パソコン価格低下がもたらすものは
今年は日本国内のパソコンの出荷台数が、史上最高だったそうですね。ノートパソコンが今や10万円を割るというか、日本以外のメーカーだと3万円台でノートPCが変える時代になったということで、これはものすごく敷居がさがったということで、結果的に多くの人が買うことができるようになったということですね。
一人で数台持っているというのが当たり前になってきて、僕も全く使ってないマシンをいれると4台のノートがあります。内訳はMac2台Windows2台、Windowsのうち1台はWindows7が入ってますが、この1年開けたこともないし、もう一台のWindowsマシンはVistaなので使い物にならず、エロ動画を見る時くらいしか使ってません。
日経の記事から引用すると
ということで、スマホと競合してないと思うんだけど、結局PC自体が安くないと買ってもらえなくなったということじゃないかな。競合はスマホと言うよりもタブレットと間違いなくぶつかってる。
この記事を読むと、安くなったといっても、SONYにしても、富士通にしても、NECにしても8万円前後の価格ということもあり、僕は今はマックユーザーに戻ったので全く興味はないんだけど、それでも10何年前に50万円のバイオノートを買った僕としては隔世の感を感じざるを得ません。
いま、この記事を書こうと思ってkakaku.comのサイトを見てみたけど、DELLのノートだと4万円を割ってるわけで、ま、これにオフィスとウィルスソフトを入れて8万くらいになるのかな。それでも安いです。
ここでPCを買うという観点で考えてみると、日本のメーカーの価格がそれでもDELLノートの倍。これは日本のメーカーは何かしらの理由付けが必要だと思うのです。もちろん、スペックということもあるけど、結局できることは海外のメーカーも日本のメーカーも同じ訳で、そういう価格が倍違う理由を消費者にはっきりさせないと、日本のPCは売れなくなるのが必至という感じがします。
IBMがThink Pad事業をレノボに売っぱらったというのは、当時は結構ショッキングだったけど大英断だったと思うね。結局Windowsという同じ土俵の上でたくさんのメーカーが、その独自性を出せないんであれば、結局レッドオーシャンのマーケットになるから、結局価格競争になる。レッドーオーシャンについてはこちらを見てください。
安くなるのは、我々にはありがたい事だけど、たった3,4万円でメーカーは十分なサポートが出来るのかって思うし、価格が下がれば下がるほど、ブランドを特に大事にしているSONYとかVAIOとか作っていけるのかなって思うんですよね。つまり価格が下がればブランドは低下しますからね。IBMはおそらくそのブランド低下するんだったら、今のうちにThink Padを売却したほうがいいということになったんじゃないかなと僕は想像します。
また、これからデーター保存はクラウドへということになるはずだから、そうするとハードディスクの容量はそれほど重要じゃなくなる。大事なのは、安定した高速回線であり、ストップしない堅牢なサーバーということになる。ということは、余程のことがない限り、高スペックなPCはそんなに必要じゃなくなってくる。
それにタブレット端末というものができてた以上、PCとタブレットの棲み分けというのは確実に出てくる。タブレットでExcelとかやってみようとは思わないし、主にウェブを見たり買い物をしたりする用途になるのかな。PCは作業が主体でしょうね。今の時点では、入力作業はタブレットと比べるとPCのほうが入力はしやすいし。
そう考えると、日本のPCメーカーは、VAIOとDynabook以外はブランド力が弱いし、価格という点からみると3,4万円できるとは到底思えない。もししたとしても、この価格でユーザーサポートはできないし、きちんとしたサポートができないということになると、企業ブランドは下がるし、今やインターネットがあるから世の中への伝達力も相当早くなるということを考えると、日本のPCは僕はジリ貧になると思うし、IBMのように外部メーカーに売却するか、あるいは、数社が集まって海外メーカーに対抗できるような仕組みを作って行かないと厳しいんじゃないかなと思います。
或いは、前述しましたが、10万円の意味を消費者に納得させられるかどうか、それか、今までにないWindowsマシーンを開発して、イノベーションが起こせるかどうか。これは、どれも難しいと思いますので、おそらくこの数年で日本のいずれのメーカーがPC事業を撤退すると、ここで予言しておきます。