片山被告を援護していた人たちー世の中は人をあげつらう対象を探しているのか
一連の遠隔操作で、徹底的に無罪を主張していた片山祐輔被告が、最後の最後でスマホを処分したところを警察にチェックされてあえなく逮捕。本人もあっさり真犯人は自分ですと告白をしました。彼の心境としては、結局、全部やりきったというところがあると思うのですが、一方で彼を養護していた人たちがいますけれども、その人達はどういう心境なんだろうって思うわけです。
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片山被告を擁護した人々
実際に片山被告は逮捕された時から、一環として自分は無罪であるということを主張し続けていたわけで、僕も彼は真犯人じゃないんじゃないかと思っていました。その彼を養護していた人たちは誰かというと、
- 主任弁護人の佐藤博史弁護士
- ジャーナリストの江川紹子さん
- ジャーナリストの八木啓代さん
- レイバーネット
などで、マスコミたちは、主にこの人たちに対して非常に厳しい対応を撮っている感じがします。つまり、真犯人が見抜けなかったのか、お前たちはというものです。
僕的にはこれはたまたま彼らが片山被告に騙されてしまったということであり、人を信用して彼を助けようとした善意という点で評価してあげるべきだと思うのです。今の日本のマスコミの対応というのは、なにか問題があると、それをお祭りのように叩きまくるという風潮があり、これは悪い風潮だと思うけど、マスコミ側としてもお前のせいで踊る寸前だったじゃん!!ということなんでしょうか。
世の中は人をあげつらう対象を探している感じ
具体的に言えば、佐村河内守が自分で曲を書いてませんでしたということで大騒ぎをして、理研の小保方さんがSTAP細胞の作製に成功したと報じると、そのルックスが良いということもあって、大騒ぎしたところ、実は捏造していたらしいという理研のリークに乗っかると、今度は小保方叩きが始まり、ルックスの良さを逆手に取る始末。今度は、美味しんぼ事件で大騒ぎをしている。なんかおかしい。今度は片山被告が実は真犯人です!というと、それを見抜けなかったお前たちの目は節穴か??という態度で、これだと小学校でいじめっ子のリーダーに雷同しているこづるいガキと一緒だと僕は思うのです。
結果的に片山被告に翻弄された人たちの態度
結局騙された形になった人たちは、その後のインタビューやTwitterでどう語っているのかということをチェックしてみると、
佐藤弁護士
<PC遠隔操作事件>「あなたを見捨てないと伝えた」(佐藤博史弁護士会見詳報・上)
片山さんに「申し訳ありません」と言われたが、正直なところ、全く裏切られたような否定的な感情はない。片山さんは「今までの弁護人を解任して、国選弁護人を頼もうと思いました」と言っていたが、私は即座に「あなたを見捨てない」と応じた。私自身は、否認している被疑者が「実はやってました」と告白することに何回か遭遇している。それをもとに弁護するのが弁護士だ。裏切られたと非難するものでもない。意外なほど冷静でいられた。
公的な立場で、自分が弁護をしている被告を罵倒することもなく、「あなたを見捨てない」といった佐藤弁護士の態度は、賞賛に値すると思いますし、僕はこのインタビューには心が打たれました。
江川紹子さん
Twitterをみていると、様々な人から攻撃を受けていて、攻撃する側もどういうつもりでやっているのかわからないけれども、だいたい捜査側から出されるリークや、それを鵜呑みにするマスコミのせいで、我々愚民が煽られているというところはなきにしもあらずという印象がありまして、さすが江川紹子さんだなと思うツィートが何件かあったので、紹介をしておきます。
.@celiwengler 結論がクロだったら、そこに至るまでの様々な問題は帳消しにしてしまうメディアの報じ方が、冤罪の温床であると思います。
— Shoko Egawa (@amneris84) 2014, 5月 21
まさしくその通りだと思うのですよ。
私がいつ「冤罪!無罪!」と叫び散らしたのでしょうか RT @dr_eroero 被告人の言葉を鵜呑みにして素人推理で冤罪!無罪!と叫び散らす江川氏や八木氏らも同じ体質でしょ。@celiwengler
— Shoko Egawa (@amneris84) 2014, 5月 21
NHKwebの私のコメントは大事な部分が抜けている。それは、「捜査段階では、マスメディアがリーク情報を含めて捜査側が出す有罪方向の、時には誤った情報ばかり発信しており、世の中の情報のバランスがあまりにおかしかった」という趣旨の発言。いずれまとめて書くことにしませう
— Shoko Egawa (@amneris84) 2014, 5月 20
こちらに期待をしようと思います。
八木啓代さん
彼女もTwitterやブログでこころのない匿名の人たちに叩かれていて、とても気の毒なのですが、彼女のブログでの一文が彼女なりの結論で、僕はまっとうな意見として受け止めました。
遠隔操作事件:いくつかの疑問に答える
あと、結果として、片山氏は相当に「卑劣であった」わけなので、それに対して怒りはないのか、という点。
これは、個人的には怒りというより、むしろ、彼の言動のあまりの矛盾が理解できないという印象が大きい。怒りがあるとすれば、他の冤罪事件を闘っている方たちやその支援者、また、今後の冤罪支援に多大な迷惑をかけたことは許せないと思う。というより、むしろ、そういう方たちの方が、片山氏の行為に対して、悲しみなり怒りを感じているのではないだろうか。
というもので、なにか問題があるの?という感じです。
レイバーネットの場合
J-Castの取材に答えて以下のように答えてます。
「本人が認めており、スマホに証拠も残っていますので、犯行に疑問の余地はないと思っています。緻密さがありながら、まぬけなところもあり、今は、なぜあんな行動を取ったのだろうと、その異常な人格に関心があります」
というもので、僕も彼にいろいろな人格があるような感じがします。
母のメールで涙ぐむ片山被告
ただ、一方で片山被告が母のメールで涙ぐんだという記事があり、
片山被告、母のメールに涙ぐむ PC遠隔操作事件
事務所で事件への関与を説明し終え、片山被告がスマートフォンの電源を入れると、母親からのメールが届いていた。「あなたが真犯人だったとしても受け入れる」。そんな文面を読み、片山被告が母親に電話をかけた。「悪かった、悪かった」。こう繰り返しながら、母親からのメールや電話の時だけ、片山被告は涙ぐんだという。
こういう感受性のある人だから、複雑な人間だと思うけど、めちゃめちゃ悪い人間ではないし、僕は彼は愉快犯という感じがして、警察をなめたので鉄槌を加えられたという、実に幼稚な事件なのではという思いがします。
また、養護した人たちに共通しているのは、捜査側が結果を早く出すために情報をリークしたという思惑を見抜いていて、それに反発したという点じゃないかと僕は思いますね。それであれば、僕もそう思うし、全然間違っている態度じゃないと思うのです。