0 Shares

Googleはきっと焦ってると思う(2)

スポンサーリンク

前回に続き、では、どういう点で焦っているのかといえば、まずサイトの滞在時間というものがある。ユーザーがGoogleを利用するのは探しものだし、検索結果の時間が表示されるように、短くするというのがGoogleの検索エンジンの目的でもあります。ところがサイトをどれだけ長く利用するかということになると、短時間で精度の高い検索結果を表示するということと、時間という点で相反することになります。

この場合Facebookだと、滞在時間がGoogleよりも圧倒的に長くて、しかもサイトへのロイヤリティということになると、完全に軍配はFacebookに上がる。しかも、今後ユーザーが何かをしようとするときの参考にするものは、信頼出来る友人やブランド力の高い人の意見だったり、口コミだったりするわけです。ここすごく重要です。

と言うのは、まず広告というのは一般的にうるさいと思われるものです。テレビを見ててもCMが長いとなんだよ!ということになりますよね。ネット広告も同じで、検索をすると、検索結果が表示されますが、その上に広告が表示されます。クリック率というものを考えると、トップで0.7%クリックされればいいほうです。下位にいけば行くほど当然クリック率は下がります。この0.7%というのは、1000回表示されて7回しかクリックされないということなんですね。広告になると、検索結果よりもクリック率が低くて、0.5%くらいです。

つまり、ネット広告でも、まず広告自体が興味のない人には嫌われるし、それほどクリックされない。しかも、インターネットで情報がたくさんある中でどれを選ばないとけないかという時に、あまりにも競争相手が多いので、どれをクリックしていいのかわからない、そういう時代になってきてます。

それを補完するものはなにかと言うと、それが口コミだったりするわけですよ。これは例を上げてみると、どの転職サイトを利用していいかわからないという人がいたとします。実際に転職サイトだけでも、リクルートやエン・ジャパン、マイナビ、イーキャリアなどなどたくさんあります。どのサイトを使っていいのかわからないと言うと、その業界に精通してる人に聞いてみて、アドバイスを受けると、じゃあ、そこにしようということになることが高い。なぜならば、彼はその人を業界に精通しているということで信頼しているからです。

通常、営業の話をすると、飛び込み営業をするよりも、お客さんの紹介をしてもらうほうがずっと効率の営業ができるんです。紹介ということになると、そこに信頼というものがあるので、ものを売る時の信頼というものを構築する手間が省けるんですね。だから、契約をすると紹介料を支払うこともありますが、紹介料を払ってでも、新規の顧客の獲得のコストを考えれば安いものなのです。

このようにものを買うなどをするときに、一番広告というものが大きなきっかけになっていたのが、今や情報がたくさんあるので、その情報を見極めるためには広告だけでは参考にならない時代になってきたということなのです。

それらの動きそのものをGoogleも推進しているので、結局自己肯定をしながら自己否定をGoogleという会社は今やってるんです。そこに彼らのジレンマというものがあると思うのです。この辺りをもう少し説明をすると、レストランを検索するときに、お店の名前を直接入力して検索をすると、ぐるなびよりも食べログが上位に来ます。これは一般人がどれだけサイトに参加しているかという点をGoogleが重視している現れなのです。

アマゾンがレビューを掲載しますよね。我々も何か買い物をするときに、まずこのレビューを読むと思うんだけど、このレビューは買う方はやはり参考になるし、サイト自体が常に変化するということもあって、とても重要なポイントなのです。アマゾンは、このレビューを組み入れることで、サイトのソーシャル化とサイト自体が自力ではなくてユーザーによって更新される仕組みを作りましたね。これは食べログも同じですね。

ところが、Googleにはグーグル・バズで失敗したように、ソーシャルの分野が実はとても弱い。しかし、世の中の趨勢はソーシャルの方向に向かっている。ここにGoogleの焦りがあると僕は睨んでます。だから、Google+を拡充してますよね。写真のリサイズはあるにしても、ほぼ無尽蔵に写真をアップできるようにしている。ただ、悲しいことにGoogleが目指す使い勝手の良さが、Facebookと比べると弱いんですよね。この辺りが、GoogleがFacebookに対抗できないところです。

今後は、誰が何に精通しているのかということが、人がものを買ったり何か決めたりする時の指針になるであろうと思っています。それはFacebookやツイッターと言ったSNSがインターネットにおけるコミュニケーションのとても大きな存在になっているし、アマゾンにしても楽天にしても、食べログにしても口コミが購入などの大きな参考になっていると思うのです。それ以外にブログもそうです。どういう商品が、どういう効果があったりするのか知りたくなるのが、買う方の心理です。何かあることに興味があったりした時に、もう少し詳しく知りたい場合などは、アマゾンや楽天などの口コミはもちろんそうだし、ブログなどチェックしてどういうものかを調べられるような便利な時代になりました。こういう傾向は更に続くでしょうね

先日もこういうことがありました。ソニーがスマホに装着するデジカメ「QX10」「QX100」の発売をしました。このソニーのデジカメは、スマホに装着するという実に面白い発想のデジカメで、僕も非常に購買意欲がそそられました。この商品の情報を見るためには、ソニーのサイトに行けばいい。でも、いいことしか書いてないわけですよね。レビューがみたいなと思っていたところ、ギズモードでレビューが公開されました。

ソニー「QX100」ギズレビュー:画質は最高、でも使用感は苦痛そのもの
http://www.gizmodo.jp/2013/10/qx_100.html

これで僕の物欲はかなりしぼんだんです。商品コンセプトは面白いけど、使用感が苦痛!というのであれば、実機を触ってみないと、怖くて買うことも出来ない。安いものじゃないですからね。

あとは、iPhoneのiOSがアップデートしましたけれども、この使用感はどうなのかとか。iPadminiにインストールしても普通に動くのかどうかとか、そういうことは公式サイトには書いてないですからね。そうすると、自分で調べてみて、どうか判断する。

そう考えると、僕のこの記事だって、QX10というキーワードで拾われていて、どんなことを書いてるんだろうと思ってユーザーが読んでくれて、ギズモードのリンクを見て、え!ということになりかねないわけでして、このソーシャル化と言うのは、更に進化していくと思うのです。

例えば、専門家リストのようなサイトが出来るかもしれないし、誰かが計画をしているかもしれない。そうすると、ユーザーは何かを買おうとしている時とか、何か決めかねている時には広告は見ずに、ブランド力の高い人の意見を聞いて、そこで決めるという動きが、広告と並行して更に顕著化してくと思われます。

今でも、美味しいものを食べに行きたい!という時に、そういうことに精通している人に聞きますよね。間違っても、そういうことに詳しくない人には聞かない。もし聞いたとして、その進められたお店に行く可能性は高いですよね。食べログにしても、このお店はどうだろうと調べてみて、ここの◯◯が美味しいんですよっていうコメントが入っていたら、それはお店に行った時に頼む可能性は高い。それは体験談でもあるわけですから、それがなにか迷っている人の背中を押すきっかけになると思うし、それがソーシャルの特性でもあるんです。

ところが、Googleにはソーシャルのかなめとなるコンテンツが、Facebookやツイッターに対抗できるコンテンツが今のところない。だから、Google+を拡充しているというのは、Googleの焦りの現れだと思うのです。その辺りが、今後のGoogleのビジネスの課題じゃないのかなと思いますね。