カリスマについて
最近は、ソフトバンクの孫社長のことを書くことが多くて、それは僕はTwitterをビジネス的に研究してると言うこともあり、その使い方で最も上手な孫社長を注目していると言うこともあり、ソフトバンク自体が今度はDesireというスマートフォンを発表して、彼のプレゼンテーションを見る機会が増えたと言うこともあります。しかもUstermでです。
先日このブログでも紹介した孫社長のスピーチは、こちらから見れますけれども、大変感銘を受けるスピーチで2時間近くありますけれども、メモも何も見ずに2時間近く延々と話を続けられるというのは、すごいです。自分の言葉で語ることのできる稀有な経営者であることは間違いないですね。
このブログの記事のタイトルは、カリスマと言うことで、孫社長は今の上場会社でももっともそのカリスマ性のある経営者だし、あとは先日JALの社長になった稲盛さんもそのひとりでしょう。
ただ、僕はちょっとこのカリスマと言うものに対して懸念と言うものを持っていまして、僕がサラリーマンを始めたときに、僕は営業部に配属されたのですが、その時の営業部の本部長がものすごくカリスマ性のある人でした。
彼が、朝出社してくると、「はい、おはよう」と言って自分の席に向かいます。そうすると、今まで席に座っていた営業部員が、直立不動で「おはようございます!」と挨拶をします。そのあと、営業部の朝礼が始まるんですけど、その時もその本部長は、滔々講話を始めます。今から思うと、
- 悪貨は良貨を駆逐する
- 念ずれば花開く
とか言ってまして、若かった僕は直立不動で彼の話を聞いたものです。ただ、不思議だったのは、彼が始めることは最初はうまく行くのですが、ずっと続かないことが多くて、結局その続かなかったことに対してクレームがはいるということが良くありました。その本部長は、結局社長と対立して自分の会社を立ち上げますが、その会社も最初はよかったのですが、結局バブルが崩壊して、いつの間にか消えてしまいました。彼が作った会社には僕も声をかけられて、もう少しでついていきそうでしたが、周りの人達が大反対してくれたおかげで、失敗しないで済みました。ある意味彼は詐欺師みたいなところがあったみたいです。
それ以外にも、もう亡くなってしまいましたが、昔住友銀行に磯田さんという名バンカーがいました。彼が住友銀行で行った業績は大変なもので、僕が知ってる限りでは安宅産業とかマツダとか、アサヒビールなんかも住友銀行が支援したことで、大変いい会社に生まれ変わりました。その時に彼が発した言葉は、「向こう傷は問わない」という言葉で、この言葉がいかに住友銀行の人たちを勇気づけたかしれません。したがって、住友銀行内ので磯田さんは天皇といわれましたが、サラリーマンとしての晩年、イトマン事件によって失脚。住友銀行はめちゃめちゃになりましたし、彼は失意のうちに亡くなりました。
カリスマ性のある人と言うのは、その社内というか組織の中では一番求心力があり、一番仕事ができて、一番力があるということで、強力なリーダーシップがあるわけですけども、それが違う方向に動いてしまうと、力があるだけに周りにいる人は何も彼に意見は言わないし、言えないから独走状態になってしまいます。磯田さんなんかはその良い例だったと思いますし、サラリーマン社長は求心力がありすぎると、暴走して失敗することがものすごく多い。
翻って、孫さんも稲盛さんも強力なリーダーシップがあり、ものすごく求心力があるとおもうのですが、まあ、変な話、世間をあっと言わせることは多いけれども、不祥事というものが起こさない。この二人は、恐らく磯田さんと違うのは、創業者ということですね。だから、会社への愛情は恐らく比較にならない。それと、これは僕の想像だけれども、稲盛さんは西郷隆盛を、孫さんは有名ですが、龍馬を敬愛しているし、その彼らが成し遂げたことを経営に活かしているという感じがします。
歴史は凄く面白くて、色々すごい人がいるし、僕もこう言っちゃああれですが司馬さんの著書についてはこの30年近く読んでいます。ただ、習慣でそれで終わってしまっていると言うところはすごくあると思います。つまり、読書を人生や仕事に活かしていないという気がしてきた。
稲盛さんにしても、彼が鹿児島県出身ということもあるんでしょうけれども、西郷さんの生き方に関する著書があります。僕も読みまして、おお、西郷さんはすごい!で終わってしまってる。だから、僕はダメなんですけども笑
孫さんにしても、そうですね。明らかに僕は彼は信長を意識していると思う。結局歴史を意識して、かつ、それを人生や仕事に活かすことでもっともっと人生は充実するし、変なこともしなくなると言うことなのかなと、勝手に結論づけちゃいます。
人生の王道 西郷南洲の教えに学ぶ 日経BP社 2007-09-20 |