いよいよ始まる坂の上の雲
NHKの特別ドラマとして、11月29日から待望の「坂の上の雲」が始まります。司馬さんフリークである僕は、しっかりオタク化しており、期待でドキドキです。
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坂の上の雲の舞台は日露戦争
この坂の上の雲は、日露戦争が舞台です。司馬さんもご自身のエッセイに書かれていますけれども、自分の最高傑作は、「竜馬がゆく」、「空海の風景」、「菜の花の沖」、そしてこの「坂の上の雲」だとおっしゃっています。
司馬さんが歴史小説を書くきっかけとなったのは、第2次世界大戦で臨時将校として戦場に赴いたときに、なぜ僕はこんなバカな国に生まれてしまったのかと思ったそうです。こういう日本になってしまった過去の日本や日本人はどうだったのか、そういうことを見極めてみたいということから、歴史小説を書くことになったんだそうです。
主役の目の付け所がちがう
その中で日本人が本当に頑張ったが、幕末から日露戦争終了までというご認識を司馬さんはお持ちになったようで、その中から「坂の上の雲」では、秋山好古、真之兄弟と正岡子規を選びました。正岡子規は教科書に載っているくらい有名な人ですが、秋山兄弟に関して言えば、弟の真之の方が連合艦隊の主任参謀ということもあり、まだまだ名前は知られているとは思うんだけれども、兄貴は騎兵だから、世間一般から言えば地味だし、そういう人を世に出した司馬さんの慧眼は凄いなと思うのです。
この「坂の上の雲」には、それはもう色々な人が登場します。例えば、日本の海軍を実質的に作った山本権兵衛。この人は、学校で教わるところではシーメンス事件で退陣した総理というイメージだけど、実際には海軍をロシアに勝てるまで育て上げた人物です。その山本を全面的にバックアップした人が、西郷隆盛の弟の西郷従道。そして日本陸軍の作戦を担当した児玉源太郎。また、ロシア革命のきっかけを起こすべく、大活躍した明石元二郎など、多士済済です。特に児玉と明石は、もう少し脚光を浴びてもいいと思うくらいです。ちなみにドラマでは児玉源太郎役は高橋英樹。この人は篤姫でも島津斉彬の役を好演しています。
日露戦争の勝利が日本にもたらしたものは
この日露戦争というのは、明らかにロシアが満州や朝鮮半島を侵略するという意図があり、日本においても朝鮮半島を敵にとられた場合に、国家の安全に重大な支障をきたすということで、10年かけて準備をして戦った戦争です。この戦争の後、作戦を担当した陸軍の児玉、海軍の真之はボロボロになります。大変という言葉で表現できないくらいのプレッシャーを背負っているわけですから、わかるような気がします。
歴史的には、この戦争を後に日本は官僚国家の道を歩み、一方のロシアはロシア革命がおこって世界初の社会主義国家ソ連が誕生します。どちらが良かったのかは、難しいところです。