スコーピオンズの活動休止について
先日、本屋さんでハードロック専門誌「Burrn!」を立ち読みしていたら、ドイツのハードロックバンドのスコーピオンズが今度のアルバムで活動を休止するらしいのです。僕は、それほどスコーピオンズは好きじゃなんだけれども、歴史の古いバンドですからね、心の底からお疲れ様といいたい。
僕がスコーピオンズをはじめて聞いたのは、30年ちょっと前のことで、歌がうまくて、ギターも上手で、なんてすごいバンドなんだと驚いた記憶があります。悪友と話をしていると、どうやらマイケルシェンカーが在籍していたらしいという事を知り、あのマイケルがいたのか!と大騒ぎした記憶があります。マイケルシェンカーの兄貴のルドルフシェンカーが、結局最後迄在籍をして、かつ、もう一人の雄であるボーカルのクラウスマイネがいたということも、このバンドが長続きをした一つの理由です。彼らを見ていると、やっぱりハードロックはバンドの一体感なんだなと改めて思ったりしてしまいます。ワンマンバンドというのは、結局独裁国家みたいなものだし、いくらリッチーやオジーオズボーンががんばっても一体感のあるバンドにはかなわない。
今回の活動停止は、スコーピオンズにとっては正解。はっきり言って60前後の人があんなに体力を消耗する音楽は、無理。前に何年か前にBSでDeep Purpleのライブを見たんですが、結局目立っているのはスティーブモーズだけで、イアンギランは高音が出ず、見てて痛々しかった。
僕らの世代は、スコーピオンズもそうだけど、キッスも、エアロスミスもデビューから知っている世代で、彼らがデビューしたときが、高校生という、好きな事しか目に入らない時代だけに、僕らが目を輝かせたヒーローが、年を取るにつれて、どんどん衰えていくというのは、見るに忍びないのです。
スポーツ選手が、引退するときって、例えばサッカーの中田みたいに選手として本当にピークのときに引退しちゃうケースとサッカーで言えばカズとゴンちゃんみたい使ってくれるチームがある限りサッカーを続けるというパターンがあるけれども、ハードロックの場合も運動と比べれば体力の消耗は軽微かもしれませんが、昔のヒーローが声が出ないとか指が動かないというのは、やっぱり見ていて忍びないし、才能も枯れてきているから、新しいものが作れない。で、結局受けのいい昔の曲をやるということになり、それは何度も聞いてると僕は飽きてくる。
年を重ねていい味を出しているミュージシャンもいます。エリッククラプトンなんかは、もう昔からかっこ良かったけど、ギターもボーカルもすべていい感じ。先日ライナーノーツを書いたジェフベックも7年ぶりのアルバムでしたが、ある一定の部分を突き抜けた感じで、昔のようなエキセントリックなプレイはないんだけど、すごくかっこいい。それはこの二人のプレイする音楽系態が、体力で勝負するものじゃないからだ。僕の大好きなリッチーブラックモアは、今はアコスティックギターを弾きながら中世の音楽をやってます。
そういう点から見ると、今回のスコーピオンズの活動停止は、寂しいですが、大正解。さすがという感じです。