われて、そうなんですよなんていう人はあまりいない。それこそウンチクをべらべら喋るような人間は、忌み嫌割れるでしょう。これはあなたは美人ですよねって言われて、そうなんです、私すごく美人なんですっていう女がいたら、僕は、なんだ、この女はと思って、恐らくそばに近寄らない。
英語をペラペラの人が私は英語をしゃべれますよっていちいち言わない。そんなこという事自体が野暮なわけだし、イモなんです。僕の周りでも英語をペラペラで喋れる人がいますけど、そういう人に限って、そういうことは絶対に言わないし、変な英語を交えた日本語を喋らない。
若い人たちも、いつかボクが言ってることがわかるようになりますから、地道に勉強をしてたまには達人と言われるような人に教えを請うのも人生を楽しむ秘訣かもしれないし、いいものを楽しみながら読んだり見たりすることもいいし、恋愛も大いにやるべし。少なくとも、「知」だとか「スマート」とか言ってるような奴にならないで欲しいというのが僕の切なる願いなのであります。
ちなみに下記の世界一受けたい授業には、色々な人が収録されているけど、大島優子ちゃん、小澤征爾さん、李登輝さんとの対談は秀逸。特に李登輝さんの日本語のうまさというか、ネイティブの日本人よりもよっぽど上手です。