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Googleはきっと焦ってると思う(1)

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今日のグーグルの決算が発表されて、7−9月期の決算が過去最高だったということで、改めてインターネットのポータルを握ったということがある意味世界を制覇しちゃったなというのが、率直な感想です。

このGoogleの売上のほとんどが広告収入です。ここでGoogleがさすがなのは、インターネット企業らしく広く浅く売上をあげているということなんです。つまり、インターネットの特性というのはロングテール理論からもわかるように、Googleを利用している世界中の国での売上があり、それもワンクリック10円くらいなものから積み上げているということです。顧客の数が膨大で、しかも顧客売上の単価が1万円とかでも、それが世界中に及ぶので、例え100社が離脱したとしても、それほど大きな影響が業績には及ばない。

ところが、大口顧客を抱えている広告代理店。それこそトヨタやユニクロとかが手を仮に引いいたら、その広告代理店の業績には大きな打撃になりますが、その点Googleは小口のクライアントを無数にも抱えているので、それほど業績には影響しない。しかも、ビジネスはグローバルでやっているということもあって、Aという国が不景気であったとしてもB国の景気が良ければ、その国での売上で不景気の国の業績をカバー出来るということもあるので、そのあたりはさすがという感じなんですよね。

Googleの広告に対するイノベーションは、すごいと思うのです。それは

  • 検索結果に基づいた広告であるということ
  • 広告を多くの人に解放したこと
  • ネット広告なので、効果測定が確実にできる

この3点がGoogleの広告の特徴なんですけれども、従来の広告とはアーティスティックではないにしても、効率的という点では相当なイノベーションだったと思うのです。順に説明すると、

検索結果に基づいた広告ということは、人が検索をする時というのは、だいたいどういう結果が出るかということをイメージしています。それを検索結果で明確にするというものであるので、何かを実行したいというモチベーションが凄く高くなっているのです。

例えば、ある人が彼女と初デートをしようとしている時に「青山 イタリアン」と検索した時に、ある程度イメージをしているわけでして、そこで出た検索結果がかなりその人のその後の行動に大きな影響を与えます。こういう心理的な動きに基づいて検索結果に連動した広告と言うのは、広告主としても成約率は低くはないはずなんです。

広告の単価を極端に下げたことで、多くの零細企業も広告を利用することができるようになりました。これもすごいことです。

例えば、日経新聞の新聞広告とか一番目につくところに掲載した場合に1000万以上かかります。ところが、検索キーワードによりますけれども、Googleの検索結果のトップに数10円で広告を掲載することは可能なんですね、Googleの広告では。しかも、他のメディアではCMにしろ新聞広告、雑誌広告にしろ、掲載や放映することでお金がかかるんだけど、Google AdWordsの場合は、クリックされなければ課金はされない。実に公平な広告でもあるわけです。

しかもネット広告なので、どのキャッチコピーが一番サイトへの誘導が出来たという事実を把握することができるので、事実に基づいて仮説を立てて、広告を展開できるので、実に効率的でもあります。これも、ユーザーの動向がアクセス解析で分かりますから、どのキーワードで検索して入ってくるユーザーが一番成約率が高いかということが簡単にわかるから、その事実に基づいて色々な実験をすることも出来る。

そんな広告を開発したわけですから、ある意味僕は21世紀の大発明だと言えると思うのです。

ところが、インターネット時代というのはサイクルが実に早くて昨日まで勝者だったのが、今日は敗者という例はいくらでもある。代表的なところで言うと、マイクロソフト。今やタブレットやスマホ時代になってPCが売れなくなってしまった。PC感覚で発売したタブレットも全然売れない。でも、敗者というのはそういうものです。

インターネットサービスだったら、もっと顕著。95年に検索エンジンを牽引したYahoo!がGoogleの出現で一挙にダメになった。今のYahoo!の社長はGoogleの出身者ですよ。そのGoogleだって、今やFacebookにある点では追い越されてしまった。これは危機的なものをGoogleは感じているはずで、GoogleのFacebookへの対抗策がGoogle+。これは完全にGoogleの危機感の象徴です。GoogleがSNSに進出したのはどういうことかというと、口コミがほしいということであり、この分野ではGoogleはツイッターでもFacebookにも差を付けられている。そこにGoogleお大きな焦りというものがあると僕は思うのです。

次回Googleが焦っているのはどういうことなのかということを書きます。