My Music Vol.7 Queen Live Killers
僕が洋楽を聴き始めた頃、一番人気があったのがQueenだった。当時のQueenというバンドは、日本でしか人気がなく、ボーカルのフレディ・マーキュリー以外は、みんなイケメンだったので、アイドルバンド的な存在だった。
ところが、当時僕は音楽的には結構真面目というか、ハードロック好きだったということもあって、このQueenのアイドル的な人気は苦々しく思っていた。音楽を顔で決めていいのかと。特にこのバンドは、フレディ・マーキュリー以外は、かっこいいし、特にドラムのロジャーテイラーの人気は半端じゃなかったし、Queenはどちらかというとハードロック的なところにオペラの要素があって、何か違和感があった。つまり、嫌いだったのです、Queenは。
何かのきっかけでQueenのこのアルバムを聴いて、びっくりした。当然、アイドルバンドでは全くなく、オリジナリティ満載の良質のライブであることに僕は本当にびっくりした。食べ物の食べず嫌いってあるけど、音楽も一緒だね。偏見を持たないで聞かないと結構痛い思いをする。このQueenのライブアルバムは僕にとって正しくその通りだった。
たしかに見た目だけで通用するほど、ロックの世界は甘くなくて、やっぱり演奏がしっかりしてて、次に音楽も良くなければあれだけ人気が出るわけないのです。
ロックの世界でソロ活動で成功している人って、そういません。というよりもバンドのほうが人気が出るケースが多い。ビートルズだってそうだし、ストーンズだってそうだし、レッド・ツェッペリンだってそう。それは同じレベルのミュージシャンが集まってひとつの音楽をプレイすることでものすごい一体感が生まれるのです。
例えば、僕の大好きなリッチー・ブラックモアがレインボーを結成して、最終的には解散せざるを得なかったのですが、もともとワンマンな上に、最後の方はミュージシャンの格が違いすぎちゃって、音楽に一体感がなくなってしまった。つまり、リッチーのギターだけが浮いちゃうのです。結成当初は、ロニー・ジェイムス・ディオとかコージー・パウエルとかいましたが、それでもリッチーのワンマンぶりに嫌気をさしたり、くびになったり。そうなるとバンドの音楽ではなくなっちゃうのです。他にはオジー・オズボーンは、ギタリスト探しの名人なんですが、それでもランディ・ローズ以降は、他のミュージシャンとオジー・オズボーンの格が違いすぎちゃって、やっぱりまとまりが無くなっちゃってるんだよね。
Queenもこのアルバムをだして、ずっと後にフレディ・マーキュリーがエイズのため死んでしまい、結局バンドを続けていくことができなくなってしまった。同じ例は、レッド・ツェッペリンもそう。ドラムのジョン・ボーナムが死んじゃうと、バンド休止です。それだけ固定しているバンドのメンバーはすごく重要なのです。
話をLive Killersに戻しますが、このアルバムはバンドの一体感あり、演奏もしっかりしていて、しかもフレディ・マーキュリーのステージパフォーマンスは抜群で、演奏されている曲もどれをとっても駄曲がないという最高のライブアルバムに仕上がってます。
ちなみに僕は中学3年の時から、様々なロックバンドのライブを観てきたのですが、唯一見てないのがQueen。元バッドカンパニーのポール・ロジャースと一緒にフレディ抜きのQueenが来日しましたが、行きませんでした。やっぱりフレディじゃないとQueenではないので。ただ、ポール・ロジャースのQueenも別のバンドという認識だったら、OK。結構いいです。ライブアルバムもなかなかです。