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10年ぶりに読み直した「竜馬がゆく」で元気が出てきました。

竜馬がゆく

坂本龍馬という明治維新を事実上成し遂げた人物について書かれた本はたくさんありますけれども、この人を日本中に知らしめた本が司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」です。僕もこの本で読書に目覚めるようになった、大変ありがたい本ですが、おそらく10年ぶりくらいでこの本を読み返しました。

竜馬がゆくとの出会いについて

今更ながらですけれども、司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」との出会いは、大学に入ったばかりのときです。ですから、まだ10代ですね。たまたま通った大学というのがとても遠いところにあり、片道で2時間ほどかかる場所にありました。しかも、電車を3本乗り換えていくので、寝ることもままならず、仕方なく手にしたのが、司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」でした。この本は、司馬遼太郎さんもおっしゃっているように、ご自身にとっても最高傑作の一つというくらいですから、僕も貪るようにこの本を読みました。それくらいこの本は面白いし、すごく勉強になるし、もっと色々なことを知りたいと言う気持ちにさせる本です。

竜馬がゆくを読んだことにの僕への影響について

「竜馬がゆく」を読んで、おおいに刺激を受けました。この後、司馬遼太郎さんの著作は、ほぼ全て読みましたし、コラムなんかも探し出してきては、読みました。他の人はよくわかりませんが、司馬遼太郎さんは、僕にとってはものすごく中毒性のある本で、常に読まずにはいられないというところがあります。その結果、僕の19歳以降の人生はかなり豊かになったと思いますね。歴史を親しむことが出来たことによって、司馬遼太郎さんの作品に出てくると主人公に限らず、脇役も多く出てきますから、この人はどういう人だろうと思ってしまいます。例えば、竜馬がゆくを読んで知りたいと思ったのは、桂小五郎や小松帯刀、千葉重太郎、千葉さな子など。後は後半に登場してきますけれども、土佐系で言うと、板垣退助、後藤象二郎、佐々木三四郎。薩摩では、西郷さんや大久保利通の他に、桐野利秋といった後に西南戦争を起こす人たちや、長州では、高杉晋作、三吉慎蔵、幕府側で言えば徳川慶喜はもちろん、勝海舟、大久保一翁など、多種多彩な人物が多く出てきます。それらの人々を追っかけていくことで、また同じような事が起きてきます。例えば、幕末明治にかけての薩摩藩のことを知りたいと思うと、司馬遼太郎さんの翔ぶが如くなどはすごくおすすめなのですが、ここにも様々な人物が登場して、それぞれ興味深い個性をしているので、どういう人なんだろうと言う素朴な疑問が湧いてきて、この人たちはどういう人達なのかということを調べてみたくなるんですよね。歴史の面白さというのは、自分の知りたい人物や事象を掘り下げることで、新しいことを知るということだと思うのですが、そういうことを教えてくれたきっかけを作ってくれたのが、竜馬がゆくです。

竜馬がゆくの好きなシーンベスト3

実際に竜馬がゆくを本がぼろぼろになるくらいに読んだのですが、その中で特に好きなシーンについてご案内します。

お田鶴が大政奉還後に竜馬に会いに来るシーン

竜馬がゆく8巻

竜馬がゆくの中で女性の存在というのはとても大きく、色々な人が出てくるのですが、その中で僕が一番好きなのは土佐藩家老の妹お田鶴様です。竜馬がゆくには、歴史小説なので登場人物の殆どが実在の人物で、重要人物は殆ど実在している人ですが、その中で珍しく架空の人物がこのお田鶴様です。モデルは平井加尾と言われていますが、お田鶴様の司馬遼太郎さんの描写の仕方が本当に素晴らしい。この人の存在が竜馬がゆくを素晴らしく彩っていて、竜馬とお田鶴様のやり取りは本当に読んでて楽しく、色々なシーンの中で、竜馬が大政奉還を成し遂げて、そこにお田鶴が訪ねてくるシーンがあります。ちょうどさわりだけをご案内します。

お田鶴様は唇に指をあて、含み笑いをしつつ近づき、ぼんやり突っ立っている藤吉から櫛をとりあげた。やがて竜馬の髪をにぎって小気味よく梳きはじめた。

むろん、竜馬はその気配の変化を気づいている。

(どうも、このひとにはかなわぬ)

肩をすくめたが、そのまま髪をゆだねた。

竜馬の戸惑いと、お田鶴様のいたずらごころをの微妙さとその機微をものすごく上手に描写していると思うのです。僕も女性としてお田鶴様は好きで、節度があり上品があって教養のある素晴らしい女性だと思います^^

これは竜馬がゆくの8巻の最後の方に記載されている部分です。

薩長同盟直前で、自分から話を進めない桂小五郎を竜馬が怒鳴り散らすシーン

竜馬がゆく6巻

竜馬がせっかく薩長同盟のお膳立てをしたにもかかわらず、桂小五郎が自分から積極的に締結をしようとせず、話が流れてもいいと言ったときに、竜馬が激怒するシーンは、なかなか切迫感があって好きです。僕は幕末の志士の中で桂小五郎が一番好きなのですが、桂小五郎の怜悧だけれども、情熱家であるところが、二人のやり取りを上手に司馬さんが描写しています。

できぬ、と桂はいった。

「もしもしそれをやれば、おれは長州藩の代表として、藩地にある同士を売ることになる」

「ば、ばかなっ」

竜馬はすさまじい声でいった。

「まだその藩なるものの迷妄が醒めぬか。薩州がどうした、長州がなんじゃ。要は日本ではないのか。小五郎」

と、竜馬はよびすてにした。

(中略)

「坂本君、きみの提唱する薩長連合が成らざれば、おそらく長州はほろぶであろう」

「…」

竜馬はだまっている。

「ほろんでもかまわぬ」

と桂は、激昂をおさえつつ、小さく叫ぶようにいう。

このシーンも、竜馬が激怒するのはわかる一方で、桂小五郎も命をかけて長州のプライドわきまえていると言うんでしょうか。最後の意地を張っているというところが、かっこいいなあと思うのです。こちらは6巻です。この本の一番盛り上がるところです。実際に薩長同盟が完成したことで、明治維新がスタートするようなものですし、司馬さんもこのあたりをどういう場面にするのか、小説家として悩んだそうですね。確かに、ここはストーリー的にもよく書かれていると思います。

貞吉老人が脱藩した竜馬を見直すシーン

竜馬がゆく3巻

この本で自分の一番好きなところはどこだろうと考えて、一番すぐに頭に浮かんだのが竜馬が貞吉老人に自らの脱藩を報告して、貞吉老人が見直すシーンです。

「それにしても、わが竜さんは、のんきなものさ。なあ、さな子」

「ええ」

さな子は小さな声でいった。

「ところで、竜馬、今度はどういう目的の出府だ」

「脱藩したんですよ」

「えっ」

「当分、かくまって頂こうとおもいまして」

「おどろいたやつだな」

貞吉老人は、竜馬を見直したようである。

「もう土佐に帰りません。天下を棲家として暮らします」

ここも当然架空のシーンですが、司馬遼太郎さんのストーリー展開力と筆力が素晴らしい。貞吉老人のびっくりしているところが目に浮かぶようです。こちらは3巻です。

僕にとって竜馬がゆくとは

竜馬がゆくは、僕にとって歴史を学ばせてくれたし、何よりも本を読むことの楽しさを教えてくれた大事な本です。この本を読んで、自分にプラスになったこともあるし、歴史を読み違えて大失敗をしたこともあります。ただ、言えることは、この本を読むと元気になるということです。司馬さんが描く竜馬だけではなく、他の登場人物も上手に描写していて、本当に面白く楽しく読めるのがこの本だと思います。気分が下がっていると、とても元気づけられるので、読み終わった後の爽快感は格別です。司馬遼太郎さんの本をはじめて読みたいと言う人にはおすすめです^^

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