久しぶりに翔ぶが如くを読み始めた-登場する人物
翔ぶが如くという本は、前回書いたように征韓論で西郷さんと大久保利通が対立をして、それが結果的に西南戦争に結びつき、政府軍が西郷軍を完膚なきまでたたき潰すことで、1192年に鎌倉幕府が成立して以来800年目にして武士の時代終わったことを意味します。
で、この本には結構有名な人が出てきます。
板垣退助
例えば板垣退助。僕らの世代だと100円札の人。あとは「板垣死すとも自由は死せず」という言葉を残してる。この人は、僕もこの本とか竜馬がゆくを読むまで知らなかったんだけど、軍人として大変な功績を残してる人でして、鳥羽伏見の戦いから始まる戊辰戦争では、名将と言われる活躍をして、西郷さんをして日本が外征をするときの司令官は、板垣だと言わしめたほどです。ただ、土佐藩代表という立場もあり、政治家にならざるを得なかったのですが、軍人としての才能はあっても政治家としての才能は全くなかったので、大した業績を残すことができなかったと司馬さんは書いてます。ちなみに、板垣は、今人気の龍馬の出身藩である土佐藩の上士出身です。
伊藤博文
あとは、伊藤博文。この人は千円札だった。
この人は、板垣と違って明治を代表する政治家になりました。ただ、知られていないことは、桂小五郎に引き上げてもらうまでは、武士ですらなかったということです。もちろん、武士階級じゃなかったからダメだというわけではないけど、ひとつの明治維新が革命だったということは、伊藤が日本で最初の総理大臣になったことでもわかります。
では、どうしてそこまでえらくなれたのかというと、ここからは僕の解釈ですが、征韓論を潰すに当たって大久保利通の意を汲んで大活躍をしたのが、伊藤なのです。この実績が、彼の立場を重くしたんじゃないかなと勝手に想像しています。この活躍がきっかけで山県有朋と共に長州の代表になるんだけれども、ここで大事なのは、武家社会という階級社会ながら、百姓出身だった伊藤、足軽出身だった山県有朋が派閥の代表になるということであり、これこそ、明治維新は革命だったということを証拠づけるものだと思うのです。ちなみに、伊藤は女好きでも有名で、いろんなところに子どもがいるらしい。羨ましい。
そして、桐野利秋
桐野利秋 |
それでも、西郷さんを擁して政府と対決するという戦争をおこした人物なので、普通の人ではないと思いますが、ただ、西郷さんを擁せば、不平を持っている士族は自分たちを見方になってくれるであろうということと、戦略を持たずに、ただ単に熊本城を攻めたということ、それと自分たちは強いという自信が結局過信となり、火力が豊富な政府軍を見下したことで、結局こんな負け方はしないだろうという負け方をします。それはすべてこの桐野の責任ではあるのですが、未だに映画化されるくらいだから、特に地元では人気のある人物なんだろうなと思います。
この本の醍醐味というのうは、やっぱり強いと言われた武士を中心とした薩摩軍が、弱いとされていた百姓や町民におもいっきり潰されてしまい、結局鎌倉時代から続いた武士の時代が幕を閉じるということです。
このストーリーって、渡辺謙さんが主演したラストサムライに酷似ししてるんですよね。謙さん演じる勝元が、新政府のやり方に反対して、下野して、その後新政府と戦うというストーリーでしたが、西郷さんもこんな感じのようでした。このラストサムライという映画は、勝元が悲劇のヒーローだった。西郷さんも漢字で表すと僕にとっても「悲」。だからこそ、判官びいきなところがある日本だからこそ、ますます西郷さんは人気があるんでしょうね。