2016/06/11
いきなり話の展開が雑になった花子とアン
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花子とアンの視聴率が相変わらず良いようなのですが、ヒロインのはなが学校をやめて上京するあたりから、話の展開が雑になってきたような感じがします。この辺りを今日は整理をしようかなとおもっています。
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二枚看板の存在が圧倒的
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このドラマのいいところは、まず吉高由里子と仲間由紀恵という二枚看板がいて、この二人の演技力が非常に素晴らしいところです。吉高由里子は元々奔放というか、どちらかと言えば今のはなとは真逆のキャラでしたが、今回のドラマで純情な女性を演技することができるということが立証できて、役者の幅がすごく広いと言うことがよくわかった感じです。
また、仲間由紀恵に関して言うと、この人は吉高由里子とは真逆で、もともと真面目な役が多かったし、彼女にはそれがすごく似合ってました。ところが今回は、柳原白蓮をモデルにしている悲運のお嬢様の演技が実に素晴らしい。深いところに心の痛みを抱えて、かつ、最近は妖艶さが出てきて、業の深い女性を演じている。
俳優陣が弱い
ところが話が中盤になって気がついたことは、女優陣に比べて俳優陣、特にはなや蓮子に大きな影響を与える男性がすごく弱い。朝ドラの場合にヒロインは当然重要なんだけど、ヒロインをサポートする準主役的な俳優の存在がすごく重要。
たとえば、
- ゲゲゲの女房で言うと向井理
- カーネーションの綾野剛
- 梅ちゃん先生の松下桃李
- あまちゃんの福士蒼太
彼らの存在で、ヒロインはすごく引き立てたし、それによって更にドラマが面白くなった。
村岡英治
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花子とアンの場合は、はなは村岡英治と結婚するわけですけれども、先週かな、いきなりはなから好きだと告白をしたわけですが、まず大正時代においてそんなことがあり得たのかと、なにか不自然な印象を受けました。しかも、相手は妻帯者であるということもある。このあたりは何か強引な感じだし、そもそもはなが英治のことを好きか、嫌いかという状況は今までなかった。ところが、いきなり告白するというのはすごく唐突な印象がありましたね。
宮本龍一
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それと、もうひとつは、蓮子と宮本の出会い。宮本がいくら社会主義者であるからお金持ちを憎み、しかも初対面の相手に対して挑戦的な態度を取り、その後福岡の家まで芝居の原稿を書いてくれとわざわざ乗り込むなんて言うのはありえない。現実的に宮本は宮崎龍介がモデルですけれども、彼は元々武士ですからね。武士がそんな人の家にずかずか上がり込んでそんな失礼なことをいわないと思うのですよ。
この辺りは余り創作をしないほうがいいと思うのですよ。というのは、現実の白蓮と宮崎龍介の出会い、どうして二人が惹かれたのかというところはすごく重要なところです。白蓮が龍介に惹かれたのは、彼が彼女のことを本当に理解したという点だと思うのですが、そのあたりの演出があまりにも雑すぎるというか、もう少し時間をかけてストーリーを展開するべき。
この宮本を演じている中島歩君はこのドラマのナレーションを担当している美輪明宏さんの舞台「黒蜥蜴」に、美輪さんの恋人役をしている人で、この花子とアンでは大抜擢。おそらく花子とアンに出るときに美輪さんの口添えがないということは絶対にないしかんじがする。美輪さん、大物だしね。おそらく美輪さん好みの男性だということですよね。どうなのって思うね。
賀来賢人
あと、憲兵になったはなの兄である吉太郎。憲兵として宮本龍一を監視する。しかも、初恋の相手だった蓮子様が龍一と親密な関係になりつつある。吉太郎は、ある意味蓮子様と敵対する関係になるであろうということは予想されるけれども、この設定はすごくいいと思うのですが、残念ながら、吉太郎を演じる賀来賢人だと役不足。あまりにも大根過ぎてて、ドラマの中での緊張感が失われる。とにかくやたらシャウトしまくるキャラだったけれども、今度は秘密警察の追っ手を演じるという難しい役は彼には難しい。もっときちんとした人を選ぶべきで、ミスキャストでした。もったいない。
とにかく今後もはなと蓮子様を中心にドラマが回っていくと思うので、今後はもう少し丁寧な展開を望むところです。