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人が偉大であるということー稲盛和夫さん

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日々、色々なニュースとか見ても幻滅することが多い。ぼくのことを真面目すぎるという人もいます(不まじめという人もいますが^^;)が、期待はしないけど、幻滅するというのはあまりいい気持じゃない。最近で言うと、総選挙で泥船に乗ってられないという動きが民主党で多発した。小沢鋭仁に至っては、鳩山内閣にいた人間が、逃げるようにして日本維新の会に入党。人としてどうなの?って思うわけです。

経団連にしても、タヌキおやじが、政権が変わった途端、安倍総理になると、自民党が野党の時は散々安倍さんの経済政策を実現不可能だと言っていたのに、手のひらを返すやり方。日銀にしても2%成長は難しいといっていたにもかかわらず、安倍さんが総理になると、OKになっちゃう。

腹の中ではそんなこと出来るわけ無いだろと思っているに違いないと思うのですが、それでも表面上は最高権力者に従う、という感じがする。そうじゃないと、人間社会というのには生き抜くことは出来ないんだろうし、ぼくはそれが出来なかったから、社会人として失敗したのかなとは日々思ってはいるんです。

話はころっと変わるんだけど、今朝の日経新聞の2面に日航の稲森さんの記事が掲載されています。JALが倒産をして、それを再建するために稲盛さんは、JALの会長を引き受けて、政府の後押しというものがあったにせよ、会社を見事に立てなおした手腕が、今後の記事として書かれて行くに違いないと思ってはいるんです。その始まりが今日からのようなのですが、朝っぱらからぼくも感激をしてしまったので、記事を書いているところです。

もともと、日本航空という会社は政官民が絡んでぐちゃぐちゃになっているところに、更にたくさんの組合があって、組織自体がどうにもならないというのは、昔から言われているところです。それが小説になったのは山崎豊子の「沈まぬ太陽」で、あれは日本航空をモデルにした小説です。この本は渡辺謙さんが主人公になって映画にもなりましたが、本当にぐちゃぐちゃです。とにかく自分の利益のためにみんながみんなで足を引っ張り合うという、これはもうひどい組織でした。

このぐちゃぐちゃが原因で、会社がダメになった。責任は、政府にも役人にも民間にもあるということで、倒産をきっかけで民主党が稲盛さんを三顧の礼で迎えて、稲盛さんは再上場ということで立てなおしてしまった。その手腕は見事というしかないわけですが、どうして今までの人は何も出来ず、稲盛さんが出来たのかをこれから記事として掲載されてるんでしょう。

ぼくがこの記事を読んで、実に人は偉大になれるんだなと感激しちゃったのですが、もともと稲盛さんという人は、説明するのが不要なくらい、経営者としてのレベルが高い。どれだけ高いかといえば、本田宗一郎、松下幸之助レベルの高さだと思うし、彼の場合は鹿児島県出身ということで、西郷隆盛のことを尊敬して、彼のようになろうと思ってるような人ですから、人格的に立派な人であろうということはわかる気がするし、経営者としても、京セラやKDDIを立ちあげてきた人ですから、相当なレベルの人物で、失政続きの民主党では唯一まともな人事だったと思うわけです。

その記事について、実に素晴らしかったので、ご紹介。
(この記事は、残念ながら新聞を買うか、ウェブでも有料記事なので有料会員にならないと読めません。日経はケチですから)

10億円程度の予算執行について説明する執行役員の話を、会長の稲盛和夫(81)が突然、遮った。

 「あんたには10億円どころか、一銭もあずけられませんな」

 部屋の空気が凍り付く。総勢30人の役員、管財人は息をのんだ。説明中の執行役員が、ささやかな抵抗を試みた。
 「しかし会長、この件はすでに予算として承認をいただいております」
 雷が落ちた。
 「予算だから、必ずもらえると思ったら大間違いだ。あなたはこの事業に自分の金で10億円つぎ込めるか。誰の金だと思っている。会社の金か。違う、この苦境の中で社員が地べたをはって出てきた利益だ。あなたにそれを使う資格はない。帰りなさい」

この執行役員がいかにどうしょうもない人だということがわかるし、稲盛さんの発言「この苦境の中で社員が地べたをはって出てきた利益だ。あなたにそれを使う資格はない。帰りなさい」の最後の「帰りなさい」というセリフがいいですねえ。会議の雰囲気がわかる気がしますよね。視点がぜんぜん違う。硬直化したJALを稲盛哲学でほぐしていった感があるし、やっぱり、人格的な迫力と無私という点ですかね。

稲盛さんが尊敬している西郷さんという人は、無私というものを追求した人で、そのことで多くの人を惹きつけて、明治維新という大きな仕事が出来たし、なんといっても西南戦争で2万人もの人が西郷さんに付いて行こうとしたわけでして、稲盛さんはそういう人を尊敬して、西郷さんに関する著書もあります。そういう人が人格経営をやったら、官僚みたいな人達は圧倒されちゃうんでしょうね。

このシリーズこれからも楽しみです。