フリー <無料>からお金を生みだす新戦略の面白いプロモーション
日本放送出版協会
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今はインターネットで、話題になっている本です。書いている人は、僕のブログでも先日書きましたけれども、ロングテール理論の提唱者であるクリス・アンダーソン氏。
ただ、この本に日本国内のプロモーションのやり方が実に面白いです。出版元の日本放送出版協会が、プロモーションページを立てて、この本をすべてをみることのできるPDFを公開し、その告知をTwitterを使って行ったというもので、これは43時間で1万人の登録者がいたとのこと。日本放送出版協会のTwitterは、freemiumjp。
IT Media
書籍「フリー」無料公開、2日で1万人突破 3割がTwitter経由
書籍発売前に全編を無料公開 NHK出版「フリー」で初の試み
このプロモーションが抜群なのは、それを読んだ人たちがご自身のブログに書評を書いているということです。ちなみに公式サイトで紹介されているので、ここで一部紹介します。
- 書評: フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略
- 【書評】『フリー <無料>からお金を生みだす新戦略』
- 2010年代を生き残るために~『フリー』『働かざるもの、飢えるべからず。』
- クリス・アンダーソン「フリー 無料からお金を生みだす新戦略」
- 無料で広がるビジネス「フリーミアム」
それこそ瞬く間に、誰からも頼まれていないにこういう感じで書評をブロガーが書いてるわけです。ま、アマゾンアソシエイトにリンクを張ってますけども(笑)
今回のプロモーションで面白いのは
- 発売前に全文を無料で公開したということ
- そのプロモーションにはTwitterが利用されたこと
- そのことによって43時間で1万人の登録があったという事実
- ブロガーが書評をかいたということ
このやり方は、初めて聞きましたが、素晴らしくてマーケッターの僕としてはドキドキしてしまいました。
ただ、無料というやり方というのは、人を集めるのにこれほど有効な手段はないけれども、個人的には今さら論はあります。
つまり、テレビにしてもラジオにしても、その端末さえ持っていればだれでも無料でそのコンテンツを利用することができます。ドラマにしてもつまらなかったら、それは見ないし、視聴率が下がれば、出演者は使ってもらえないし、CMのスポンサーから文句が出てくるということです。
インターネットでそれを徹底しているのが、Googleでサービスは基本的に無料です。ただ、そのサービスは無料だから、安かろう悪かろうではなくて、ユーザーがサポートなしでも使えるようなものとして、色々と使い勝手を考えながら開発を進めています。無料で使い勝手が良ければ、これはだれでも使いたくなるし、そこに多くの人が集まってくるということで、そういう人たちを対象にGoogle Adwordsという広告で収益を上げているという構図になります。後はソフトバンクが、YahooBBでADSLのモデムを巻きまくったのもそうだし、今は、携帯電話は0円でゲットできます。
また、最近のネットレイテイングスの調査でmixiがyoutubeを滞在時間で抜いたそうです。
http://www.netratings.co.jp/New_news/News11262009.htm
これは、明らかにmixiアプリが功を奏したわけで、優れたコンテンツを無償で提供することで、多くの人が集まるという証左です。特にサンシャイン牧場は会員が200万人でしょう。これはすごい。
とにかくインターネットは、無限に近いインフラなわけで、それが色々な犯罪がおきたり、難しい部分はあると思うのですが、一番いけないのは閉じられている形態で、今はそういうことはなくなったけど、MSNのトップページにはIEじゃないと利用できないということをMSがしたことがあって、これだけでもMSはなかなかインターネットのことがよくわかってないんじゃないかなと思うんですよね。インターネットの場合は、サーバーで動いているので、いくらでも制限をかけやすいんだけれども、使い勝手を歪めてまで、制限するのはよろしくないと思います。
話しは元に戻るけど、今回のこの本のプロモーションは、完ぺき。文句を言わせてもらうと、ダウンロードの数を制限させなければ、絶賛ものだったんですけどね。