Deep Purple の最高傑作の1枚Come Taste The Band
Deep Purpleというと、メイドインジャパンをのぞくと、インロックやマシンヘッドが名盤と言われています。確かに、この二枚のアルバムにはハードロックの名曲中の名曲が収録されている。ただ僕個人としては、トミーボーリンが在籍したときのCome Taste The Bandが一番良くできていると思うのです。
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トミー・ボーリンはディープ・パープルの救世主
もともとDeep Purpleは、リッチー・ブラックモアが音楽的な主導権を握り、しかし音楽の世界には必ずと言っていい変人(僕は今から考えるとそれを装っていたような気がするけど)ぶりを発揮して、イアン・ギラン、ロジャーグローバーをクビにして、迎えたのがデヴィッドカバーディルとグレンヒューズという有能なミュージシャン。それでBurnという名作を発表したのですが、その後音楽の主導権がデビカバとグレンヒューズに移ることによって、リッチーはDeep Purpleを脱退します。
そして迎えられたのが、トミーボーリンという極めて優秀なギタリスト。リッチーがクラシックであれば、トミーという人は、ビリーコブハムのプロジェクトにも参加したようにジャズ系であり、相当なテクニシャンでもあります。恐らく、ギターのテクニックという感じで見れば、リッチーよりも絶対にうまい。感じとしては、ジェフベックとクラプトンを足した感じかな。
この人が曲作りから全面的に参加したアルバムがCome Taste The Bandというアルバムです。
ちなみに僕はこのトミーボーリンというギタリストは大好きで、彼の2枚のソロアルバムと、ビリーコブハムの彼が参加したアルバムは持っていて、どれも抜群によく出来ているアルバムです。彼は、結局Deep Purpleを脱退して、ソロ活動を本格的に始めて、薬の飲み過ぎで死んじゃうんですけど、もし生きていたら、大変なギタリストになっていたことは間違いありません。
Come Taste The Bandは革新的なハードロックの名盤
で、このCome Taste The Bandは、アルバムが発表されたときはハードロックのアルバムとしては、かなり実験的なところがあって、今までのリッチー路線を完璧にやめちゃうようなところがあったので、世間からは批判されました。つまりどういう事かというと、ファンキーミュージックやレゲエのリズムが結構このアルバムは取り入れているんです。ミディアムテンポも曲なのに、途中であの独特のレゲエのリズムが入ったりして、実に革新的なアルバムです。いろいろな音楽を取り入れている。
でも、曲そのものはもの凄く良く出来ていて、トミーボーリンという人が、作曲能力も大変優れているということがよくわかる。それとギタリストとしてみると、ギターの音も結構特徴があって、トミーボーリンのオリジナル的なアンプの調整があるんでしょうね。すごくソリッドでカッコイイ。
オープニングのComing Homeは、はっきりいってHighwaystarやBurnなどと比べてもそん色はないし、駄曲が1曲もないという大変素晴らしいアルバムなのです。ただ、この4期Deep Purpleは、リッチーがいなくなったことで、当然のことながらリッチーらしさはなくて、いわば当時若者だったトミーボーリン、デヴィッドカヴァーディル、グレンヒューズがのびのび演奏している感じがすごくします。
ただ、残念なことに、このアルバムを出した後、世界ツアーにDeep Purpleは出るのですが、トミーボーリンはシンガポールかどこかで左手を怪我してしまい、日本公演ではスライドしか弾けないというひどい状況になっていて、ライブアルバムも出ましたが、大変悲惨なライブになってしまった。その結果、4期パープルの主力の3人が脱退してしまい、Deep Purpleは解散してしまいます。その解散のA級戦犯がトミーボーリンだとか言われましたが、このあたりは微妙なところだね。
ただ、「Come Taste The Band」はすっごくよくできてます。最高です。YouTubeにフルアルバムがあったので、ご紹介します。是非聴いてください。
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あと、解散の原因となったトミーのギターですが、きちんとプレイしているライブも実はありまして、ユーチューブにもオープニングのBurnが演奏されていますが、トミー・ボーリンのギターは実に冴えています。
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(追記)
この4期のディープ・パープルの主要メンバーだったデヴィッド・カヴァーデイルが自身のバンドホワイトスネイクの新作は「The Purple Album」にも「Come Taste The Band」から4曲収録されていて、ご紹介をすると、
- Love Child
- You Keep On Moving
- Lady Luck
- Coming’ Home
です。
こちらも楽しみです。
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