2016/09/12
Jeff Beck Emotion & Commotion
いわゆる3大ギタリストというのは、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベックということになっています。ただ、この3大ギタリストという表現は、日本だけの表現らしいですね。確かにエリック・クラプトンとジェフ・ベックは圧倒的にうまいですが、ジミー・ペイジの場合はテクニックと言うよりも曲作りがずば抜けている。で、今回ジェフ・ベックが7年ぶりのニューアルバムをリリースしました。このアルバムですが、大変な力作です。
エモーション・アンド・コモーション ジェフ・ベック ワーナーミュージック・ジャパン 2010-03-24 |
ジェフ・ベックの最高傑作は僕にとっては「Blow By Blow」。ScatterbrainとCause We’ve Ended As Loversは大変な名曲だし、昔ギターキッズだった僕は必死にコピーをしました。その後「Wired」「Jeff Beck With Yam Hammer Group Live」と立て続けに恐ろしくカッコいいギターアルバムを発表し、もちろん僕もこれらのアルバムを買いましたが、アルバムの質は低下していったので、あまりジェフ・ベックに興味もなくなり、それ以上にエリック・クラプトンがスゴク良かったので、僕はそっちに流れてしまった。
ジェフ・ベックという人は、前の記事にも書きましたが、徹頭徹尾ギタリストでして、徹頭徹尾ギタリストというのは、表現しにくいのですが、曲をかける人ではなくて、どちらかと言うとギター職人に近くて、ギターで自分を表現しようとする人の事でして、だから本人は曲をかけないけど、いい曲を提供されると、大変なプレイをしてしまう。その彼のエッセンスが凄く詰まっていたのが、「Blow By Blow」で、いつ聞いても古さを感じません。
で、僕にとって「Jeff Beck With Yam Hammer Group Live」以来のアルバムが今回発表された「Emotion & Commotion」。「Jeff Beck With Yam Hammer Group Live」が発表されたのは、1977年ですから、なんと33年ぶりです。33年、あっという間だな。
このJeff Beckの新譜ですが、音楽評論家風に言えば、新境地を開いたと言ってもいいくらいで、まず曲がよくできているということは、表現者としてのJeff Beckにとっては大変ラッキーでした。それともうひとつの目玉は、オーケストラとの共演ということで、ロックギターという範疇を大きく超える大変スケールの大きいアルバムになりました。
後は、ボーカリストとの共演をずっと拒否をしてきたベックですが(この30年で数回ありましたが)、今回のアルバムにはボーカルをフィーチャーしている曲もあり、大変バラエティに富んでいて、じゃあ、ギターの方は?ということになると、至る所でジェフ・ベック節と言われるものが聞かれますが、30年前の彼を知っている僕としては、おとなしくなったなという感じはするものの、曲にはしっかりフィットしているので、全く違和感がありません。つまり、スローな曲にはそれにふさわしいギターを弾き、ハードな曲にはそれにふさわしいギターを弾くというのが、曲に統一性を持たせるためにはとても重要なことで、例えば、イングウェイマルムスティーンのように、ハードだろうがスローだろうが、ひたすら速弾きをするというのは、その曲をぶち壊してしまいますが、60歳過ぎのジェフ・ベックはミュージシャンとして熟練しているので、そういうことが全くありません。
とにかく今回のアルバムは、オーケストラとの共演ということもあり、大変実験的でかつ楽曲もいいと言うことで、大変なアルバムを発表したというのが僕の中での結論です。もちろん、ロックギタリストとオーケストラの共演というのは、過去にいくらでもあるんですが、僕的にはジェフ・ベックとオーケストラと言うのがピンと来なかったのですが、今回はオーケストラの大きなスケールの中にベックのギターが、しっかり収まっているという感じで、大変な力作です。
Blow by Blow Jeff Beck Epic Records 2001-03-28 |
Wired Jeff Beck Epic Records 2001-03-28 |
Jeff Beck with the Jan Hammer Group Live Jeff Beck With the Jan Hammer Group Sony Music Japan 2008-02-01 |
はじめまして!
OceanBreezeといいます。
ブログの内容を見て同感しました。
的を得た事を上手くまとめられて納得しています。
ぼくは名古屋公演を見にいきます。
今回で3度目です。
ワクワクしています。そして、僕の描いた、ピックを渡したいです。
ガラッと雰囲気が変わりましたが、これもべックにかかるとこんな感じなのですね。
ハンマーヘッドは聞き安く良いですね、12曲目はぐぐっときました。JAZZの匂いがして哀愁をただ酔わす感じで弾いていますね。
こちらのブログもどうぞいらしてください。
http://windfusion.exblog.jp/
ありがとうございました。
コメント、ありがとうございます!
ベックのピックをゲットしたんですか。いいですね。
ベックのライブは、大昔、スタンリークラークと一緒に
来日したときに行きました。今回のライブも仕事があって
いけません。
ぜひぜひ楽しんできてください!