2016/06/11
日本経済新聞「悪意」の源流 小保方博士と理研の迷宮(上) という記事を整理してみました
日本経済新聞が昨日から小保方さんと理研の問題について取り上げていて、非常に多くの人に読まれているのです。僕も小保方さんがSTAP細胞の発見というところから、捏造と断定されるまでに、注目をしていたということもあり、僕なりに読んでみて、考えてみようと思います。
Contents
理研という組織について
今回は昨日の記事で「悪意」の源流 小保方博士と理研の迷宮(上)というもの。実に難しい内容の記事でもあるのですが、よく読んでみると、やはり、理研という組織がかなりおかしい印象を僕は受けました。
(引用)
(理研改革委員長の)岸は納得がいかない。不正を審査した調査委員会6人のうち、4人に切り貼りの疑惑が持ち上がっている(うち前委員長の石井俊輔は辞任)。「わかりにくいんですよ。切り貼りでこっちは良くて、こっちは悪いって。そこが、一般市民や私にも十分、わかるようになってから出した方がいい」
東京大学名誉教授で工学博士の岸をしても、その判断が理解できないという。
まず、岸委員長が言うように、小保方さんの切り貼りがだめで、調査委員会のうち4人がい切り貼りの疑惑があるにも関わらず、それはスルーになっている。そこがどういう判断基準でいい悪いが決まっているのかが、まずわからないということです。それは全くそのとおりですよね。
しかし、一方で理研はひたすらに小保方排除を進めている。わかり易い例で言うと、いままで小保方ユニットリーダーとして使っていた研究室は、ほぼ閉鎖状態で、今までのスタッフも全て解散状態になっているとのこと。
小保方排除の流れ
どうしてここまで小保方排除を進めているのかということについては、特定国立研究開発法人の法案提出期限というものがあり、これを理研が対象になると莫大な研究費が落ちてくるということもあって、理研が躍起になっていたということがありました。しかし、今回の問題でおじゃんとなってしまった。それでも、小保方排除という動きがあるのは、今回の問題に関しての責任問題にあるのだというのです。
つまり責任問題は、小保方さんだけではなくて、この実験に関わったもの、更には、
「個人だけでなく、組織にもそれなりの責任がある。当然、理研の責任にもなりますよ。そうすると、文部科学省、ひいては日本の科学技術政策そのものの問題になってくる」
というものであり、つまり、国の研究支援体制にも責任追及が及びそうな気配なのです。
尋常じゃない予算
さらに研究開発の費用が尋常ではないし、それが結局成果に結びついているのかどう以下ということにも話が変わってきているようなのです。お金の動きを見ると驚きです。
科学研究費補助金(科研費)は、1995年に900億円、10年後の2005年度には1800億円強に倍増、2013年度には2318億円に達している。
じゃあ、研究開発の効果はと言うと、例えばスーパーコンピュータの京に対して結局1111億円の費用が落とされ、2011年に世界一になったものの、今は世界4位。ところが、現在この京を維持するコストが年間100億円もかかっているという事実。しかし、この1000億円を投じた効果が見られないとのこと。民主党が2位でダメなんですか??と言って大騒ぎになった時に、今の理研のトップである理研理事長の野依良治ら科学者が反発し、「いったん凍結すれば、他国に追い抜かれる」として予算を復活させたけれども、現状は効果もなく、金だけ使われているものに成り下がっている。
また、バブル崩壊時に成立させた「科学技術基本法」によって、巨額の予算が生み出され、96年に作成された第1期科学技術基本計画はなんと17兆円!!!ここに政治家には科学技術族が生まれる。これはわかるわという感じです。翌年の予算が24兆円。科学技術と名が付けば、平気で予算がつくという状態になり、そのお金が結局理研に流れるという構図になり、このことに関して日経の記者は理研を称して、「日本唯一の総合科学研究所」は、格好のカネの流し場所となったと記載をしています。すごいね。
しかも、理研の研究者は、所轄の経済産業省に対して、
ライバルの研究者が文部科学省の予算を獲得したことが気に入らず、経産省所管の産業技術総合研究所(産総研)のカネを目当てにすり寄ってきた。そして、相手の悪口を、カネの不正から女性問題までぶちまける。
「理研のトイレットペーパーは一万円札をつなげて作られている、と揶揄(やゆ)されていた。政治家よりも汚い世界ではないかと思った」。
これもすごい話ですよねえ。
理研は大きな力のお財布なのでは
ここまで来ると、この理研の組織というのが、お金ぐるみの組織であり、そのお金の流れには様々な人間が交錯しているし、この記事を読むと力の強い人達のお財布のような組織になっているのではないかという印象を強く受けました。
ところが、今の状態でいると、理研に対して予算が落ちなくなる可能性が高いので、そのために小保方さんが魔女狩りの対象になったということであり、小保方さんが週刊新潮や先日の記者会見で大きな力が動いているということが、どういうことなのか、やっとわかった感じがしました。とにかく、この理研という利益や成果物を産まない組織は、科学技術の研究という大義名分で、ものすごい予算を引っ張れる組織であったのに、今回の問題でそうじゃなくなるかもしれないということを阻止する力が動いているということだろうと確信しました。
なお、この記事に対してTwitterでは色々とツィートがあるので、ご紹介します。
さすが日経さんの突込み。自分の経験から極論になるが国の研究機関は民間の成果にタダ乗りして生きている様に見える。A4紙1枚のこんな感じと書いた仕様を民間に丸投げ…。 〜「悪意」の源流 小保方博士と理研の迷宮(上) :日本経済新聞 http://t.co/VPTjswXIrQ
— 佐藤けんいち (@keith0922) 2014, 5月 13
優秀なビジネスマンのご意見ですね。さすがです。
「悪意」の源流 小保方博士と理研の迷宮(上) :日本経済新聞 http://t.co/QS9fw0KCU9 ますます米ベル研究所の『論文捏造』(中公新書)事件と似通った病巣が見えてくる。
— 大島英美 (@EmiOshima) 2014, 5月 13
僕も全く同意見ですね。
ここで理研を叩くなら、確かに「京」の問題をハッキリさせてほしいですよね。結局1000億円以上使われたんだから。東大の金田教授にもキッパリ否定され、それでも世論を使って復活させたアレはなんだったのか。http://t.co/WqoGtTrifZ
— OKAMOTO Yoshitaka (@yoshi_ok) 2014, 5月 13
まさしくその通りで、この問題は絶対に取り上げるべきだと思いました。やっぱり、しっかりした記事を読み方の意見は違いますね。さすがと思いました。