痛い「ごちそうさん」
あまちゃんが9月30日に終わってしまって、未だにあまロス状態がつづいてまして、あまちゃんのDVDも今日現在でアマゾンで見てみると、売り切れ中ということもあり、発売日にゲットした僕としては密かにほくそ笑んでおります。その後続のドラマが「ごちそうさん」で、いかにも朝ドラらしい設定で、ほぼ内容が見えてきちゃって、はじまって2週間目ですが、見たり見なかったりしている感じです。
大正時代に生まれた食いしん坊の女の子が、波瀾万丈の人生を過ごすという内容だということが早々にわかっちゃってしまいました。
このドラマは、設定が甘いと思うんですよね。
- ストーリーが読めちゃってる
- ヒロインは、オーディション無しで決めた
- 他のキャスティングに重みのある人がいない
- 音楽も安易にゆずとか起用しちゃってる
この4点からも、見難いなという感じなのです。
ストーリーがわかっちゃっているというのは、こういうドラマにしては致命的な欠陥じゃないでしょうか。だいたい朝ドラのヒロインのタイプというのは、二つに分かれます。ひとつは、運命に身を任せていくタイプ。このタイプとしては、ゲゲゲの女房の布美枝とかおひさまの陽子、あまちゃんのアキ。もう一つのタイプは、やたら元気でおてんばな女の子が自分の運命を周りとぶつかりながら、作っていく女性。カーネーションの尾野真千子、てっぱんのあかり。このタイプに共通しているのは暑苦しいというところ。今回のごちそうさんのめ以子は、後者のタイプです。
で、ヒロインの杏は、オーディション無しでヒロインに起用されたし、女優としてそれなりに実績を積んでいるけど…という感じなのです。スタイルもあまりにも日本人離れをしていて、どうして彼女がこのドラマのヒロインに選ばれたのか、分からない。女優というよりも、その日本人離れしたスタイルからモデルとしても存在感があるけど、朝の顔というと爽やかさが足りないかなあと思ったりします。特にあまちゃんのアキがあまりにもみずみずしさというか、ピュアさがあったことから見ると、きついなあと。
ヒロインが厳しいんだったら、そのヒロインを囲む俳優陣もあまちゃんと比べると相当見劣りする。あまちゃんではキョンキョンや薬師丸ひろ子を起用したことで、我々の世代のノスタルジーを呼び戻したし、宮本信子さんがドラマに出てくるとドラマ自体がものすごく締まるんですよね。存在感がすごい。
ところが、このイメージを見てもらえばわかると思いますけど、ヒロインの脇をしっかり固める人がいません。せいぜい吉行和子さんくらい。あとはやっぱり厳しいかんじがするんですよね。
音楽もドラマの中ではとても大事なんだけど、それはあまちゃんの音楽を担当した大友良英さんがブログやあまちゃんのサイトにも書いてますけど、
それはもう大変な思いで、音楽を作っているのがわかるのですが、僕がゆずのことを全く評価してないということもあって、なんかNHKの安易さを感じるんですよね。ゆずをつかっておけばいいか〜みたいな。梅ちゃん先生でSMAPを使ったのと一緒で、こういう安易さがダメだと僕は思うのです。
このドラマが好スタートを切ったということですが、それは今まであまちゃんを見ていた人がそこに流れているだけで、このまま続くと、ヘタすると杏ちゃんのブランドも低下しちゃうんじゃないかと心から失敗してるのです。
ひどいドラマに出ちゃうと、主役のブランドってすごく下がります。最近で言うと、平清盛の松山ケンイチ、江~姫たちの戦国~の上野樹里、純と愛の夏菜。夏菜なんて、本当にかわいそう。杏もそうならないことを心から心配してるのです。