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ロングテールという法則

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今さらですけれども、ロングテール理論というのが、インターネットにはあります。結構使い古された言葉なので、本当に今さらなんだけれども、概要はこちらでわかりますが、大雑把にいうとWiredの編集長であるクリス・アンダーソンが、アマゾンの売上をグラフにすると、売上数を縦軸にして、個別商品を横軸にすると、恐竜のような姿になることから、ロングテールと命名されたものです。(わかりにくいなw)

記事を引用すると

べき乗則に従う商品売り上げのグラフを、縦軸を販売数量(population)、横軸を商品名(product)として販売数量順に並べると(右図)、あまり売れない商品が恐竜の尻尾(tail)のように長く伸びる。つまり、販売数量が低い商品のアイテム数が多いということを表す。

このグラフの形状から因んで「ロングテール」という。

これもわかりにくい。

グラフをお見せしますね笑

このグリーンのところが、ベストセラーの部分で、黄色のところが数個しか売れなていない部分です。ロングテールで言うと、黄色の部分の売り上げの合計が、ベストセラーの売り上げを凌駕するというもので、これはインターネットならではの現象であり、僕はこれを敢て法則と言わせていただきました。

この現象の発見というのは、僕は良く見つけたなというくらい驚くべきことでこれは様々なことでインターネットを通じて起きていることです。

最近の例で言うと、オバマ大統領の献金ですね。

彼は、大統領選挙をする際に、インターネットを使って少額の献金を多くの人から集めました。集めた金額は7億4500万ドルという史上最高額なのですが、これは企業からまとまったものというよりも、多くの無名の市民から少額資金を集めたというところにロングテール法則をうまく適用させたと思います。

ちなみに献金で思い出しましたけど、もうなくなってしまいましたが、竹下登元総理っていましたよね。

彼の献金方法というのが、広く浅くというのは有名な話で、これは政治資金を大口から持ってくると政治献金報告書でしたっけ?それに明細を入れなければいいんだけれども、政治献金の明細は金額の多寡で出さなくてもいいものもあって、竹下元総理は、そういう献金がものすごく多かったというのは、有名な話しです。ロングテールの先見者だったんだな、竹下元総理は。

で、Googleの話しをします。

Googleの収益というのは、AdWordsと言われる検索連動型広告です。Googleで検索をすると、検索結果の一番上に「スポンサーサイト」と広告が表示されますが、これをユーザーがクリックされると、課金される仕組みになっています。

この広告のいいところを簡単にリストアップすると、

  1. 検索結果に基づいて広告が表示されるので、クリックされる率が高い
  2. クリックをされなければ、課金されない
  3. クリック単価が10円未満からスタートなので、誰でも始められる

と、極めて敷居の低い広告媒体で、これは相当革命的な広告形態だと僕は思うのですが、ここでポイントなのは、圧倒的な低料金なので、誰からも始められるということです。

本来広告というのは、人が一番集まるところに出します。テレビで言えば、夜の7時から9時までの時間帯が一番高い。ということは、大企業じゃないと広告は出せません。新聞で言うと、全15段と言われる一面すべての広告は、1000万円以上かかる。これもお金のないところじゃないと無理。インターネットだって、Yahooのトップページの広告、すっごい高いわけです。これも大企業じゃないと無理ですよね。

つまり、従来の広告というのは、一部のお金のある企業じゃないと広告は出せないということで、思いっきり敷居が高かったのですが、それは上場企業の数よりも、中小企業や個人事業主の数はどっちが多いというのは、言わなくてもわかりますよね。世の中ほとんどが中小企業であり、個人事情主であり、つまり、Googleに広告主は、その他大勢ということで、大企業に依存しなくてもいいということになりますよね。つまり上のグラフの黄色い部分がGoogleを支えているということです。

しかも、Googleの場合は、世界中の中小企業はもちろん大企業もクライアントで、それは多岐に及ぶわけですから、景気が悪くても、業績が好調なクライアントから広告を出稿してもらえるので、あまり景気には左右されません。

一方でYahooやマイクロソフトの場合には、クライアントが大手企業なので、その国内の景気に大変左右されてしまいます。結局当初はベンチャーだったYahooも、大企業になって他の会社と全く変わらなくなってしまったというところがあるんでしょうね。

それで、このロングテールの面白いところはもうひとつ。

さっき検索エンジン連動型の広告についてお話しをしましたが、例えば、今、あなたが東京の吉祥寺にいて、無性にラーメンが食べくたくなったけれども、できればおいしいのが食べたいと思ったときに、ちょうど目の前にインターネットカフェがあったから、そこで探してみようということになったとします。

それでは、あなたが、パソコンの前でラーメン屋さんを探そうとしたときに、どういうキーワードをいれますか?「ラーメン」で検索しますか?しないですよね。そのあとに色々なキーワードを入れて検索すると思うのです。

検索エンジンで検索をする場合に、キーワードの後にスペースを入れると絞り込み検索をしてくれます。だから、当然、「ラーメン 吉祥寺」とか「ラーメン 吉祥寺 口コミ」とか「ラーメン 吉祥寺 醤油」とかね、入れると思うんですよ。

この検索連動型の広告についていうと、絞り込めば絞り込むほど広告の単価が安くなります。それは絞り込むことで表示回数が減るからです。ただ、ユーザー側からすると、絞り込めば絞り込むほど思いが募っていますから、絞り込み検索をした先のホームページが、ユーザーの期待にこたえることができれば、そこで検索先のホームページにビジネスチャンスが生まれるということになりますよね。この検索連動型広告の妙味は、この絞り込んだキーワードをどれだけピックアップできるかがカギになります。それは成約率が高く、しかも、コストが安いからです

ここで僕が持論を展開させてもらうと、このロングテールの法則が生まれた背景には、ユーザーの「検索力」というスキルが身についた結果だと思うのです。つまり、「検索力」が向上したことにより、掘り出し物や専門性の高いものを見つけやすくなったことで、ロングテールという法則が生まれたのではないか。それは、アマゾンのトップページというのは、今までユーザーが見たものも表示されますが、それでも、その時にアマゾンが売りたいものをトップにしかも目立つ所に配置をします。

しかし、実際には、専門性の高いもの、或いはコアなものが売れているというのは、ユーザーが検索をして見つけ出して、おーあった!というような感じで買っているわけです。

こうやって考えると、ひとつの予測としては、今まで一握りの企業がマーケットを支配していましたが、今後は、one of themという無名人たちが集合体になった時に、新しいビジネスが生まれてくるのではないのかと思ったりする今日この頃なのです。