アル・ディ・メオラの新作「OPUS(オーパス)」は、アーティストとして新境地を開いた感じがする力作
僕は今から40年前にギターを弾き始めていますが、この40年間でこの人のようにギターを弾けるようになりたいという人が3人いて、そのうちの一人がアル・ディ・メオラです。そんなアル・ディ・メオラが発表した新作「OPUS(オーパス)」は、ギタリストというよりもアーティストとしての新境地を拓いた感があり、大変な力作だと思いました。
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去年来日した時に感じた違和感
アル・ディ・メオラは昨年日本に来日をして、ライブを行いました。僕は冒頭にも書いたように、アル・ディ・メオラのことはギタリストとして尊敬していましたし、何よりも今回のライブは名盤「エレガント・ジプシー」40周年記念ライブと銘打っていたこともあり、僕はこのライブを見に行きました。その時の様子をブログに書いてきたのですが、
アル・ディ・メオラの来日が決定したので、早速チケットを申し込みました!
アル・ディ・メオラのミートアンドグリート@ビルボードライブ東京に参加しました。すごい体験をしてきました。
僕は、名盤エレガント・ジプシーの再現をものすごく期待していたこともあって、相当バリバリなギタープレイを期待していたのですが、実際にどちらかというと、レイドバックした感じの荒々しさが殆ど無い演奏だったので、やや拍子抜けをした記憶があります。ただ、余韻を引きずるような曲調だったこともあり、今回のニューアルバム「OPUS(オーパス)」は、発表されると早速入手したんです。
幸せに満ち溢れる現在のアル・ディ・メオラ
「OPUS(オーパス)」に関しては、アル・ディ・メオラ本人が次のようなコメントを入れています。
「“作曲家でありギタリスト”と評価されるだろうね。“ギタリストであり作曲家”というよりも」
「これほど幸福な状態で音楽を書くのは人生初めて」
「妻と素晴らしい関係にあって、娘も生まれた。最高の家族から毎日インスピレーションを受けているし、それが音楽に表れている」
アル・ディ・メオラ自身は、今の状態が幸福感に満ちている中での音楽を作ったとコメントしているのですが、確かにアル・ディ・メオラのFacebookページを見てみると、奥さんやお嬢さんとの写真が結構アップされていて、確かに幸せ感が満載です。一部紹介しますね。
このようにFacebookの書き込みを見ていると、情愛に溢れていて、見ているこちらから見ても、微笑ましく思えます。
新境地を開いたアル・ディ・メオラの新作「OPUS(オーパス)」
「OPUS(オーパス)」に関しては、前述しましたがアル・ディ・メオラは自分はギタリストである以前に作曲家として評価されるだろうと言っていますが、正にその通りで、トータル的な音楽という点からすると、曲が本当に素晴らしいのです。
「エレガント・ジプシー」は、アル・ディ・メオラ自身のギタリストとしての超絶テクニックが全面に出て、当時ああいう感じの速弾きをする人はいなく、曲の良さもあって、多くのギタリストに影響を与えました。今の速弾き系のギタリストは間違いなくこの人の影響を受けていますし、それを明言している人はたくさんいます。ただ、速弾きは曲のTPOを合わせないと、曲自体を壊しちゃうというところがあって、敢えて名前を出しませんが、そういうギタリストはたくさんいます。ちなみに僕が敬愛してやまないドリーム・シアターのジョン・ペトルーシは、その機微をよくわかっています。
さて、今回のアル・ディ・メオラの新作「OPUS(オーパス)」ですが、速弾きを期待すると、辛いところがありますが、アル・ディ・メオラの精神的な充実さがよく表現されていますよ。ギターはアコスティックギターが中心ですが、昔のようにラテン色はそれほど強くなく、曲調がメインとなっています。そのため、ギターも曲を構成している楽器になるので、往年の速弾きを期待すると、つらいかも。
ただ、この動画を見てみると、ギタープレイ以上に曲が良いので、多くのファンが付くのではと思ってますし、何よりもまだまだ創作活動を続けているところが本当に素晴らしい。ここ数年においては珍しいほどよく出来ているギターアルバムです。