やっぱりそうだったか。Googleケータイ
このブログは、ハードロックと本のこと以外にITのマーケティングについて良く書くんだけれども、いわゆるネットマーケティングの分野では、やはりGoogleの存在はどうしても外せなくて、ここまで革新的な企業というのは、あれだけの規模でまずないです。何をするにしてもしっかり戦略が練っていて、しかもインターネットの特性をある意味主導的に作り出しているというところもあって、どうしてもブログの記事にせざるを得ないというところがあります。
だからといって、この会社が好きか嫌いかということになると、僕は正直言って嫌いです。それはどういう事かと言うと、結局サポート体制が劣悪だからです。彼らとは連絡をとる手段がメールしかないというところがあって、例えばadwordsで広告を運用しているときに、直ぐに連絡が取りたくてもとれないという、これはもう致命的な弱点です。グーグルの社員とも名刺交換をしても、僕がたまたまそういうチームの人と名刺交換をしたからなのかもしれませんが、電話番号は書いてないし、個人のメールアドレスさえないという、従来の常識では考えられないビジネススタイルなのです。
そこで僕が購読している記事で瀧口範子氏の「シリコンバレー通信」というのがあって、この瀧口氏が書くIT系のコラムは抜群に秀逸なのですが、今回彼女が去年から大騒ぎをしていたGoogleケータイについて記事を書いていて、俺は、これが言いたかったんだ!ということをしっかり書いていてくれて、これはもう助かってしまった。記事のタイトルは、「グーグル「Nexus One」で噴出したサポート体制への不満」。
まず、グーグルのサポート体制について苦言を呈している。
問題があればまずはサイト上のFAQ(よくある質問)をじっくり読んで、そこに解決法が出ていないかを目を皿のようにして探し、それでもだめならばヘルプ・フォーラムに投稿して、誰かが返事をしてくれるのを待つという仕組みだ。メールもあるが、返事がすぐさま来るわけではない。
グーグルはユーザービリティのことをアドワーズとかで言及するのですが、正しくこの通り。
- わからなかったら、Q&Aで調べる
- それでもわからなければ、メールで問い合わせをするにしても、そこまでたどり着くのが大変
- あとは連絡待ち
こう言う構図です。
そして、瀧口氏は次のように指摘する。
グーグルのカスタマー・ケア方法は、非常にグーグル的である。つまり、問題があれば機械と群衆の力で解決してもらおうというものだ。FAQとヘルプ・フォーラムだけでやってもらおうというのがまさにそれを示しているし、メールで苦情を送っても、来る返答はかなり型にはまった自動的なものらしい。問い合わせ番号があって、そこに電話をかけると、生の人間が出てくるといったことができないのである。
これは、いかにもIT会社らしいやり方で、これからの人とのやりとりはこう言う形になるんだろうか。
前に、あるIT会社で社員同士が喧嘩をしてました。それはめんとう向かって言い合いをしているのではなく、メッセンジャーをつかってキーボードを叩いて喧嘩をしているのです。これって滑稽ですよ、傍から見てると。
ITによって飛躍的にコミュニケーションが用意になったのは、間違いない。例えば、SNSあり、Blogあり、メッセンジャーあり、メールあり。それでも一番相手に伝えやすいのは、ダイレクトで会うなり、話をすることだと思うのですが、これはもう僕の加齢によって新しいコミュニケーションについていけなくなっているんだろうか。
もう一度、Nexus Oneに話は戻るけれども、Googleが今まで新しいサービスを展開するときには、とりあえずマーケットに飛び込んでみて、その反響をみるというやり方でした。今回も恐らくこういうユーザーからの苦情というのは、織り込み済みだったかもしれない。ただ、今までGoogleが展開しているサービスと言うのは、Adwords以外はGoogleで無償で提供する物でしたが、今度はお金を直接ユーザーから受け取るということになるので、今のやり方は少なくとも通用しない。つまり、サポートをメールですませるというやり方です。ネットショップの勉強会でも、できるだけ丁寧に対応しようということをいうし、実際にそれを実行しているネットショップは沢山あります。ここにネットショップが不景気で売上をあげているというひとつの要因なのではないか。
Googleの場合は、それを逆行しているわけで、それが消費者に仕方が無いなぁで済むんだろうかと部外者ながら心配をしてしまうのです。