2016/06/06
癒やされるという言葉と対極に位置するキング・クリムゾンのライブ「ライブ・イン・トロント」
アマゾンで1ヶ月待ちのというくらい人気のキング・クリムゾンのライブ「ライブ・イン・トロント」が到着をしたので、恐る恐る聴きましたが、まず思ったことは、確かにキング・クリムゾンというバンドは、やはり他とは違うということでした。
Contents
キング・クリムゾン「ライブ・イン・トロント」とはどういうアルバムか
キング・クリムゾンは去年2015年に来日をして、日本のファンを圧倒しました。その現ラインナップによるライブが「ライブ・イン・トロント」で、大変な人気があって、今やアマゾンやタワーレコードなどでも売れ切れが続いていて、今でも1〜2ヶ月待ちということになっております。僕もなんとか昨日届いて、このブログを書いているところです。
このライブについては、先日書きましたけれども、
収録されている曲は次の通り。非常に素晴らしいセットリストだと思います。
Disk01
- hreshold Soundscape
- Larks Tongues In Aspic Part I
- Pictures Of A City
- VROOOM
- Radical Action To Unseat The Hold Of
- Monkey Mind
- Meltdown
- Hell Hounds Of Krim
- The ConstruKction Of Light
- Red
- Epitaph
Disk02
- Banshee Legs Bell Hassle
- Easy Money
- Level Five
- The Letters
- Sailors Tale
- Starless
- The Court Of The Crimson King
- 21st Century Schizoid Man
ちなみに現メンバーはこんな変な人達です。本当にロックミュージシャンなんでしょうか?笑
King Crimson add an extra Norway date to 2016 European Tour: https://t.co/nbElYC9uvm pic.twitter.com/knsJoouqUp
— KING CRIMSON (@DGMHQ) December 4, 2015
こういう人たちが壮絶な演奏をしているのですよ、本当に。びっくりです。
キング・クリムゾン「ライブ・イン・トロント」をツィッターでチェック
ファンの人達もこのアルバムが送られてくることを待っていたようでして、ツィッターでは結構ツィートが見受けられましたよ。ご紹介します。以前キング・クリムゾンのライブをチェックしている時に、中毒性があるというツィートを見かけましたが、そういう人たちは結構いますね。さすがという感じがします。
『やっと来た、クリムゾン…』。
密林から、ようやく、"King Crimson Live in Toronto"が届きました。
珍しく1週間遅れ?これから、聴きます!こんばんは。 pic.twitter.com/Vz8yDfeQn3
— babooshka (@babooshkatan) March 24, 2016
今日届いて聴いてるけど情報量多くて本当におすすめ
Live in Toronto Panegyric https://t.co/F3KSPz23sz via @amazonJP— くじら7戦闘機 (@nununununu) March 30, 2016
#NowPlaying : King Crimson / Live in Toronto 2015 「21世紀」では、途中でなんとドラムソロをフィーチャーされている。中間部のトリプル・ドラムのパワーをいかしたインスト・パートから雪崩れ込んでいくのだが、かなり即興性が高い。
— Blogout (@blogout_tw) March 29, 2016
隣に会社の後輩がいるのに、車でクリムゾンの『Live in Toronto』を延々5時間掛けてた俺格好良い。
— かつてハシモトと呼ばれたモノ (@hasymoto) March 26, 2016
以前キング・クリムゾンのライブをチェックしている時に、中毒性があるというツィートを見かけましたが、そういう人たちは結構いますね。さすがという感じがします。
キング・クリムゾン「ライブ・イン・トロント」開封の儀
では早速キング・クリムゾン「ライブ・イン・トロント」が届いたので、早速開封の儀を行います。
まずはジャケット。ステージの一番前に3ドラム。この時点でかなりおかしいですよね笑
普通、ハードロックだとドラムは何十年も昔から一番後ろです。この時点で、プログレッシブです。キング・クリムゾン。
メンバーの写真がプリントされているCDです。
やはりロバート・フリップは尋常のなさが顔つきにも出てますよね。ホラー映画に出ていてもおかしくない感じ。羊たちの沈黙のアンソニー・ホプキンスを思い出しました。
そしてアルバムの裏です。
キング・クリムゾン「ライブ・イン・トロント」について
待ちに待ったキング・クリムゾン「ライブ・イン・トロント」。このアルバムを聴くにあたっては、去年のライブのファンの異様な感想を聴いていたので、ちょっと緊張してました。
ねじ伏せられたという人。
キングクリムゾン大阪初日終了。凄い…凄い…凄かった。ロックのコンサートで、ねじ伏せられた気分になるのは初めてかも。 pic.twitter.com/dSFUHQp11G
— josho (@josho0717) December 12, 2015
戦慄した人。
今日キング・クリムゾンのライブに行くという方に「楽しんできてください〜」と言ってしまったが、ことクリムゾンのライブに関しては気軽に楽しむというのもなんか違う気がしてきたな
「戦慄してきてください〜」とかの方が良かったかもしれない— ラッキーおっさん (@ThatLuckyOssan) December 7, 2015
鳥肌が立った人。
キング・クリムゾン名古屋公演から帰還。アンコールの「宮殿」と「精神異常者」の2連発は凄かった。
久しぶりに全身に鳥肌がたった。
Voもウェットな声質で違和感なし。今年を締めるに相応しい素晴らしいライヴでした。 pic.twitter.com/fSNRCTSENL— 某 (@boh71) December 21, 2015
普通ロックコンサートのライブを見て、こういう感想は普通浮かびません。凄いとか、良かったとか、そういう声は聞きますけれども、鳥肌とか、戦慄とか、ねじ伏せられたという感想は初めて聞きました。
そんな先入観をもってこのアルバムを聞いた感想はと言うと、たしかにそうだなあということでした。つまり、音楽を聴くときって色々な状況がありますよね。僕はテンションを上げたいときは、ヴァン・ヘイレンのジャンプとか聴きますし、心が疲れているときは、薬師丸ひろ子さんやいきものがかりとか聴きます。
キング・クリムゾンの「ライブ・イン・トロント」については、まずテンションは上がらないし、おそらく疲れている時にこのアルバムを聴くと披露は増幅すると思うんです。それだけ重たいアルバムです。ただ、聴き入ってしまうんですよね。これはなかなか表現しづらいところなんですけれども、ただ、ものすごい緊迫感が張り詰めているので、このライブを体験した人は、終わった後の疲労感というのは半端無かったし、確かに、鳥肌とか、戦慄とか、ねじ伏せられたという感想は、確かにそのとおりだなあと思いました。
「ライブ・イン・トロント」を聞く前に注目していた3点
更に僕がこのアルバムで注目をしていたのは、次の3点です。
- キーボードのいないプログレッシブ・ロックってどうなの?
- 3ドラムってどうなの?
- ギタリスト、ロバート・フリップってどうなの?
という疑問です。
キーボードプレイヤーが、いなくてもプログレッシブ・ロックは成立するのか
まず最初のキーボードのいないプログレってイメージが湧かないんですよね。それはイエスとかピンク・フロイドにおいてキーボードの存在はすごく大きいというイメージがあるからです。実際にプログレッシブ・ロックではキーボードプレイヤーが有名な人はすごく多いです。
ところが、キング・クリムゾンには専門のキーボードプレイヤーがいないのです。まあ、キング・クリムゾン自体がバンドとしてプログレッシブなので、いてもいなくてもロバート・フリップには関係がないんでしょうけれども、プログレ=シンセサイザーというイメージを持っている僕としては、このアルバムを聴く前にはすごく違和感がありました。
こちらについては結論は、全く問題なし。キーボードが無くても違和感がありません。理由としては、フルートやサックスなどがその代役をきちんと果たしているということもあるし、キーボードが奏でる細かい音をロバート・フリップのギターがしっかりカバーをしているということもありますね。
3ドラムはよくわからなかった^^
3ドラムについては、これははっきり言って数回聴いてもわかりませんでしたが、音楽全体がすごく厚みがあるのですが、それは3ドラムが一役を買っているのかなあと思っています。
ギタリストロバート・フリップとは
ギタリスト、ロバート・フリップについてですが、とにかくこの人の場合は鬼才としか言いようのないプレイは本当に健在。天才というのはこういう人を言うんじゃないかなあと思いながらこのアルバムを聴いていますが、ギタリストとしてロバート・フリップを聴いていると、実に表現力の豊かなギターを弾く人ですね。テクニックとかそういうのはこのくらいのレベルには全く関係なくて、キング・クリムゾンの音楽を構成しているギターを表現豊かに弾いています。
僕が若いころ、ギターが歌っているということをよく言われていて、僕は全く意味がよくわからなかったんです。ギターが歌っているってどういうことよと。ただ、ギターの表現力というと、なんとなく感覚的に分かるのですが、ロバート・フリップのギターはまさにこの表現力が素晴らしい。わざと不協和音を鳴らしてみたり、色々なことをしているのですが、ポイントはこの曲ではどういうギターを弾くと曲が際立つのかという思いでギターを弾いている感じがしますね。
このアルバムを聴いた感想は、確かにこれは聴き流せるアルバムじゃないですね。聴いていると音楽に集中してしまいます。一つは、どの曲もお馴染みの曲であるということと、さすが演奏が凄いです。隙が全く無い。言葉で表現をすると、空間に穴があるとしたら、すべての穴にキング・クリムゾンの音楽の粒子が入り込んでしまうという感じです。ですから、極端な言い方をすると、聴き終わったとは息苦しくなったりするような感じになりました。ただ、演奏は本当に丁寧なので、じっくり味わって聞けます。ボーカルもすごく良いです。2016年は今日で3月が終わりますけれども、今のところ今年一番のアルバムじゃないかと高く評価できます。