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孫社長がすごい件

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年をとるといいのは、社会的に高い地位の人に会っても物怖じしなくなったことです。それがいいだか、悪いんだかはよくわかりませんが、サラリーマンになりたての頃は、まず社長という人には会わないし、せいぜい会っても課長とか中間管理職あたりの人で、それでも緊張した覚えはあって、ましては常務とか専務とかになると、会うこちらとしても緊張してしまい、普通に話をすることができなかったし、相手が超有名企業の社員でも同じで、緊張してしまうことはよくありました。

ところが、年を重ねていくと慣れなんでしょうけれども、相手が社長だろうが、有名人だろうが、あまり驚かないし、その人が有名な会社にいたんだと言うような人は、露骨に軽蔑しちゃうようなところも出てきてしまい、僕も老獪になったなと思う毎日です。

ただ、ここ10年近くすごいなと思ったのは、ソフトバンクの孫社長。何年か前にソフトバンクの株を持っていて、大損をしたことがりますが、それはそれとして、孫社長の事業意欲と言うか果断な決断力は、創業者であると言うことも大きく影響していると思うのです。

ソフトバンクの事業で結構我々は恩恵を受けています。例えばYahoo BBでモデルを配りまくったこと。ある意味営業のやり方がウザイなとは思いましたが、ブロードバンドが安価で提供されるようになったのは、このモデルをリアルで配りまくるというやり方が大きく影響している。しかも買ったら結構な値段がするモデムを無料で配り、かつNTTとか大手プロバイダーのよりも通信料金を安く設定することで、他の事業者もYahoo BBに追従するしかなかった。今で言うフリーを実践したという事です。損をして得を取れというやつです。

それとボーダーフォンを買収して携帯電話のキャリアになったと言うこと。料金をこちらも安く設定することで、他のキャリアからソフトバンクに変更する人も相当増えたし、あとはiPhoneの販売権をゲットしたことも大きかった。

そして今は孫社長自身がツイッターのアカウントをもって、色々とTweetしていて、最近の事例だとあるユーザーが、孫社長に対して障害者向けの料金体系を作って欲しいとTweetすると、その場で検討しますということになったり、社長自らがいちはやく情報を取り上げて、それに対して即行動をとるという迅速なスピードで対処したということがあり、少なくともこの孫社長の行動で彼自身のブランドはもちろん、ソフトバンクの信頼感というのは、ものすごく上がりましたし、経営者としての理想的なツイッターのやり方を実践していると思いますよ。ツイッターは要諦は円滑なコミュニケーションですから。

web2.0になってブログやツイッターのように自ら発信できるようになったわけで、今はUstreamという動画まで簡単に配信できるようなってきた。記者クラブには入れないフリーのジャーナリストは、iPhoneを使って記者会見を中継できるようになりました。もちろん、画質は良くないでしょうけれども、そういうことが出来るようになった。その便利なツールに対して、ソフトバンクは出資を決めて、今度は日本語でもわかるようにローカライズをすると言ってます。

孫社長は、坂本龍馬の大ファンで有名ですが、きっと何かを決断するときに龍馬がその時どういう行動をとったりしたのかということを考えながら、経営をしているんでしょうね、きっと。

前になにかのインターネットのカンファレンスがUstreamで配信されて、そのカンファレンスには孫社長や日本政府、MSの副社長が登場して僕もそれを見たんだけれども、それぞれスピーチをしまして、官僚も政府の政務官も、もちろんMSの副社長もなにか、自分の宣伝や実績を披露するだけで面白くなく、Ustreamでの書き込みも、僕と同じ感想で面白くないというのがほとんどでした。いわゆる無味乾燥という感じかな。

ところが、孫社長が登場すると、インターネットでも異様な盛り上がり。わかりやすく言うと、コンサートで大トリのアーチストが登場するのと一緒でした。スピーチについても、MS副社長のように自社のアピールではなく、政府関係者のように自分たちの実績しか言わない無味乾燥なものではなく、インターネットの将来を明るく、しかも論理的に話て、オーディアンスは孫社長に圧倒され、さすがという感じでしたし、人がちがうという感じ。

ソフトバンクについては、色々と悪い話も聞きます。頭がいいのは孫さんだけとか、孫さんがいなくなったらソフトバンクも大変だとか。それは僕も感じる部分ではあるのです。孫さんだけが走っちゃって、あとの人達がそれを追っかけるパターンはなんども見てきました。でも、歴史をよくご存知の孫社長のことだし、いまや金融で特別な地位を築いているSBIを北尾さんを見出す眼力のある孫さんのことですから、その心配は杞憂に終わると思います。