2016/06/080 Shares

花燃ゆ「突然の恋」の視聴率が14%に上昇。これからさらに上がる5つの歴史的事実

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花燃ゆ「突然の恋」
引用:花燃ゆ公式Facebookページ

3月15日に放映されたNHK大河ドラマ「花燃ゆ」第11回「突然の恋」の視聴率は、14%に上昇しました。久しぶりの上昇です。司馬遼太郎さんの世に棲む日日を読むと、今後の視聴率はどう考えても上昇するとしか思えないので、そのあたりを今日は書こうと思います。


花燃ゆの低視聴率が色々とマスコミに取り上げられ、それに反駁するがごとく僕はこのブログで書き続けていますが、今、司馬遼太郎さんの「世に棲む日日」を読み返していると、やはりどう考えてもこのドラマがおもしろくないわけがないと思うのです。その理由は5つほどありまして、そのあたりでこのドラマが更に面白くなるであろうということを立証したいと思います。

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花燃ゆの視聴率が上昇する5つの事実:長州が革命の中心である

明治維新が成立をするという点では、誰がなんと言おうと最大の功労藩は長州藩で、この藩が革命化することで下関を通る外国船に砲撃することで、イギリスなどの4カ国から攻撃され、さらには幕府にまで攻められても、その度に起き上がり、第2次長州征伐の時は高杉晋作が中心になって幕府を返り討ちしてしまうという大逆転を演じるという奇跡を演じたという点では、幕末史の奇観だと思いますね。逆転劇という言葉はこの藩には本当に相応しい。

花燃ゆの視聴率が上昇する5つの事実:長州内の改革派と保守派の対立

内藤剛志が演じる椋梨藤太
引用:花燃ゆ公式Facebookページ

ただ、長州内でも当然のことながら路線対立というものがありました。それは松陰の松下村塾の塾生が中心となる改革派。この場合は倒幕派ですね。それに対して内藤剛志が演じる椋梨藤太を中心とした保守派で、こちらは佐幕派。この両派が、血みどろの闘いをしていくわけでして、最初は普通の意見の対立が、最終的には内戦状態になり、最終的に終止符を打つのがやはり高杉晋作です。本当に高杉晋作という人は面白いです。ちなみに椋梨藤太は、逃亡しますが、津和野藩で逮捕されて処刑されますが、内藤剛志がいい味を出してます。

花燃ゆの視聴率が上昇する5つの事実:幕府との対立

当時の日本の政府は徳川幕府ですから、それに公然と反旗を翻す長州藩を許すわけがありません。当然、長州やそれに連なる勢力を徹底的に弾圧をしました。まずは安政の大獄では、長州の下級武士である吉田松陰をしょっ引いて、あっさりと処刑し、その後は長州が事件を起こす度に、幕府が鎮圧をするという、イタチごっこを繰り返し、そして幕府による2度の長州征伐。幕府すれば当然の対応です。

花燃ゆの視聴率が上昇する5つの事実:薩摩との対立と同盟

長州と薩摩は、同じ勤王藩ではあったものの、お互いに相手を牽制しあった間柄でした。当初は久坂玄瑞らが中心になって、朝廷を長州色に染めましたが、それをよしとしない薩摩が長州の足を引っ張ります。特に8月18日の政変以降は坂本龍馬が間に立った薩長同盟が成立するまで長州は負けっぱなしでした。そういう恨みが長州にはありましたから、桂小五郎とかは死ぬまで薩摩を許しませんでした。ちなみに歴史的な事実を上げておくと

  • 8月18日の政変:朝廷から三条実美ら長州系の公卿を一掃するクーデター
  • 池田屋事件:吉田松陰が戦死
  • 蛤御門の変:久坂玄瑞が切腹

などなどです。

花燃ゆの視聴率が上昇する5つの事実:高杉晋作の存在

今、司馬遼太郎さんの世に棲む日日をもう一度読み返しているのですが、この本、こんなに面白かったっけ?というくらい面白く、その中心となっているのが高杉晋作です。長州の場合、改革派の立場が危うくなると、必ず高杉が登場して、それをあっさり打開すると、惜しげなくその地位を捨ててしまい、また改革派が劣勢に陥ると、またもや高杉が登場してその問題を解決してしまう。この小説で伊藤博文が高杉の子分として登場しているのですが、伊藤はその度に高杉に驚かされるシーンが出てきてその辺りが実に面白いのです。
例えば長州藩内で改革派が保守派に圧倒されていて、それを打開するべく高杉が三田尻に行き、藩の軍艦を手に入れて、それを率いて下関に戻るシーンがあるのですが、そのあたりを司馬さんが絶妙な筆力で書かれているので、ここに引用します。

伊藤俊輔はこの間、下関にあって募兵と募金工作に奔走していたが、やがて晋作が艦隊をひきいてもどってきたのをみてほとほと舌を巻き、
(この男は、人間かーーー)
と生涯、高杉晋作のすべての印象のうちにこの一事はとくにふしぎな思いがしてならない、と想い出すたびにひとにも語った。

この男は人間かと印象を持たれた高杉という人物は面白いですね。そんな破天荒な高杉も、毛利家への忠誠と親への孝行心は全くなくならないという、革命家として大きな矛盾を抱えていたというところも、高杉の面白さだと思いますね。

世に棲む日日について

世に棲む日日については、花燃ゆを楽しむための予習をするつもりで、この本を20年ぶりくらいで読み返しました。20年前にこの本を読んだときは、何か吉田松陰の性格が煩わしくて、それが嫌で読みませんでしたが、20年ぶりに読むと、実に面白いのです。その面白さの中心は僕にとっては高杉晋作の存在で、天才という点では、日本史上織田信長が匹敵するんじゃないかと改めて思いました。その彼の面白さを司馬遼太郎さんの見事なまでの筆力が表現していて、この本はほんとうに面白い。何度も書きますが、高杉の描写は最高です。

世に棲む日日と花燃ゆ

花燃ゆは当然世に棲む日日とリンクするのですが、今後はやはり歴史的事実を忠実に描くと共に、キャストのキャラクターを上手に演出して欲しいと改めて思いますね。杉文に関しては、吉田松陰の妹で、久坂玄瑞の妻以外取り立てて、歴史に何かをした女性じゃないので、彼女をあまり前面に出してしまうと、歴史を創作してしまう可能性が凄く高いと思うのです。

ところが、この時代は下手なドラマよりもずっとドラマチックで役者が主役級の人がどんどん出てくるわけです。長州以外にも土佐もそうだし、薩摩もそうだし、幕府側にもたくさんの役者がでてくるわけで、変に歴史を創作すると、ドラマ自体が壊れてしまうので、そのあたりは注意を払ってほしいと改めて思います。

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