あまちゃんー出演している人が全て素晴らしい
今週からはじまったあまちゃんは、初日について早々にこのブログで書きましたが、おかげさまで最近まれに見るくらい多くの人に読んでもらっていて、書いてる方としても実に意外なことで、とても驚いております。ありがとうございます。
で、あまちゃんですが、5日間見て思ったのは、今のところ宮藤官九郎さんの本の力がさすがという感じで、それを俳優女優陣が上手に消化して、見事に演じきっているような感じがするのですよ。やっぱり、前作の純と愛が余りにも非現実的な設定で、しかも登場人物がみんなイカれていて、当初はこんなことないよ〜で済んでいたものが、半年間毎日見せられるとしんどいです。
ところが、今度のあまちゃんははじまったばかりですが、メインとなる能年玲奈ちゃん、キョンキョン、宮本信子さんの3世代の女性が、相当屈折している人たちでありながら、善人の登場人物に囲まれているという状況ですね。
設定としては、能年玲奈ちゃんは、目立つこ事の嫌いな高校生で、海女のおばあちゃんに衝撃を受けて、海女さんになるという展開かな。そのお母さん役であるキョンキョンは、田舎が嫌で飛び出して24年ぶりに里帰りをしたけど、母親とはうまくいってない。宮本信子さんは、海女をやりながら、うに弁当を販売し、その後駅前でスナックと喫茶店を経営しているスーパーおばあちゃん。それぞれいそうですね。
このキャスティング、実にいいですね。キョンキョンが能年玲奈ちゃんのことを天才だと言ってましたが、確かに演技を見ていると、内面を表情に表すのがとても上手な人じゃないかなと思うし、やっぱりアクのない、本当に若者らしい初々しさがいい。若い人の特権だね。本当にハツラツしていて、素晴らしい。
キョンキョンは、ファンキーなお母さん役が似合ってる。彼女には僕らくらいの世代に熱狂的なファンが結構多いんです。僕は特にファンじゃないですけど、さっきウィキペディアで調べてみたら、もう47歳なんだね。すごい。彼女の場合は、いい年のとり方をしたと思うね。かっこいいと思います。
宮本信子さんは、最近だと阪急電車という映画に出ていたけど、この人もかっこいい。伊丹作品で主役でずっと出ていたけど、この時の経験が彼女の女優魂に火をつけた印象が強くて、伊丹作品に出るまではそれほどメジャーとはいえない女優さんでしたが、その才能を見出した伊丹監督という人がすごい人だったんだと改めて実感しました。
この3人をサポートする人たちも、本当にいい人たちばかりで見てる方も安心して見てられる。やっぱり、朝のドラマはこういう喜劇じゃないとだめですよ。放送作家の勝手な思い込みで変なドラマをやってはいけない。そういう点ではNHKは反省しろ。
このドラマで流行りそうなのは、「じぇ!」という方言。驚くと「じぇ!」というんだそうです。能年玲奈ちゃんが、海女さんたちとのやり取りで、「じぇ!」ってどういう意味と聞き、驚くと言うんだよと教わり、
もっと驚くと?
「じぇじぇ!」
もっともっと驚くと?
「じぇじぇじぇ!」
というやり取りは本当に微笑ましかった。「じぇ」という響きもいい。
ちなみにこのブログを書くために、海女さんたちの紹介ページを見ていたんだけど、こちらもいい意味でキャラが立っている。渡辺えりさん、木野花さん、美保純、片桐はいり。宮藤官九郎さんは片桐はいりとか好きそう。こちらもいいキャスティング。
今日も、能年玲奈ちゃんが海に飛び込んだ時に、北三陸駅の大向大吉が「アキちゃんが海に落ちた!」とすっ飛んできた時に、キョンキョンが「じぇ!」と言ったのは、すごくいいタイミングで、これは宮藤官九郎さんもキョンキョンもさすがという感じで、僕はすっかり脱帽しました。