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1976年5月17日に発売されたRainbowのRisingについて、僕の思いを語りたいと思います。

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rainbow rising

昨日5月17日はRainbowというよりもハードロックの大名盤「Rising」が発表された日ということで、実際には1976年の発表なので、今から43年前に発表されました。僕もこのアルバムを聴いたことがきっかけでロックにのめり込んで行きましたので、最も愛着のアルバムということなので、今回は僕の思いを語りたいと思います。

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Risingの出会いについて

Risingの発表は1976年ということで、僕が高校1年のときだったと思います。当時音楽の新譜というのはミュージック・ライフや音楽専科といった雑誌のレビューか、FM放送でチェックするしか方法がありませんでした。今から考えると、何も聞かずに音楽を買うということをしてましたが、それでもFMでアルバムを流してくれるので、お金があまりない高校生としてはとてもありがたかったです。

当時、FMで新譜情報を集めるというのは当たり前のことだったのですが、そんな中でNHKのFMで毎週日曜日の夜だったと思いますが、ヤングジョッキーという音楽番組をやっていまして、そのMCが今やロッキング・オンの社長である渋谷陽一さんでした。当時渋谷さんは、大貫憲章さん、伊藤政則さんと並んで気鋭の音楽評論家でもあり、実に中身の濃い番組をやっていまして、僕がレッド・ツェッペリンの「プレゼンス」やキング・クリムゾンを知ったのもこの番組のお蔭でした。そして、RainbowのRisingもこの番組で全曲流してくれて、僕はカセットテープでそのアルバムはすべて録音して、あまりの完成度の高さでびっくりしたのがこのアルバムとの出会いでした。

Risingの素晴らしさについて

僕の音楽人生において、恐らくRisingを最も聴いたアルバムでして、それほど完成度が高いと思うのです。リッチー・ブラックモアのギターもキレキレで、特にスターゲイザーのギターソロは名演だと思います。リッチー・ブラックモアというギタリストは、ギターソロのメインのところはいろいろと考えて決めていますが、それ以外のところはほとんどアドリブで、スターゲイザーのギターソロも、後半以外は恐らく全てアドリブ。アドリブはうまくまとまるといいのですが、失敗すると目も当てられません。ただ、このアルバムでラッキーだったのは、リッチー・ブラックモアのアドリブがしっかりまとまったということですね。

それとコージー・パウエルのドラミングも素晴らしい。このアルバムを聴いて思うのは、やはりハードロックはドラムがしっかりしていないと、迫力が落ちるということがよーくわかります。ハードロックバンドでドラムがしっかりしていないと実際に迫力がありません。例えばコージー・パウエル脱退後のレインボーははっきり言って迫力不足だったし、逆にホワイトスネイクはトミー・アルドリッジがいて素晴らしいライブを実現していると思うんですよね。このレインボーでは、コージー・パウエルの素晴らしさが満載していて、ミュージシャンとしての格もリッチー・ブラックモアと拮抗しているということもとても良かった。

そして最後にロニー・ジェイムズ・ディオのボーカルです。このアルバムではロニー・ジェイムズ・ディオのボーカルをしっかり堪能することが出来ます。特にいいのは、タロットウーマン、スターゲイザー、ライト・イン・ザ・ブラック。この3曲のボーカルは特に素晴らしい。レインボーを結成した時にリッチー・ブラックモアが、自分がボーカルをするとしたら、ロニー・ジェイムズ・ディオのように歌いたいとインタビューで言っているのを読んだことがありますが、ファンからすると、リッチー・ブラックモアの期待以上のパフォーマンスをロニー・ジェイムズ・ディオが展開していると思います。

更にこのアルバムが素晴らしくなっているのは、バンドとしての一体感があります。Rainbowの場合、当初はRitchie Blackmore’s Rainbowでデビューをしましたが、RisingではRitchie Blackmore’s をとってRainbowになっています。そして、中心になるリッチー・ブラックモア、コージー・パウエル、ロニー・ジェイムズ・ディオの実力が拮抗しているということもあって、実にバンドとしてのまとまりのある出来になっています。

リッチー・ブラックモアという人は、僕は大好きな人なのですが、「バンド」という点から考えると、最後までわからなかったという感じがしますね。特に自分のバンドであれば、自分の好きなことをやらせてもらう。他のメンバーは自分に従ってもらえばいいというスタンスなので、アルバムごとにメンバーが変わっていました。

ところが、メンバーの実力が拮抗していると、ひとりでやるよりももっとすごいパワーが出てきて、そこで生まれたのがこのアルバムだと思います。また、Rainbowに関しては、ライブアルバムを覗いてバンドの一体感が感じられるのは、Risingだけで、後はリッチー・ブラックモアのギターだけが目立つという、ワンマンバンドならではの状態になり、結果としてバンドの一体感が失ってしまって、アンバランス感が否めませんでした。

その点Risingはリッチー・ブラックモア、コージー・パウエル、ロニー・ジェイムズ・ディオが3人で絡み合って、すごいエネルギーになり、曲やサウンドの良さが良かったこともあって、大変な力作になりました。これでベースにロジャー・グローヴァー、キーボードプレイヤーにドン・エイリーとか先に加入していたら、すごいことになっていたんじゃないかと今更ながら思いますね。

Risingのアルバムについて考えみる

Risingはタロットウーマンのオープニングから始まって、そこにコージー・パウエルの雷のようなドラミングが絡んで、ロニー・ジェイムズ・ディオのボーカルがスタートします。その後佳曲が続いて、B面にスターゲイザーとライト・イン・ザ・ブラックが演奏されることになるのですが、特徴としてはシンセサイザーをものすごく上手に使っているということで、ある意味プログレ色が強いと思うのです。いわゆるプログレメタルのはしりがこのアルバムじゃないのかと思います。これらの曲を聴いていると、ドリーム・シアターは今まさにこれらの曲に近いことをやっていて、世界的に大成功しているんだけれども、Rainbowもこのキーボードを上手に使うことを続けていれば、良かったんじゃないかなあと今でも思いますね。ただ、これらの大曲は、キーボードが秀逸なため、本当に上手じゃないとライブで実現できないという弱点がありました。

Rainbowは歴代的にキーボードプレイヤーをそれほど力を入れていなくて、ドン・エイリーが唯一の例外なくらいです。そのため、Rainbowでrisingの楽曲を再現しているのは、スターストラックとアンコールの時にギターを壊すドゥ・ユー・クローズ・ユア・アイズくらいで、スターゲイザーとライト・イン・ザ・ブラックはそれほど多く演奏していません。初来日のときでも、スターゲイザーとライト・イン・ザ・ブラックはワンステージで1回しか演奏していません。2回目の来日のときは演奏さえしてません。どうして演奏しないのかということを誰かがリッチー・ブラックモアに聴いたところ、レコーディングに力を入れすぎたので、キーボードプレイヤーがよほど優秀じゃないと曲を再現出来ないと言っていましたね。それは僕なるほどと思うんですけれども、今のRainbowではスターゲイザーが演奏されますが、これがイェンス・ヨハンソンいるからで、この人なくして今のRainbowでスターゲイザーは演奏できません。ちなみにジョーダン・ルーデスがドリーム・シアターで見事に演奏してますけどね^^

いずれにせよ、僕の人生で最も聴いたアルバムがこの「Rising」。僕はスターゲイザーが今でも好きで、コージー・パウエルのドラムソロから始まるイントロに、ロニー・ジェイムズ・ディオのボーカルと言い、リッチー・ブラックモアのギターソロと言い、これほど緊張感の高い演奏も珍しいじゃないかと今更ながら思います。