2021/12/112 Shares

ありがとうキング・クリムゾン2021年12月8日@Bunkamuraオーチャードホール

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キング・クリムゾン観戦記2021年12月7日@Bunkamuraオーチャードホール

昨日はキング・クリムゾンの本当の最終公演。これは絶対に見逃すわけにいかないので、行ってきました。このライブは最後のライブということもあり、キング・クリムゾンの演奏は鬼気迫るものがあり、まさに最終公演にふさわしい演奏でした。そして何よりも、こんな時期に本当によく来日してくれたと思います。ファンとしてありがとうと言いたいです。

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キング・クリムゾン2021年12月8日@Bunkamuraオーチャードホールのセットリスト

この日のセットリストは、最終公演なので、何かサプライズがあるのかなあと思ったら、やはりありました。アンコールを2曲演奏してくれました。ありがたい。素晴らしかったです。

今回のライブでは、アンコールはStarlessか21世紀の精神異常者になることが多いのですが、今日はまLarks’ Tongues in Aspic, Part Twoの重厚なオープニングがスタートして、その曲が終わると、ドラムのジェレミー・ステーシーが鍵盤に向かったところで、僕はあ、Starless演るなと思いましたが、やはりあの印象的なイントロが演奏されると、さすがの僕もぐぐぐっと来ました^^

SNSでキング・クリムゾン最終公演のチェックしてみる

今は、SNSという便利なツールがあるので、リアルタイムでどういうやり取りがされているのかということがよくわかります。そんな事もあって僕の記事ではよくこれは!と思ったツィートとかをチェックしているのですが、今回はまさに最終公演ということもあって、色々な書き込みがあり、そうだよねって同意してしまう書き込みがありました。それでは早速ですけれども、チェックしていきたいと思います。まずはキング・クリムゾンのメンバー周りから。

御大ロバート・フリップ様のFacebookより。

もう一丁

キング・クリムゾン公式のインスタから

トニー・レヴィンのツィートから。これ、フリップ様、いいお写真ですよね。

まずは、僕の方から。

では、ファンの声をご紹介していきます。

全くこの方と同じ気持ちです。

感動的なステージでした。

大変寂しいですが、最後の最後で本当に素晴らしいものを見せてもらいました。

キング・クリムゾンの最終公演を見るに臨んで

色々な人がSNSで書き込みをしていおられますけれども、こんなコロナで世界中が大騒ぎになっているのに、来日して、しかもキング・クリムゾンとして最後のパフォーマンスをする場所として日本を選んでくれたことはもう感謝という言葉しかありません。本当にありがとうございました。

さて、キング・クリムゾンの来日は今年の8月に発表されました。その時の記事がこちらです。

今回の来日に関しては、まず東京国際フォーラム2日、大阪1日、立川1日のチケットをゲットしました。その後オーチャードホールの追加公演が決まってこちらも2日分をゲット。家人はやりすぎじゃないかと言ってましたが、やはり最後のパフォーマンスを焼き付けたかったので、わがままを聞いてもらいました。本人が何を思っているのかはなんとなくわかるけど、色々と協力してもらったことはとても感謝しています。

さて、キング・クリムゾンのことですが、僕はにわかファンでして、今回のようにキング・クリムゾンのツアーを見にくるきっけけは2015年の来日のツィートを見たときの驚きでした。何件かご紹介しますね。

「ねじ伏せられる」ってすごい表現だと思うんですけれども、どういうことなんだろうと強く思いました。

次の人は鳥肌が立ったと言っています。

次の方も、普通のライブではない感想をおっしゃってます。戦慄してくださいと。

このように今までのライブとは随分違う感想を目にしました。

もちろん、キング・クリムゾンというバンドは1970年代の頃から知ってましたし、その時FM NHKの伝説の番組ヤングジョッキーでキング・クリムゾンのBBCライブを聞いて、なんてすごいんだろうと思ってました。ただ、僕は当時ハードロックがすきだったということもあるし、当時はプログレにはあまり関心がなかったということもあって、ずっとスルーしてたんですけれども、上記のツィートがきっかけで、今度来日したら行くと決めていて、それが2018年に実現して、これはすごいということになったわけです。

今回は東京公演全てと大阪公演を1回見に行ったわけですが、改めて思ったのは、いわゆる年齢的な衰えは全く感じさせない圧倒的な演奏力にびっくりしました。ロバート・フリップの世代にはロックスターがとても多いのですが、年齢的に急激に衰えて、聞くに堪えないというアーティストがたくさんいますし、それを自覚して演奏活動を抑えているアーティストもいます。そう考えると、加齢というのは、演奏者にとってはとても厳しい現実なんだと言わざるを得ないと思います。

ところが、今回のキング・クリムゾンのステージを見ていましたが、ロバート・フリップ様やトニー・レヴィン、メル・コリンズは70歳半ばということもあって、充実したパフォーマンスができなくなってるのかもという危惧は正直あったのですが、全くそういうところはなく、フリップ様のソリッドなカッティングやトニー・レヴィンのテクニカルなベースライン、そしてメルの縦横無尽のフレーズにはただただ驚かされるばかりで、凄いパフォーマンスを僕は目にすることができました。

また、こちらの記事でも少し触れましたが、

キング・クリムゾンというバンドは、ロバート・フリップのバンドであり、ロバート・フリップが存在している限りキング・クリムゾンは様々な化学反応を経て今までも色々と変わってきましたが、常にそこにはロバート・フリップがいて、キング・クリムゾン=ロバート・フリップであるということは誰もが知っているところだと思います。

僕が知っている範囲でいうと、こういうバンドのことをワンマンバンドと言って、キング・クリムゾンもロバート・フリップのワンマンバンドであるということは間違いないですし、そもそもセットリストはツアー中は一定ではなく、毎日ロバート・フリップが決めているとマネージャーでさえ本人の前で言ってますし、他のメンバーはそれに従っています。

こういうワンマンバンドというのは、リーダーだけが目立ってしまうという弊害があって、その弊害というのは、バンド全体の音楽がアンバランスになってしまうということになります。代表的な例でいうと、リッチー・ブラックモアやイングヴェイ・マルムスティーン、ホワイトスネイクなどで、これらのバンドはリーダーと他のメンバーとの格の違いがありすぎて、リーダーのパートだけが目立ってしまい、バンド全体としては妙な違和感がありました。もちろん、リーダーが目立つからこそ、ワンマンバンドなんですけどね。

ただ、こういうワンマンバンドだと、バンド全体がアンバランスになってしまうので、リスナーとしては聞きにくい。ところがバンドとしてまとまっているところは、個人の力量以上にバンド全体のサウンドに一体感があって、ワンマンバンドにないパワーがあります。一番わかりやすい例でいうとローリング・ストーンズなんて、そのいい例ですよね。あとは、ヘビメタでものすごい人気の高いアイアン・メイデンも、ブルース・ディッキンソンやスティーブ・ハリスが中心人物ですが、彼らの個性が全面で出てくるということではなくて、バンド全体で音を出しているということになります。

こういう状態になると、ワンマンバンドは僕にははっきり言って魅力を感じません。それはサウンド全体がアンバランスになってしまって、聞いてて感じ入ることはできないからです。

話をキング・クリムゾンに戻すと、キング・クリムゾンはまさにロバート・フリップのワンマンバンドだけれども、キング・クリムゾンの音楽でロバート・フリップの個性が全面に出てくるということは全くありません。つまり、キング・クリムゾンはキング・クリムゾンの個性を出しているということであり、ロバート・フリップの個性が突出しているということではないということです。これは普通ではあまりないことで、このことからもキング・クリムゾンの偉大さ、吐き出す音楽の圧倒的な一体感があり、僕はライブに行くたびに彼らから吐き出される音の洪水に流されっぱなしで、それがとても心地よいのです。それをこのツアーではずっと感じていましたし、とても幸せな時間でした。

キング・クリムゾンロスを感じている人へ

昨日のメンバーの書き込みによると、ロバート・フリップ様御一行は今日にでも日本を離れるということを聞きました。まさに日本中を席巻したと言っていい、ライブツアーでしたが、そのためキング・クリムゾンロスに陥っている人も多くいるかと思います。僕もその一人です。そんな人におすすめなのは、今回のMusic is Our Friendツアーのアメリカでのライブが売りに出されています。今はアマゾンでもタワーレコードでも、ディスクユニオンでも売り切れなので、今すぐ聞きたいという人はデジタル音源がおすすめです。

このアルバムでは今回のツアーの演奏されている曲がすべて収録されていますし、メンバーの演奏も大変素晴らしい。僕もこの記事をこのアルバムでロバート・フリップの不協和音のようなギターのカッティングを聞いてかいてます。なお、日本語版は12月21日に発売ということで、タイミングが悪いなあと思いますが、それでもライナーノーツなどもあるので、こちらもいいかも。現在予約受付中です。

最後に

今回キング・クリムゾンの最後のツアーを日本に選んでくれたというのは、何となく分かる感じがしますね。キング・クリムゾンというバンドは厳格なバンドで、ライブ中は撮影も録音もだめ。とにかく我々の演奏に集中してくれ、そうでないければ出てってくれというスタンスです。日本人は大体はそういうことには従順ですよね。欧米の人たちはどちらかというと、そういうのを我慢できない人が多いので、演奏する側としてはイラッと来るんじゃないでしょうか。実際に大阪では、本当に迷惑な外国人がライブに来てて、鬱陶しかったです。

その点日本人は従順だし、親切だし、そういうところは厳格なキング・クリムゾンからすれば、演奏のしがいがあると思ってもおかしくないと思うんですよね。そんな日本に来て、壮絶なライブを展開してくれて、僕はそれを体全体で受け止めてました。ライブ中に目をつぶって聞いてることもあり、Dream Theaterのライブとかだと絶対にありえない態度なんですが、キング・クリムゾンから出てくる音を体全体で受け止めたいということになると、ステージを見るよりも目をつぶってしまいました。

本当にこんな時期に日本に来てくれて、ありがたかった。ありがとうございました。