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日本経済新聞「革新力Google 5万人のベンチャー」で、Googleという会社の面白さを改めて考えてみました

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今朝の日本経済新聞でも、昨日と同様1面に「革新力Google 5万人のベンチャー」が掲載されました。読んでみると、Googleらしさが出ていて、面白い記事でした。

僕がここで面白いと思ったのは何点かあり

  • グーグルXの存在
  • 最高文化責任者という役職
  • 83歳のエンジニアがいるという採用方針

でした。

Contents

グーグルXとは何か

まずはグーグルXとは何かということなのですが、ここではGoogleの共同創業者の一人であるセルゲイ・ブリンが率いる採算度外視の技術の限界に挑戦する集団であるということです。グーグルXで検索をしてみると、

ここでGIGAZINEの記事「Googleの謎の秘密研究機関「Google X」の真実、その裏側に迫る」を読んでみると、グーグルXに所属している科学者テラー氏によると、グーグルXとは

Google Xはその存在自体が実験的な部門であり、信じられないようなリスクを冒して技術的領域の限界に挑戦し、例えそれが母体であるGoogleのビジネスと反する研究でも躊躇しません。歴史上に前例がないため、これが偉業になるか愚行になるかは未知数です

という組織であり、4月時点ではありますが

  • Google Glass
  • 自動運転カー
  • Wi-Fiバルーン
  • 血糖値をモニターできるコンタクトレンズ

を研究していて、更に読み込んでいくとテレポーションも研究しているとのこと。まさにそうあるべきだと思いますね。

以前ソニーが創業者の井深大さんがソニー社内にエスパー研究所を設立して、超能力というものを真剣に研究して、それを社会に、あるいは育児に活かすことはできないかという研究をしていたことがあります。グーグルXもその一環であり、ソニーの場合は井深大さんが亡くなると、その研究所を閉鎖してしまいましたが。更に伸びるGoogleと、どんどんダメになっていくソニーの違いをここでも垣間見る感じがしました。

最高文化責任者

次に最高文化責任者という役職のこと。

いわゆる最高経営責任者CEOというものが世に出てから、最高なんとか責任者というのが随分流行りました。僕から見ると、昔の戦国時代に朝廷からもらっていないのに土着の武士のトップが何とか守と自称していることと同じで何か胡散臭いなと思ったことがありますが、その中でも最高文化責任者と言うのは初めて知りました。そう思いながら、日経新聞のサイトをチェックしていると、このGoogleの記事のつながりで、Googleの最高文化責任者ステイシーサリバン氏のインタビューが掲載されていました。
サリバン・グーグル最高文化責任者「大きく考え、挑戦する風土育む」
このインタビュー記事は、是非企業の人事の人は読むべきだと思うほど、会社とはなにか、企業文化とはなにか、採用とは何かと言うことがしっかり詰まっているインタビューで、こういう人がいてこそGoogleが常に革新的であることを維持しているんだと痛感しました。気になったところを一部引用します。

最高文化責任者が生まれたきっかけ

どうすれば、(自由闊達な)グーグルの企業文化を維持することができるか』『ライバルのように官僚的で閉鎖的な会社にならないためにはどうしたらいいか』という議論が、経営陣の間でさかんに行われた。社員が(グーグルの)株やお金の話をするのを誰も望んでいなかったし、世の中のためになることを、楽しみながらやるという基本に忠実でありたいという思いが強かった。こういう議論を(週1回開く)全社集会で社員とも重ねる中で生まれた。

この10年間変わっていないこと

変わっていないのは採用の手法だ。社員はグーグルの生命線であり、グーグルが他社と違う理由でもある。社員こそがアイデアの源泉であり、新しいものを創造したり、古いものを壊したりする原動力であることは一切変わっていない。だからこそ、我々は創業当初から採用にとてつもない時間とエネルギーをかけている。

結局この記事を読むと、最高文化責任者の仕事というものは、Googleの企業文化の最大の特徴であるところのベンチャー精神を忘れないようにすることであり、それを生命線の柱として採用の基準として新しいものを創造したり、古いものを壊すスタッフを採用していくということで、僕はこの辺りは織田信長のことを思い出しました。

最高齢83歳のエンジニアがいるGoogle

この流れで83歳のエンジニアがGoogleに勤めているというのは、特に驚かないことがわかりますね。この辺りは日本の企業も学ぶべきじゃないかと思いますね。もちろん若い人のほうが時代の動きを捉えるのは当然古い人よりもうまいですけれども、古い人には古い人の良さがあるし、その古い人が自分たちの会社に馴染むかどうかを決めたりする仕事こそが企業トップの仕事であり、人物本位で採用をするというのはとても大事なことだと思うのです。この辺りがGoogleがただ者じゃないということがよくわかります。

この記事で思ったこと

僕はGoogleに対して全て素晴らしい!と両手を上げるものではないし、以前Googleの広告担当者のセミナーを受講した時に、延々と広告の歴史を滔々と述べるだけで、なんというひどいセミナーなんだ!とおもったことがあります。また、アドワーズの運用をしている時にどうしても今すぐ連絡を取りたくても、メールでしかできないサポートにうんざりをしたこともあります。また、IT企業特有のだらしない洋服の着こなし方には正直不快感さえ感じます。

ただ、彼らが実に革新的で彼らのサービスによって我々が大いに恩恵を受けているのも事実で、それを続けられるのはセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジという強烈な創業者がいて、彼らの方針こそが革新力を維持できるという点では大企業病に陥っている経営者や人事担当者はよくよく彼らを研究するべきじゃないかと強く思いました。

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