2016/06/07
NHKへの提言 大河ドラマの主人公として伊藤博文にするべき6つの理由
ここ数年の大河ドラマの主役を見てみると、NHKもネタが尽きてるのかなという印象が強いです。そこでNHKに提言するのですが、ここは是非メジャーな日本初の総理大臣に就任した伊藤博文を主人公にしてみたらどうかなと思いまして、その理由を6つほどリストアップしてみました。
Contents
篤姫以降の大河ドラマが面白くない理由は3つ
僕に大河ドラマに関しては篤姫以降は軍師官兵衛を除いて全くダメです。その理由は3つありまして
- 人物の使い回し
- 無名の人物を使った
- 歴史的な偉業を成し遂げていない
この3つです。
1番目の人物の使い回しは「龍馬伝」「平清盛」をあげることができます。この2つは、過去にも大河ドラマで「龍馬伝」に関しては1968年の「竜馬がゆく」にかぶるし、「平清盛」にしても1972年の「新・平家物語」にかぶって、それこそ原作も「竜馬がゆく」は司馬さんの名作ですし、「新・平家物語」も吉川英治の名作で、とてもじゃないが「龍馬伝」「平清盛」がシナリオ的にも足元に及ばないわけです。しかもこの作品に関して言えば、出てくる連中が汚い。どうしてそういうことをしたのか今でもわかりません
2番めの無名の人物はというと、「江~姫たちの戦国~」、「八重の桜」、「花燃ゆ」があたります。結局無名ということは理由があって無名なわけで、この場合の理由というのは歴史的に何をしたのということで、残念ながらこの3人は歴史に足あとは残していません。ということは、ストーリー自体が結局創作中心になるわけで、そうなるとほんをかkよほど歴史的な事を理解してないと話しにリアリズムがなくなるんです。そうなると、作品自体に緊張感がなくなるから面白く無いということになります。
3番目の「歴史的な偉業を成し遂げていない」は、2番めにもかぶりますが、「天地人」が該当します。直江兼続は偉業を成し遂げたという人もいるでしょうが、僕は最後が良くないと思うのです。つまり、関ヶ原で当初は石田三成と上杉家で東軍を挟み撃ちにするという戦略だったはずが、失敗し、家康に平身低頭して上杉家を温存させ、しかも大阪夏の陣で秀頼を攻めたというのは、一貫性がないし、全く英雄性が感じられません。だからダメ。
これらの逆のことを取り上げると、
- 今まで特に取り上げられてなくて
- 無名ではなく
- 歴史的な偉業をあげている
ということになり、日本で初の総理大臣となった伊藤博文は大河ドラマの主人公になるには相応しいんじゃないかと思うのです。
その理由としては
- 伊藤を取り上げた有名な本がない
- かつて1000円札に使われていて少なくとも30才以上の日本人は知っている
- 日本初の総理大臣に就任
ということもあり、僕はこの人を是役に使えば、彼の人生がドリームストーリーでもあるから、面白いんじゃないかと思うのです。その理由を6つほど考えてみました。
理由その1:百姓身分から武士となり日本初の総理大臣にまで登りつめた
伊藤博文という人は立身伝中の人物であることは、あまり知られてないんじゃないかと思うのです。僕も司馬作品を読むことで、彼が百姓身分から様々な人達に引き上げれられて、明治以降は木戸孝允(桂小五郎)が亡くなると、山県有朋と並び長州閥のリーダーになり、様々な難題を解決して、日本初総理大臣となりました。
ここで重要なのは、本来に政治などに携われなかった身分からのし上がったということでして、伊藤博文自身の頭の良さや運の良さというものがあるにしても、大変な努力をしてきたということも、すごいと言わざるを得ません。普通日本で立身伝中の人物と言うと、昔は豊臣秀吉、現代で言うと田中角栄の名前が上がりますが、少なくとも田中角栄よりは業績として大きなモノを残してます。少なくともこういう人を見ると、勇気は与えられます。
理由その2:ものすごく偉い人から使われた
伊藤博文の生涯を見てみると、独り立ちするまでに、歴史の名前を残す人たちから愛されたというところもその特徴といえます。偉大な先輩のエッセンスを吸収して、自分の人生にプラスしたようなところがあったりするんじゃないかと思いますね。
桂小五郎
前列右から二人目が桂小五郎、後列右で帽子をかぶって笑っているのが伊藤博文 |
伊藤博文は、来原良蔵の伝手で松下村塾に入り、来原良蔵の紹介で桂小五郎と知り合い、桂の従者となります。ここで、桂小五郎と知り合うということもすごいし、この時桂はいいことを伊藤博文にいいことを言っているんです。
「僕と君は身分が違うけれども、同じことを目指している同士なんだから、身分の上下を気にしなくてもいい」
僕はこの言葉だけでも桂小五郎の偉さを感じるんですよね。僕は桂のこういうところが大好きですし、伊藤も嬉しかったと思います。
高杉晋作
中央が高杉晋作。右が伊藤博文 |
ウィキペディア
長州藩が第一次長州征伐で幕府に恭順の姿勢を見せると、12月に高杉らに従い力士隊を率いて挙兵(功山寺挙兵)。この時、高杉の元に一番に駆けつけたのは伊藤だった。その後、奇兵隊も加わるなど各所で勢力を増やして俗論派を倒し、正義派が藩政を握った。後に伊藤は、この時のことを述懐して、「私の人生において、唯一誇れることがあるとすれば、この時、一番に高杉さんの元に駆けつけたことだろう」と語っている。
と書いてあり、そうだったんだと僕も思いますね。
大久保利通
岩倉使節団。右から大久保利通、伊藤博文、岩倉具視、山口尚芳、木戸孝允 |
理由その3:幕末から明治にかけて仕事をした人である
長州ファイブの面々。伊藤は右奥 |
伊藤博文は本当に忙しい人で幕末においては
- 英国公使館焼き討ち事件に参加
- 長州ファイブとして渡英
- 四国艦隊との戦争後の和平交渉で高杉晋作の通訳
- 長州征伐後の長州藩内抗争→高杉率いる改革派において挙兵、力士隊を率いる
明治維新後においては
- 岩倉使節団の副使として参加
- 征韓論を叩き潰す
- 疎遠になっていた大久保利通と木戸孝允を結びつける大阪会議を斡旋
- 明治15年帝国憲法起草・制定の中心的役割
- 初代内閣総理大臣となる
- 日清戦争
- 初の政党立憲政友会を創立
- 日露戦争
- 初代韓国統監となる
このようにとにかく仕事をすごくしている人なんですよね。暇を持て余してないところがすごい。
理由その4:人間的な弱みもあったりする。
この弱みというのは、女好きということで、実際にGoogleで検索をするときに「伊藤博文」のあとにスペースをいれると、サジェッションで「伊藤博文 女」と出てくるほど、伊藤博文の女好きは有名です。
まあ、立身伝中の人物はだいたいこういうパターンが多いです。豊臣秀吉もあまりにもいろいろなところに手を出して、寧々が織田信長に何とかしてほしいと訴えて、信長が自ら仲裁に入ったのは有名な話ですし、田中角栄だって、いろいろな本が出ているように様々なところに子供がいたりします。
伊藤の場合も、女性問題は色々とあったらしく、明治天皇自らいい加減にしたらどうかと言われたほどですから、よほど艶福家なんでしょうね。でも、英雄色を好むですから、取り立てて、大騒ぎする事は無いですし、ある意味伊藤博文のかわいい部分というような人間味を表す、エピソードだと思います。
理由その5:暗殺されるという最期
伊藤は明治42年ハルピンで韓国の民族運動家安重根に射殺をされます。享年69才でした。これは日本が強引に韓国を併合してしまい、その恨みを買う代表として韓国統監である伊藤博文が標的となった観がありますね。ただ、実際に伊藤自身は強引な併合というものを反対していたということもあり、この点は気の毒ではありますが、ある意味英雄でもある伊藤博文が天寿を全うするのではなく、他者から生命を断たれるというのは、伊藤らしい最期であるというイメージはあります。
理由その6:伊藤博文に関する面白い本が見当たらない
伊藤博文の場合は、近代史の人物ということもあり、小説とかの題材になったことがありません。実際にアマゾンで「伊藤博文」と検索をすると、これは!という本が実はないです。
司馬遼太郎さんの作品の中では、「世に棲む日日」での高杉新作とのやりとりや「翔ぶが如く」で征韓論を叩き潰すために東奔西走するところは実に圧巻ですが、伊藤博文が主人公という小説は見当たりません。
まとめ
このように、伊藤博文はお札にまでなった人で、しかも、アジアで初めての立憲体制の生みの親であり、海外からも日本を代表する政治家として非常に評価が高いです。その伊藤も、元々は百姓身分から上り詰めて、最後は公爵までになるというのは、並大抵なことではないと思うし、少なくとも、豊臣秀吉と比肩する人だと思うのです。
しかし、彼を主役とするような本がないというのは不思議です。実際に上記にも掲げた通り、幕末から明治維新〜明治時代においておきたほぼ全ての事件に関わり、半分以上はその中心人物で在り続けたというのは、人間的な偉業だと思いますし、そんな伊藤でも女問題で世の中から批判されたというのは、彼の人間らしさが感じられて、面白いと思うのです。近代史はおもしろみがないというのであれば、日露戦争を描いた司馬遼太郎さんの名作「坂の上の雲」があれだけ多くの人に受け入れらたのかということだと思うのです。
きちんと面白い内容にすれば、多くに人に共感を得られると思いますし、やはり、努力をして位人臣を極めたというのは、多くの人に勇気を与えると思います。NHKさんどう思いますか?
NHKの大河ドラマ担当者に読んでいただきたい本
以下の2冊は伊藤博文が目標を達成するために
- 世に棲む日日:長州藩の俗論派の打破
- 翔ぶが如く:西郷隆盛を中心とした征韓論を打破する
獅子奮迅の働きが大変素晴らしく描写されています。是非一読していただきたいです。僕が本を書いてもいいくらいです。
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