IT業界が尊敬されない理由
先日、友人と話をしていたら、共通の友人が会社をやめるという話を聞きました。僕は、やっぱりという思いをもって、その人にどうして辞めるのかと聞いたら、結局仕事が終わるのが12時過ぎで帰ってご飯を食べてなんだかんだしてたら、寝る時間は毎晩夜中の3時過ぎということで、僕はさもありなんと思いました。
僕もこのIT業界に入った時は、自分で独立をしていた時だったのですが、一時Gという会社で仕事をした時に、同じような経験をしたことがありました。色々と聞いてみるとこのITという業界は、労働時間が長時間であるということが当たり前のようなのです。
不思議なのは、ITというサービスは世の中の効率的にすることで、余った時間を有効に使ってもらうというのがそもそもの目的なんです、本来は。ところが実際には、社員に長時間労働を課し、トップの調子のいい連中がいい思いをするという業界で、実に現代の蟹工船のようなところがあります。
これによってどういうことが起きているのかというと、僕は採用もやるので、多くの人を面接しましたが、30歳くらいの人が4回の転職歴と言うのは当たり前のようになっているのです。
しかも、ホリエモンみたいなのがいたせいで、汚い格好しているのが当たり前という、僕らの世代は新人類と昔言われたけど、それでも理解し難い。しかも、ポテトチップやコーラを飲みながら、油まみれの指でPCを叩いている。実に無駄が多いんですよね、仕事自体が。
いわゆる服装がテキトーな業界というのは、ITにしても、マスコミにしても、芸能界でも、長時間労働というのが当たり前の世界です。先日もフジテレビのエースアナウンサーが酷使されているということが書かれていたけど、そんなものだろうとおもいますよ。
ところが、銀行にしても商社にしても、メーカーにしてもスーツをきちんと着てるし、少なくとも毎晩12時まで仕事ということはない。前に野村證券が早朝出勤が自慢というようなことがあったけど、少なくとも、毎晩12時過ぎまで仕事ということはありえない。業界が違っても、役所みたいに定時であがれる世界があって、IT業界みたいに馬鹿みたいに足まで働くという世界があり、どこにそんな仕事があるの?って聞いてみたい。しかも、給料がいいかといえば、おそらく金融や商社より低いのはもちろん、給料水準が低いと言われているメーカーと変わらないんじゃないか。じゃあ、福利厚生がしっかりしているのかといえば、冒頭にも書いた通り、社員の回転数がありすぎて、決していいとは言えない。
ITの場合は、専門をアピール出来る分野だけど、社会人としてきちんとしているかと言えば全く無くて、クライアントは特別なスキルに対して頭を下げているだけで、実際には見下されているということを知るべきだと思うし、三菱や三井との違い、その差がどんなに時間がたっても縮まないということをIT業界のリーダーと言われてる連中は、しっかり認識するべきだ。