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今日も使い勝手について

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昨日に引き続き使い勝手のことを書きます。企業なり個人なり商売をしようとした場合に、お客さんにはできるだけ負担をかけないようにするということが結構大事なんですってことを昨日書きました。これは、マーケティングの立場から言うと、例えばネット広告があったときに、この広告がお正月用のカニが安いよ!というコピーだったとします。それに食いつくお客さんってどういう人?ということになると、カニを買いたい人です、普通は。

ということは、仮にそのサイトを運営している事業主が、海鮮を全般に扱っているところだとしたら、広告の飛び先はどのページに飛ぶように設定したほうがいいかというと、これはカニに食いついているお客さんをターゲットにしているので、当然にしてカニのページに飛ばすべきです。これは、ユーザーのニーズに直接的に対応しているのがカニのページだからです。

一番まずいのは、そのサイトのトップページに飛ばすこと。それは、カニを買おうとしている人は、その時点で他の海鮮物には関心がなく、結局その人は、そのサイト内でカニを探さないといけなくなるわけで、そうすると余計なことをお客さんに強いるということになります。ということは、余程のことがない限り、そのユーザーは、そのページを閉じるか別のページ行く可能性がすごく高いということです。

話はガラっと変わって、昨日一番元気なのはGoogleとアップルだということを書きました。特にGoogleは、インターネットを使いやすくした功績は計り知れない。Googleとしては、検索結果に表示される広告さえクリックしてもらえばいいわけで、そのために無料のサービスをたくさん提供している。この無料のサービスが他の会社のサービスと違うのは、使いやすくて高機能だということだ。

例えばGmailは、ウェブメールサービスで言うと後発なんだけど、凄く使いやすいし、機能も充実している。特に迷惑メールのフィルタリングは秀逸だし、アドレスも自動入力できるような仕組みもある。先行のHotmailやYahoo!メールなんかは、迷惑メールのフィルタリングなんてひどいもので、使いものにならないのです。

Gmail以外には、写真の管理サービスPicasaやGoogle Analyticsなど、それこそたくさんのサービスが無料で使える。これは本当に素晴らしい。これらが無料のサービスであるということは、Googleにしてもサポートをする必要がないのです。ひとつは無料だということもあるし、製品的にもサポートを必要としないほど操作が簡単であるということです。また、サポートにしてもわからなかったらユーザーグループのやり取りやFAQのページがあるから、そっちを見てくださいということで済んじゃう。特に専門のユーザーで製品のやり取りをやるというのは、今流行のソーシャルな部分であり、最先端ではあるわけです。

ただ、わからなかったらFAQを見てねというのは、提供するサービスが無料だから出来ることで、これが有料だったら、こういうやり方は通用するのかということですが、これは絶対に通用しない。そんなのは当たり前ですな。金を払ってるのに、わからないことがあったら、FAQを見てね、もっとわからなかったらメールをくれれば、24時間以内に連絡しますよってやったら、お客さんは暴れます。

しかし、このありえないやり方を去年の年末にGoogleがやったんですよ。どういう事かというと、アンドロイド搭載の携帯電話、Nexus Oneをオンライン販売したのです。SIMフリーだから、どこのキャリアでもOKというもので、携帯の直販ということで、極めて画期的な、いかにもGoogleらしい革新的なやり方だったのです。

ところが、さっきも書いたけどユーザーサポートは、メールかFAQでよろしく!とやったもんだから、買ったほうが怒った怒った。金を払ってるのに、直接話しをしないというのは、どういうこと??ということになったわけです。その後どういう顛末になったかは知りませんが、大騒ぎになったことは事実で、ここにシステム屋の限界というのがあります。

Nexus S

つまり、こちらから問い合わせをするときは、24時間以内に知りたいという悠長なことではないのです。今すぐ知りたい!だから、電話をするわけです。ところが、Googleに関しては、操作方法がわからなかったら、まずFAQで自らチェックしてもらい、それでもわからなかったらメールを下さいというやり方。こういうやり方はブランドを大きく失墜させますな。こういう状況だから、GoogleケータイのNexus Sというのが最近発売したらしいんだけど、ほそぼそという感じでした。

とにかく、使い勝手というのは、できるだけユーザーの負担をかけさせないことだと思うのです。この点をしっかり考えればいいものはできると思う。特にIT系は絶対にそうだと思う。