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秀吉と角栄

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もういずれも故人になっちゃいましたが、この人だけは死んでほしくないなという有名人が僕にはいて、それは司馬遼太郎さんと田中角栄元総理。これは、司馬さんの著書でどれだけ僕の人生が豊かになったかしれないし、田中さんに関して言えば、やっぱり下からはいあがってきて、日本の総理になったというのは、やっぱりすごいと思うのです。人間としても相当面白い人だったしね。

で、今、久しぶりに司馬さんの新史太閤記を読み始めたんだけど、面白い。

僕は歴史上の人物で一番偉い人は、豊臣秀吉だと思っていて、同じレベルで田中角栄さんのことが好きです。その秀吉が天下を取るまでの話を司馬さんが書いている本が、新史太閤記で、司馬さんの大変優れた筆力で、あっという間に読めてしまう。

秀吉は、ご存知のとおり、武士というか名前さえない身分に生まれたが、織田家に仕えたことでその才覚で出世し、信長亡き後に戦国時代を終焉させたところに、彼の意義があったように僕は思う。だから、それまでの秀吉の颯爽とした生き方は、元気を与えてくれます。この本も、一番いい時で

露と置き露と消えぬるわが身かな 浪速のことは夢のまた夢

という秀吉の有名な句で締めています。

角栄さんも、総理になって退陣するまでは素晴らしい。僕は、角栄さんの秘書だった早坂茂三さんが好きで彼の本は大体読みましたが、総理まで登りつめて、日中友好条約を一気呵成にまとめていった手腕は素晴らしい。ああいう大仕事は、官僚では出来なくていかにも政治家の仕事という感じがした。

しかし、秀吉も角栄も頂点を極めてからの人生はボロボロだった。

関白になった後の秀吉は、身内を虐殺したり、朝鮮や明を攻めたりした。だから、韓国で秀吉の評判は最悪らしいですね。韓国の人が日本を忌み嫌うのは、戦前の植民地化以前に秀吉の侵略があります。日本でもこの戦役を無理やり実行したことで、豊臣の天下が終わってしまった最大の原因となってしまった。司馬さんによると、秀吉が人間として耄碌してしまったゆえに起きたことだということをある本で僕は読んだ。

田中さんにしても、政権から降りた後は、自民党の闇将軍と言われ、田中派の言う事を聞かないと政治家は偉くなれない、特に総理になるためには田中派の顔色を伺わないとなれないということにあり、本来最高権力者である総理大臣の権威を大きく失墜させた。その後の経世会も同様だし、田中さんの弟子だった小沢一郎さんも、結局民主党が先の総選挙で対象したときに、極めて横暴な政治を始めた。

でも、秀吉がどれだけ人気あるかといえば、恐らく徳川家康よりも上でしょう。ちなみに徳川幕府は、豊臣政権の機能をかなり踏襲してます。どうして上かといえば、やっぱり家康と比べれば明るいということだし、なんといっても末端から上に這い上がったというのは、夢を与えると思うよね。

田中さんにしても、総理としての時間は2年ちょっとだけど、今までの官僚出身の総理よりも親しみがあったように思うし、個性的という点では、田中さんに近いのは、皮肉になるけど小泉さんだったと思うし、小泉さん以降求心力のある総理っていないな、残念ながら。

とにかく、こういう気持が落ち込んでいるときに、今から400年以上前のもの凄く元気な日本人の物語って読んでみてもいいと思いますよ。色々な人物が登場して、本当に元気になれると思う。