アマゾンがオリジナル携帯電話を発表
今日日本時間では未明、アマゾンがオリジナルの携帯電話「ファイアフォン」を発表しました。前からアマゾンが独自の携帯電話を発表するということはアナウンスされていたし、ここ数日アマゾンのわざとらしいムービーも配信されていたので、それほど驚くことではないけれども、相変わらずスタンスが面白い。その辺りをチェックしてみました。
今朝の日経新聞のウェブサイトではすでにトップで取り上げられていて、いかに注目されているかということがわかります。
アマゾン、約2万円の3Dスマホ 通販サイトを表示
Contents
ファイアフォンの3大特徴
このファイアフォンのいろいろな特徴があって面白いのですが、
- 低価格であるということ
- アマゾンでのショッピングに特化した携帯電話であるということ
- 携帯で撮影した写真は無制限に保存されるということ
このあたりが面白いかなあと思っています。
価格
まずは価格。iPhone5Sの32GBが
299ドル。今回のファイアフォンが同じ容量で199ドル。
とりわけ安いということではありませんけれども、アマゾンがiPhoneを意識しているということはよくわかります。ただ、この携帯を買うと無料で1年間アマゾンプライム会員となる特典が付きます。アマゾンプライムは年間99ドルですから、コスト的にも負担が減りますよね。
ますますアマゾンでの買い物が便利になるしくみ
当然のことながらアマゾンはショッピングサイトですから、ユーザーにはできるだけ買い物がしやすいように様々な仕組みが施されていますね。特に重要なのはユーザーにアマゾンのブランドが上がるような仕組みです。
そのひとつは今回発表されたFirely。Firelyというのは、本・DVD・CDなどの表紙などをカメラからスキャンして認識することができ、表紙以外にもURLや、各種数字、バーコードからも認証が認識。スキャンしたものはアマゾンの膨大な商品データベースと連携、スキャンした後はアマゾンからそのまま購入ができるというもので、それ以外にも、流れている音楽や歌を認識でき、楽曲やCDなどをアマゾンから購入できる。音楽以外にも、テレビ画面で放映されているドラマや映画なども認識。これらもアマゾンのサービスから購入・レンタルが可能で、ジェフ・ベゾスは1億点以上のアイテムを認識できるというもので、ソフトウェアというものはこういう使い方をするんだという典型的で画期的なシステムだと思いました。また、芸術作品とかをスキャンすると、ウィキペディアが立ち上がってその芸術作品の説明をチェックすることができる。入力するという手間を省いたもので、さすがという感じです。
撮影した写真はすべてバックアップ
携帯電話で撮影した写真がすべて無制限で保存できるというのも、面白い。ウォール・ストリート・ジャーナルによると
アマゾン、初のスマホ「ファイアーフォン」を発表
他社製の携帯電話と違い、アマゾンのクラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」を通じて写真データをクラウドで無制限に保存できるという利点もある。スマホ以外にカメラを持たず、携帯電話の記憶容量の大半が写真のために必要となってアプリケーションや音楽を保存するスペースがほとんど残らないというユーザーが多いことに着目した。
素晴らしい着眼点だと思うのですよ。実際僕のiPhoneも64GBありますけれども、
かなり写真がスペースを圧迫しているのは事実で、この自動バックアップが無料でやってくれるというのであれば、ユーザーの問題をしっかり対応している。素晴らしいと思います。
巷では3Dで表示するというのは、言わばおまけで、今後色々と新しい機能が出てくるでしょうから、要チェックであるかもしれないです。
また、こういうスマートフォンはアプリが重要で、その携帯でどういうことができるのかということを考えた時に、膨大なアプリから選べるという事ができないと辛いのですが、そちらも問題が内容で、実際にこの携帯電話を発表する前に、アマゾンでは
米アマゾン、アプリ拡充をアピール スマホ発表の布石か
25万種類のアプリがあると発表していて、それだけあれば特に問題はないです。実際にフィアフォンのサイトをチェックすると、
こんな感じで、全く不自由はしないですね。
ビジネス勘が鋭いジェフ・ベゾス
こうやって見ると、IT系の経営者の中ではこのジェフ・ベゾスという人は別格ですね。アマゾンという会社は自分たちほどユーザーのことを考えている会社いないということを前々から言っているんですけれども、そのポイントというのはどういうことかというと、ユーザーにできるだけ負担をさせないで、目的を達成するためにはどうしたらいいのかということを最も深く考えているということなのです。マーケティングという点で見た場合に、Appleはスティーブ・ジョブズがいなくなってからダメになってるし、マイクロソフトはすでに斜陽気味。その中でビジネスの勘が鋭いという観点で見てみると、この人の右に出る人は当分いないんじゃないかと思わせる、ファイアフォンでした。
ファイアフォンに対するユーザーの声
ちなみにこのファイアフォンに対するユーザーの声をTwitterでチェックをしてみると
アマゾン、約2万円の3Dスマホ 通販サイトと連動 :日本経済新聞 http://t.co/0saSD3UtTn 凄いアイデア! 動植物識別、図鑑表示してくれると山歩きには多いに役立ちそう。。電波が届けばだけど(^_^)
— Hans (@hans_northface) 2014, 6月 18
ウィキペディアと連動するというのは、凄いアイディアだと僕も思います。
3Dはなくていいんじゃないかなぁ。 / “アマゾン、約2万円の3Dスマホ 通販サイトと連動 :日本経済新聞” http://t.co/5XuBJODLBD
— kodamatic (@kodamatic) 2014, 6月 18
僕も3D不要論でして、電池とか消費しそうな感じがします。
アマゾンから、3D対応のスマートフォンが発売、実際の店舗で商品にカメラを当てるだけで、簡単にアマゾンの通販サイトに飛んで購入可能。アマゾンを利用する人は便利だが、店舗としての商売はいかに? でも、注目したい製品ではあります。 http://t.co/dZR4nYhjTD
— Nishioka Yasushi (@ynishi5) 2014, 6月 18
ビックカメラとかヨドバシカメラとかいった量販店は販売しないんじゃないかなと思いますね。アマゾンで買い物をするための携帯だということもあるし。
ざっと見ると、商品のアイディアに驚きの声が案外あったりします。これこそイノベーションであったりサプライズであったりしますが、こういうことをできるのは今はアメリカのジェフ・ベゾス、日本の孫正義くらいかなという感じがします。