インターネットの特徴ーバードカフェおせち事件
インターネットの特徴は色々あるんだけれども、その一つとして伝達のスピードの速さを上げられることができます。ひとつはGoogleができるだけ、新しい情報を検索エンジンに登録できるようにしているということもあるし、昨日も少し書いたけど、インターネットの主体がソーシャル(草の根)なので、個人がお!と思ったことは、ツイッターやブログでいくらでも情報が発信されちゃう。しかも、ソーシャルなので誰もそれを止めることが出来ません。
バードカフェのおせち事件
最近の例をあげると、グルーポンのおせち事件があります。これは、外食文化研究所が運営するバードカフェが販売するおせち料理が、パンフレットと実際のものがあまりにも違ったということから端を発した事件。お正月は結構テレビでもインターネットでも話題になった。
これは21000円のおせちをグルーポンで買うと、半額で買えるということで、これはインターネットをやってる人のみが買えるということで、ということはそれなりにインターネットが使える人たちであるということです。それなりに使えるということはどういう事かというと、モノがひどかったら、自身のブログやツイッター等で発信することが出来るということです。
ちょっと実験として「外食文化研究所」とブログ検索をするとどうなるか調べてみると
35000件引っ張ってきました。すごいねえー。
ついでにおせち会社の「バードカフェ」で検索すると、
今度は94500件です。この事件って今年の正月ですからね。まだ6日しか経ってないのに、この検索の数はすごいです。
ちなみにこのスクリーンショットの一番上にあるガジェット通信では実物の写真が掲載されてるんだけど、これはひどい。
グルーポンでバードカフェのおせち料理を買った方の声を集めてみた 「おせちを作るだけの実力がない」
パンフレットと実際のものの違い
こんな感じであっという間にこのニュースが日本中をかけめぐってしまい、しかも社長が辞任するという、結局責任者が逃げまわるという最悪の顛末になってしまった。この社長が自身のブログで謝罪してるんだけど、食品を扱う会社としては危機管理が全然ダメだということが日本中に知れ渡ってしまった。ばかだねえ。ちなみにこのバードカフェのおせちの写真はこれ。
で、実際に送られてきたのがこれ。これ見たとき、お客さん衝撃だったろうね。ある意味、円天と同じで詐欺事件に近いっと言うか、これを送るバードカフェの倫理観の無さがすごい。よく今までこんな商売をしてきたという感じだ。
ちなみにこのおせち事件では、窓口はグルーポンなんだけれども、こういう大騒ぎをしているときにメールでしかコンタクトが取れないという、いかにもネット会社らしい対応をしてしまい、火に油をそそいでしまった。前にも書いたけど、Googleが携帯電話を直販したときに、サポートをメールでのみ対応してあっという間に批判の嵐が巻き起こったことをグルーポンも学習してなかったですね。ネット会社の社長はお利口が自慢なのに、こういう人の心の動きがよくわからない人が多いようですねえ。
素晴らしいUCCの危機管理能力
かつてUCCがツイッターを使ったプロモーションでおかしなことをやって、それこそ、ツイッター上でUCCが変なことをしているということになって、これまた大騒ぎになった事件があります。
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おせちを売ったバードカフェを運営する外食文化研究所は公式ブログにて、「500セットの調理と詰め込みに予想以上の時間がかかり納品が遅れるという事態が発生」「出来ないと判断しキャンセルの依頼をするべきところを、出来ないものを無理に行ったことがこのような事態を招きました」と説明し、水口憲治代表が辞任を表明するに至りました。しかし、これより前にはTwitterで「おせちのおかげで1店舗分の売り上げになった」などとツイートしており、内容を偽ったおせちを売ることで不当に利益を上げようとしているのではないかと考えられたことも、大きな反発を招きました。
で、これを受けてグルーポンは、次のように今後の対策を発表しました。引用します。詳細はこちら。
(2) 今後の対応
対象クーポンご購入金額を上限として全額返金
お詫び(グルーポン商品)の謹呈(いずれか一つ)
- チョコレート(5,000 円相当商品)
- アイスクリームギフト券(5,000 円分)
- お花 カタログギフト(5,000 円分)
- グルーポン5,000 円分利用チケット
お詫びでいずれか一つというのうが貧乏くさいよね。グルーポンも最後のチャンスでこれだから。やっぱり老舗は伊達に老舗じゃないということですね。つくづくそう思うわ。
(追記)
大臣からも指摘を受け、横浜市のガサ入れまで入ってしまった。もうだめね、ここ。