【書評】クラッシュ・マーケティング―ジェイ・エイブラハム
僕は、最近あまりビジネス書は読まないです。特に本書のようなノウハウ物はまず読まない。それは、すでに知っていることを、形を変えているだけの内容でもあるし、書いている人がいまいち気に食わないというような偏屈な僕にとっては触発されるようなものではないからです。
最近だと、前にドコモにいて、今は動画を運営する会社に移籍した人の本は最悪だった。ある本の二番煎じもいいところで、結局彼の存在はある意味虚名だということかな。
さて、この本のことを書く前に、僕のマーケティングの持論を書こうと思います。
マーケティングというのは、根拠に基づいて、仮説を導き出し、検証を繰り返すことで最適化を目指すことだと思います。その根拠というのは
3C
・Company
・Competitor
・Customer
これは、マーケットで構成する自社、同じサービスを提供する他社、そのサービスを受けるユーザーを分析や研究するものです。
4P
・Products
・Place
・Price
・Promotion
また、このように4つのPというものがあり、取り扱う製品やサービスをどこで流通させ、それをいくらにしてどのようなプロモーションを立てるのかということで、この3Cと4Pはマーケティングを分析する上で大変重要な指標であり、ここで引き出すものはそのサービスや製品を誰をターゲットにし、そのユーザーのどういう問題を自社のサービスや製品が問題をクリアできるのかということです。
それで前置きが長くなりましたが、この本は、今僕が書いた3Cと4Pについてのノウハウをかなり細かいところまで具体的に説明した大変な良著です。それと日本語訳がしっかりしているので、大変読みやすい。この著書の監訳をした人は、金森重樹さんという人で、僕は知らなかったのですが、マーケッターとしてはとても有名な人だそうです。ただ、深夜のテレビで通販大家さんを覚えている人には、ああと思いだす人もいるかもしれません。
彼はこの本のあとがきで、ご自分の仕事の実績を書いているのですが、その一つで歯科医院を立ち上げたときに、患者さんを集めるために電話営業をして集めたそうです。これは画期的なやり方だと思いますね。まず、医業を始めるために電話営業をやるというのは、聞いたことがありません。本書でも顧客開拓で行き詰まっている場合には、自分とは違う業界のやり方を取り入れなさいと書いてありますが、まさしく金森さんはそれを実践して成功している。
それでこの本のタイトルがクラッシュ・マーケティングで、表紙にも書いてありますが、ビジネスの停滞要因をりストップしてそれを粉砕しよう!という大変わかりやすいタイトルです。僕自身もビジネスが思いっきり停滞しているので、かなり僕に沁みわたっています。
それでこのビジネスが停滞する要因としてジェイ・グラハムは9つのポイントを認識せよと書いてます。
- 強力なライバルの存在
- 絶対的な売上不足
- 業績の不安定
- 戦略ゼロ
- 経費が利益を食い尽くす
- 新しいことにトライできない
- 差別化・独自化できていない
- マーケティング力不足
- 周囲の力を活用できない
わお、ほとんど僕の会社に当てはまってるやん。
これらをどのように解消していくかということをこの本は懇切丁寧に書いてあります。大まかにいえば、さっき書いた3Cと4Pの具体的な分析方法の提案書でして、しかし、本書は300ページを超えた大作でもあり、自分が実行できるのはどれかとpost itを手に読むことを強くお勧めします。というのは、この本の特徴なのは、上に書いた
- 「ビジネスを停滞させる9つのポイント」
- 「行き詰まりから抜け出す7つの策」
- 「あなた自身を市場で卓越した存在にする15の作戦」
といったリストがたくさんあって、これを一つ一つ実行するのは、よほど本の中身を把握して、それが意識に組み込まれていないと難しいと思うし、普通の人は忘れちゃうと思うので、ブックマークはしておいた方がいいです。
ちなみにこの本の書評を調べてみたら、ありますあります。
マインドマップ的読書感想文
【お知らせ】「クラッシュ・マーケティング」がいよいよ発売されました!
しかも「これパクって、何かできるんじゃね?」というような妄想が沸き起こるたびに、読書も中断。
おかげで、読み終えるのにかなり時間がかかってしまったという有様です。
女子勉
【書評】これを読まないと、これからのビジネスは生き残れない!
この本は、そんな私の様な、
マーケティング初心者の人にも取り入れやすいように、
マーケティングの取り入れ方がステップで紹介されています。
俺と100冊の成功本
クラッシュ。マーケティング ビジネスの停滞要因=スティッキング・ポイントを破砕する9つの方策
読み進めながら、「ふー。だいぶ勉強になったな。ちょっと、これは自分にも適用できそうだぞ」などと、思って一息つこうとしても、実は数ページしか進んでいないこともしばしば。
といった感じで、僕は、マーケティングのプロだと公言していましたが、この本を読んでみるとまだまだ掘り下げ方が足りないということをものすごく痛感しました。
ここで僕が思ったのは、マーケティングの要諦は1にも2にも分析をして、そこから仮説を立て、あとはPDCAサイクルを繰り替えいしていくことだとつくづく思いました。とにかく、この本が何か学び取ろうと思ったら、ぜひぜひpost itは忘れずに。