前回和田アキラのPrismについて書いたのですが、彼のインタビューに出てくるミュージシャンで、アラン・ホールズワースという人と、今回紹介するAl Di Meolaという二人の名前が出てきて、早々に買ったのが、このElegant Gypcyというアルバム。もともとサンタナに凝っていたということもあって、ラテン系はすんなり受け入れることが出来ました。
サウンド的には、ラテン音楽をベースにしたギターアルバムなんですが、当時このAl Di Meolaも20代ということもあり、ハードロック色の強い曲調で、ギターキッズだった僕はこのアルバムを聞いて、あまりの指の速さに圧倒されてしまった。もちろん、和田アキラなんてものじゃないテクニックと、とにかく曲がいいので、このアルバムも30年近く聴き続けているということになります。
恐らくこのアルバムは、ロックギタリストにものすごく影響を与えたのは間違いなくて、一番身近なのは、Eddy Van Halen。ヴァン・ヘイレンのセカンドアルバムに収録されている「Spanish Fly」という曲は、Eddyがアコギでギターを弾くとこうなるよという名曲なんだけど、これは間違いなくこのAl Di Meolaのアルバムの「Mediterranean Sundance」という曲に触発されていると思うよ。このアルバムは、スパニッシュギターの名手であるパコ・デ・ルシアとアコギで凄まじいギターバトルをやっているのです。これがどれだけすごいかというと、エレキギターというのは、弦を緩くしているので、結構テキトーに弾いても、上手く聞こえるのです。しかもそれを歪ませていたら、なおさらで、しっかりネックを押さえてなくても、ちゃんと音が出るようになってる。
他には、イングヴェイマルムスティーンとか絶対影響を受けているはず。イングヴェイとこの人の違いは、イングヴェイの場合は、どんな曲でもただひたすらばりばり速弾きをするけど、Al Di Meolaの方は、その点TPOをわきまえている感じ。僕の大好きなジョンサイクスもきっと影響を受けていると思う。蛇足だけど、ジョンサイクスはもっともっと評価が上がってもいいギタリストだと思いますよ。
で、このアルバムは、ヤンハマーともギターとシンセサイザーのソロの応酬をしていて、これもかっこいいんですよね。ジェフ・ベックとライブでスキャッターブレインという曲でお互いにバトルをしあってるんですが、それ以上の迫力があり、ギターアルバムで速弾きのかっこ良さは、僕にとってはこのアルバムが一番です。このアルバムの中で「Race with devil on spanish highway」という曲は、スピード感といい、速弾きといい、最高です。この曲もYoutubeにライブがアップされてました。