ドナルド・フェイゲンのThe NightflyはAORでも異質さを感じさせるけれども、実に心地よい
今日紹介をするのは、1980年代に大ヒットしたDonald Fagen のThe Nightfly。音楽のジャンルはAORですが、アルバムを聴くと心地よい異質さを感じる、実に不思議なアルバムです。
今、そういうジャンルがあるのかよくわかりませんが、昔はAORと言うジャンルがあって、大人のロックと言うか、イメージで言うと、ホテルのメインバーで掛かっているようなボーカル主体の音楽なんですけれども、このジャンルで一番有名なのは、ボズ・スキャッグスとか、ボビー・コールドウェルとか、あとはマイケル・フランクスとかも含まれると思います。
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The Nightflyは説明がしづらい音楽
とにかく渋いというイメージでして、色気づいているときは、自動車の中でこういう音楽を彼女に聞かせたり、口説く時にはこういう音楽がかかっているようなお店に連れて行ったり、音楽のジャンルにおいてはすごくおしゃれであるということはいえますね。
で、このドナルド・フェイゲンですが、ちょっと曲調というかメロディラインがちょっとずれていると言うか、不思議な感じですが、それでも曲そのものは凄くいいし、何よりもカッコいいです。と言っても、文章ではわかりにくいと思うので、Youtubeにフルアルバムがアップされていたので、ご紹介します。
曲リストは
01. I.G.Y.
02. グリーン・フラワーストリート/GREEN FLOWER STREET
03. ルビー・ベイビー/RUBY RABY
04. 愛しのマキシン/MAXINE
05. ニュー・フロンティア/NEW FRONTIER
06. ナイトフライ/THE NIGHTFLY
07. グッドバイ・ルック/THE GOODBYE LOOK
08. 雨に歩けば/WALK BETWEEN RAINDROPS
The Nightflyに参加しているミュージシャンが凄すぎる
この記事を書くためにどういう人が演奏に参加しているのかと思って、チェックしたら、この時代の最高峰のスタジオ・ミュージシャンが参加してました。有名どころをピックアップすると、
- マイケル・ブレッカー
- ランディ・ブレッカー
- ラリー・カールトン
- リック・デリンジャー
- アンソニー・ジャクソン
- エイブラム・ラボリエル
- ウィル・リー
- スティーブ・カーン
- ヒュー・マクラッケン
- マーカス・ミラー
- ジェフ・ポーカロ
- チャック・レイニー
と、こんな感じでして、こちらはさすがに知らなかったので、メンバーを見て結構驚いた次第です。
なんとThe Nightflyに触発されて本を書いてしまった人もいる
さらに調べてみると、このアルバムを更に細かいところまで調べたアルバム評が本として出版されているということがわかりました。
この本の紹介には
本書は《The Nightfly》を題材に、20世紀の録音芸術が
どのような技術と工夫のもとに作られたのかを、
誰にでもわかるように解説した。
その豊かな芸術性を理解するヒントになれば、
これほど嬉しいことはない。(「はじめに」より)
とあり、ひとつのアルバムでここまで本を書くということに驚きますが、ただ、本当に好きな人だったらこういうものまで書いてしまうほどの対象かなという感じもします。
非常に個性的で味わいの深い良質な音楽だと思います。