2016/06/11
【レビュー】ドリーム・シアター/ライヴ・アット・ルナ・パーク 2012
今度のラウドパーク14で来日するドリーム・シアターですが、このバンド自体活動が実に精力的で、ロックシーンを主流だった1950年前後に生まれたビートルズ、ストーンズ、クラプトンから10年近く若返った世代の代表がドリーム・シアターで、彼らのライブを体験する前に、やはりこのライブ・アット・ルナ・パークは必見だと思います。
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Contents
僕の理想の音楽ーレインボーライジング
個人的なことを言いますと、僕自身、高校から音楽を始めて、個人的な理想のスタイルは第二期のレインボーで、荘厳なキーボードをバックにギターとドラムとボーカルがぶつかり合って、ものすごいものが出来上がったのが、レインボーのライジングでした。
Polydor / Umgd (1999-06-28)
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僕の20歳前後の音楽の嗜好というのは、まずハードロックで卓絶したギタープレイを聞き、その後ロックよりもジャズのほうがテクニックが上であるということを知り、聴きやすいという点でフュージョンを聞くというようなものでした。なので、基本的には演奏が下手だと、気持ちが下がるのです。もちろん、音楽はメロディが主体で、演奏はそれを引き立てるものであるにしても、やはりプロである以上は下手ではダメだと思うのです。
その点、リッチー・ブラックモアという人は、1980年前後の頃は我々ファンから見て光っていましたし、僕らの欲求を十二分に実現する人でもありました。
ドリーム・シアターとの出会い
その後月日が流れて、一昨年くらいに、僕は初めてドリーム・シアターに出会うに及び、僕が理想としているロックミュージックという点では、完全に理想とするグループでした。演奏力は卓絶しているし、曲も良い、ギターだけではなくて、演奏に参加しているメンバーの技術が卓絶しているということもあって、メロディを楽しみながら、演奏も楽しめるという凄いバンドなのです。
このドリーム・シアターの凄いところは、なんといっても曲の長さで、10分を超えるのは当たり前で、平気で15分とかを演奏してしまい、それに対して怠惰感が全くないほど緊張感があるのです。普通ロックミュージックというと、5、6分でもう長いですし、ビートルズに至っては大体2分台です。だからこそ、ポール・マッカートニーのライブは40曲近く演奏をができるんでしょうけれども、このドリーム・シアターに関しては長い曲は普通にある。ただ、必然的な長さなので、聞いてる方も全く飽きないのです。
昔のディープ・パープルとかは、メイド・イン・ジャパンを聞けばわかりますが、最後の曲であるスペース・トラッキンは20分近く演奏をしているんですが、曲の殆どが、リッチー・ブラックモアとジョン・ロードのソロが延々と続くもので、初めて聞く人はきついといえばきついのですが、ドリーム・シアターの場合は、すべて計算されて長くなっているので、全く飽きが来ない。
ライブ・アット・ルナ・パークの曲目リスト及び収録アルバム
その凄さをライブで表現してるのがライブ・アット・ルナ・パークです。曲目と収録アルバムを追加しておきます。
曲目リスト
ディスク:1
1. Bridges In The Sky
Roadrunner Records (2011-09-13)
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2. 6:00
Atlantic / Wea (1994-10-03)
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3. The Dark Eternal Night
Roadrunner (2007-06-04)
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4. This is the Life
Roadrunner Records (2011-09-13)
売り上げランキング: 36,816
5. The Root of All Evil
Atlantic / Wea (2005-06-07)
売り上げランキング: 6,719
6. Lost Not Forgotten
Roadrunner Records (2011-09-13)
売り上げランキング: 36,816
7. Drum Solo ドラム・ソロ
8. A Fortune In Lies
Universal Import (1989-03-14)
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9. The Silent Man
Atlantic / Wea (1994-10-03)
売り上げランキング: 28,998
10. Beneath The Surface
11. Outcry
Roadrunner Records (2011-09-13)
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12. Piano Solo ピアノ・ソロ
13. Surrounded
Atlantic / Wea (1995-02-22)
売り上げランキング: 9,924
14. On The Backs Of Angels
Roadrunner Records (2011-09-13)
売り上げランキング: 36,816
15. War Inside My Head
16. The Test That Stumped Them All
Atlantic / Wea (2002-01-28)
売り上げランキング: 42,063
17. Guitar Soloギター・ソロ
18. The Spirit Carries On
Atlantic / Wea (1999-10-22)
売り上げランキング: 16,504
19. Breaking All Illusions
Roadrunner Records (2011-09-13)
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20. Metropolis Pt. 1
Atlantic / Wea (1995-02-22)
売り上げランキング: 9,924
ディスク:2
1. These Walls
Atlantic / Wea (2005-06-07)
売り上げランキング: 6,719
2. Build Me Up, Break Me Down
Roadrunner Records (2011-09-13)
売り上げランキング: 36,816
3. Caught in a Web
Atlantic / Wea (1994-10-03)
売り上げランキング: 28,998
4. Wait For Sleep
Atlantic / Wea (1995-02-22)
売り上げランキング: 9,924
5. Far From Heaven
Roadrunner Records (2011-09-13)
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6. Pull Me Under
Atlantic / Wea (1995-02-22)
売り上げランキング: 9,924
7. Trailer トレイラー(ボーナス・フューチャー)
8. Behind The Scenes 舞台裏(ボーナス・フューチャー)
9. Cartoon Intro ミカ・テュースカによるアニメーション(ボーナス・フューチャー)
10. Outcry アウトクライ(ブルーレイのみ) 6マルチアングル映像(ボーナス・フューチャー)
11. Intoro/Recap イントロ/再出発(ドキュメンタリー)
12. Dinner in Buenos Aires ブエノスアイレスでの晩餐(ドキュメンタリー)
13. Soundcheck サウンドチェック(ドキュメンタリー)
14. Pre – show Rituals ショウの前の儀式(ドキュメンタリー)
15. The Show Goes On ショウは続く(ドキュメンタリー)
ライブは2時間ちょっとですが、凄い緊張感とロックミュージシャンとしては最高のテクニックと曲の良さを体験できるDVDで、タイプは違いますが、技術的に対応できるのはおそらくTOTOくらい。それ以上に音楽的な統一感ということを考えると、TOTOも残念ながら彼らの足もとに及びません。それほど大作です。アルバム的には、2012年のものであり、ドラムでリーダーだったマイク・ポートノイ脱退ということもあり、Dramatic Turn of Eventsからの選曲が多いのは、このDVDの特徴です。
もちろん、褒めるだけではなくて、このバンドの逆転という点では、いつも書いてることですが、ボーカルの線が細い。アメリカンハードロックと言うのは、TOTOといい、ボストンと言い、スティックスと言い、こういう線の細いボーカルが意外と多いのです。あえて言うのであれば、ジャーニーのスティーブ・ペリーレベルか、それこそ太い声の代表選手でもあったロニー・ジェイムス・ディオレベルのボーカルがいたら、凄いことになっていたことは間違いないと思いますね。
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