【書評】ヘッテルとフエーテル
ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話 経済界 2009-11-25 |
いまさらなんですけれども、書評ブロガーの間で評判になっていた本だったので、読んでみました。ものすごく読みやすいので結局1時間もかからずに読めました。
これは、人を信じすぎると不幸が待っているよというということで、著者のマネー・ヘッタ・チャンさんという人は良く世の中のことをご存知というのが、率直な感想。僕も全く同じように考えていたので、あっという間に読めました。
では、まず、目次から。
第1話 ヘッテルとフエーテル
第2話 カネヘルンの笛吹
第3話 ピノキオ銀行
第4話 アホスギンちゃん
第5話 ヤンデレラ
第6話 ヘッテルと7人のODA・NPO
第7話 王様の金はロバの金
第8話 裸のフエーテル様
だいたいお金に絡んだことが書かれていて、特に面白かったのは第2話で、あのビジネス女流作家ミセス・インディに憧れる心配性の妹ヘッテルが、女流作家の書いていることを実践したけれども、結局同じような事をしている人たちがたくさんいるので、結果がでずに落胆をします。そしてその挿話に対してグリーム婆さんが、こう言います。
「それよりも史上最強の人生戦略マニュアルを持ってる人は、何回も離婚しないものじゃ」
と。
まさしくそのとおり。僕も一度結婚に失敗していますが、普通の夫婦は、なんだかんだ言っても最後まで人生を一緒に全うするものです。前にも少し書きましたが、今Twitterでつるんでる冬歌専門の歌手は人相まで変わっちゃいましたし、このミセス・インディのひどいところは、自分の利益のために露骨に人を利用するというところ。なんでも鵜呑みをしないようにした方が言いと思う。
ちなみにヘッテルはミセス・インディの本の通りに行動して、結局どうなったかと言うと、
- 会社では断ってばかりいたのでリストラされて解雇
- 土日に無理なく勉強しても成果がでず試験には不合格
- ボランティア活動をしても世界は救われないがNPO活動だけは経済的成功を収める
- お金を銀行に預けずに投信運用していたら世界的不況でバリュー半減
- 派手な遊び方から結婚対象とは見てもらえなくなってしまった
- インディ仲間に成功者と敗者の溝ができてしまう
仮に自分がこうなっても作家は責任とってくれません。
あとは、銀行の口車に乗って、借金をしてまで保険に入らされて、結局借金をかたに家をとられてしまう夫婦の話。ここでグリーム婆さんは、
「しかも(銀行など大手金融機関は)、なまじお金をもっているものじゃから、有名な弁護士を雇って、徹底的にそれこそ最高裁まで争ってくるんじゃ。こんなことをされたら、個人はとても勝つのは無理なんじゃ」
と。
僕も金融の世界にいましたけれども、裁判をするときは、必ず勝つまでやります。それは、相手が個人だったら、資金的には絶対に負けないし、それは法務の方からどんどん資金が投入されるので、よほどのことがない限り、個人は銀行には勝てません。しかも、金融は土壇場ではっきりしらばっくレますからね。
そういった話が、8話あって、若い人達には本当に勉強になります。それに漫画感覚で読めるので、読みやすいですしね。ぜひぜひ若い人達には読んで欲しい本です。
ちなみに著者のマネー・ヘッタ・チャンさんはブログを書いてます。もともとは投資家の方のようです。
マネー・ヘッタ・チャンさんのブログは、こちら。
ところでこの本、勝間和代は読んだんだろうか。Googleでヘッテルとフエーテルで検索をしてみると、サジェスチョン検索で「ヘッテルとフエーテル 勝間」と出てきてた。
この本には、実はまえがきがありません。著者の方がブログで公開されいるので、興味のある方はぜひこちらも読まれると、この本をもっと理解出来ると思います。