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ないものねだり

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日経新聞のスポーツ欄って、案外読み甲斐があって好きなんだけど、昨日と今日で中日の落合監督の特集記事が組まれていて、これはちょっとないものねだりで、こういう評価をしたら落合さんもかわいそうだと思ったのです。

つまりどういうことを書いてあったかというと、落合さんはコミュニケーション能力が低いと。だから、観客数も減ってきてるから、退任もやむをえないんじゃないの?というのが、文章から垣間見れた感じがしたのです。最後の締めの文章を引用すると、

落合監督が野球知識にしても、プレーに対する洞察力にしても、最高のものを持つことに異論はないだろう。だからこそ、プロ野球人気が下降している今、野球の楽しさ、素晴らしさを、言葉でアピールしてもらえなかったのは残念だった。

ということなのです。これってさ、優勝したのに、お客を呼べなかったのは、強いけどつまらない野球をやってるから、ファンに伝わらないと言われては、落合監督も気の毒だよ。

この記事は別にはいいことを書いてあって、落合さんは終盤チームがピークに持って行くにはどうしたら良いかということをずっと考えて、長期的な視野で戦略を練った。その証として、去年は後半逆転勝ち、今年も10ゲームをひっくり返したということで、これは落合さんの監督としての優れたところであるということです。

プロの指導者がクビにならないようにするには、チームを勝たせることが一番だろうし、優勝した監督があまり解任されることって聞いたことがない。前に西武ライオンズの森監督が優勝してオーナーに挨拶に行ったら、やりたかったらどうぞみたいなことを言われて、スポーツマスコミを騒がせたけど、この森さんも面白い野球はしなかったけど、確実に優勝して西武のブランドは随分上がったと思うんですよね。

落合さんも、マスコミとコミュニケーションを取らないから、今回のような憶測記事を書かれるんでしょうけど、ジャイアンツみたいに札束で横っ面をひっぱたくように選手を連れてくるんじゃなくて、育て上げた選手を使って、しかも後半戦にチームがピークになるように持ってくるというやり方を進めた落合監督の手腕というのは、評価されるべきだと思うね。

落合さんは、現役のときはビッグマウスで三冠王取りますよって言って、実際にとっちゃう有言実行の選手だった。ロッテ、中日、ジャイアンツ、日本ハムとチームを渡り歩いた、実に個性的な選手だったと思うし、王、長嶋、張本、イチローと言った大選手と肩を並べる野球史に間違いなく名前を残す選手だ。

その名選手落合が中日ドラゴンズの監督に就任した時は、こんな個性的な選手だった人が、監督が務まるんだろかと思ったけど、結局中日ドラゴンズ史上最も成績を残す監督になった。名選手が名監督には、めったになりませんが、落合さんは見事に名監督になったわけで、すごいなという感じです。

日経新聞のスポーツ記者が、落合さんは記者と話をしないということで、それがチームの人気低下につながったということだけど、この記者は野村さん、長島さん、亡くなった仰木さんをイメージしてると思うんですが、確かにこの3人はチームの人気を上げることも尽力している感じがしたけど、僕なんか見てて痛々しい感じがしたね。やっぱりスポーツ選手は、芸能人じゃないわけだし、僕は全くの第三者だけど、落合監督の姿勢は問題なかったと思うし、落合監督自身も、記者が野球に対して勉強不足だからコメントしないって言ってましたが、僕は正解だったと思いますよ。ちなみに、この動画は落合さんの野球論を野村さんがうまく引き出してると思います。

この落合さんの後任にドラゴンズ生え抜きの高木さん。しかも年齢が70歳ということで、次期監督のつなぎなんでしょうけど、年齢的に大丈夫なのという感じがしますな。また、これで実績をあげた落合監督が今度どこの監督なるんだろ。低迷している横浜ベイスターズあたりがいいんじゃないでしょうか。新庄が監督になるって言ってるけど、チーム、壊れるような感じはするね。