2016/06/110 Shares

日本経済新聞スター誕生の裏側 小保方博士と理研の迷宮(中) という記事を整理してみました

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小保方博士と理研の迷宮シリーズ第二弾スター誕生の裏側 小保方博士と理研の迷宮(中) は、驚くべきなのは理研の人事システムでした。つまり、日本の科学者たちは過酷な待遇と競争にさらされて、日本の若き「博士」たちは未来を描きにくくなっているというもので、今回の記事はその検証といえるものです。

Contents

雇用体系が任期制であることと、長時間かかる基礎研究の矛盾

まずいわゆる研究者たちの雇用体制が、1期3〜5年の任期制となっていて、いわゆる終身雇用というものではないということです。本来基礎研究というものは、時間がかかるものでありながら、実情的には1期で理研を去るというのが一般的なもので、やめた研究員には次の仕事がなかなか見つからないというのです。

どうして長期的な視野に断つ必要がある基礎研究に従事している人たちの、雇用体系が任期制なのかという最大の原因は、給与の問題で、研究員に支払われる給与というのはプロジェクト毎に支払われる国からの補助金の中から支払われるので、プロジェクトが終わる毎に、悪い言葉で言うと、研究者はお払い箱になるというのが実情で、これは他の組織から見たら、環境的に劣悪そのものと批判されても仕方がない。

追い詰められている若い研究者たち

 

こういう状況なので、任期が切れると行方不明になる研究者も少なく無いといい、若い博士を任期制で雇用するポストドクター制度でも、任期が切れた場合に、本来であれば出身大学に戻れなくても、地方国立大学や私立大学のポストに就く道が開かれていたけれども、それ自体もままならぬ状況になってきているために、若い研究者は結果的に追い詰められているというのが現状のようです。

マネジメントのプロではない人たちにマネジメントは無理

この状況について、やまもといちろうさんが重要なことを書いているので、引用します。
理研の人事を批判するなら、同じ口でシンガポールを目指せとか絶対に言うなよ

 要するに、日本というのは名選手がそのまま監督になるように、優秀だった技術者や研究者がそのままプロジェクトリーダーとなり、組織の管理職になって、研究以外の雑務にも手を出さなければならなくなっていく。当然、それまでは研究のことしか頭になかった人たちですから、マネジメントだガバナンスだコンプライアンスだといっても能力を発揮できるわけがありませんわな。

結局そういうことですよね。科学者として優秀だった人がマネージャーで優秀なわけがない。それは当然のことで、そちらの訓練をしてないわけだから、そういう常識がないというのは、小保方さんを首にしようとしているなんとか委員会の顔つきをみればわかる。

この記事では理研は203高地のようだと言われているということで締めています

今の理研は全体の収入こそ大きいが、全国に散らばる研究所で1000を超えるプロジェクト(外部資金分)を抱える。その下に大量のポスドクを採用し、期間を区切って小刻みにカネを分け与えている。そのため、中途半端な研究で終わり、大きな成果が上がらない。

 「理研のやり方は、203高地の乃木将軍のようだ」。理研の元研究者はそう表現する。兵(若手)を突撃させるが失敗して撤退、するとまた次の兵を送り出す。結果的に、多くの犠牲者を生み出す。

しっかりマネージメント出来る人がいないから、無駄なことばかりしているというもので、それこそ経営のプロでも呼んできて、組織改革をしないと優秀な人材を無駄なことばかりやらせるという状況は変わらないような気がします。

この記事に関するツィート

この記事に関するツィートもさすがという感じです。

スター誕生なぁ。この記事通りなら、それは消耗品だってことなんだが “スター誕生の裏側 小保方博士と理研の迷宮(中)” http://t.co/4DhYd1tLJE
— Kei_N (@Cat_Paradox) 2014, 5月 13

確かに当記事は素晴らしい。日本の研究者は35歳が助教の臨界点で、今は65歳定年で高齢者辞めないから席が空かず。理研の研究員は2800人、88%が5年内の任期、5年立てば現場は入れ替わる。>スター誕生の裏側 小保方博士と理研の迷宮 日経 http://t.co/oxEy1xLEJi
— motoji (@motoji_etoile) 2014, 5月 13

想像以上にすさまじい連載だった。 :スター誕生の裏側 小保方博士と理研の迷宮(中)  :日本経済新聞 http://t.co/eh3AyEKjdD
— ゆみきり (@akinotano73ten) 2014, 5月 13

日経も本気で記事を書くとすごい記事を書きます。