ニールモーズバンドの新作「Innocence & Danger」は大変な力作。今一番気に入っています
最近、特に気に入っているアルバムがニール・モーズ・バンドの「Innocence & Danger」というアルバムで、特に長尺の曲好きの僕としては後半2曲の19分と31分という長さは本当にたまらない、毎日楽しんで聞いています。今回はニール・モーズ・バンドの「Innocence & Danger」を紹介したいと思います。
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ニール・モーズ・バンドについて
もともと僕はニール・モーズという人のことは詳しく知らないと言うかほとんど知らないのですが、彼を知る切っ掛けになったのは、ニール・モーズ・バンドのドラムであるマイキーことマイク・ポートノイがいるということ。マイキーは、ものすごいロック小僧で特にスケールの大きい曲を演奏するのが特に好きなタイプのドラマーで、勝手にマイキーのことを分析すると、彼はいろいろなロックをやりたがっていると見受けられます。ドリーム・シアターは脱退したけれども、やはりああいうプログレ・メタルはやりたいということもあって、Sons of Apolloを結成しているし、もっとソリッドでシンプルなロックンロールをやりたいという願望もあって、Winery Dogsでそれを実現している。それとは別にものすごくプログレプログレしたスケールの大きい曲をやりたいということを表現しようとしているのが、トランスアトランティックで、それをもう少しソリッドにしたのが、今回のニール・モーズ・バンド。更にプログレだけど、もう少しロック色が濃いのはフライングカラーズ。ここにもニール・モーズがいて、ディープ・パープルのスティーブ・モーズがいることから、最初ニール・モーズとスティーブ・モーズは兄弟かと思っていたくらい(笑)。マイキーとニールはこの中で一緒にやっていないのは、Sons Of ApolloとWinery Dogsで、それ以外は一緒に活動しているんですよね。それくらいマイキーとニールはバンド仲間としてとても近いし、これはおそらくですけれども、マイキーはニールの音楽性が大好きなんだと思うんですよね。僕もマイキーの音楽観は大好きなので、彼が参加しているバンドはほぼ聴いていて、今回ニール・モーズ・バンドの新作ですが、実にいいです。それを今回書いていこうと思います。
ニール・モーズ・バンドのメンバーについて
ニール・モーズ・バンドのメンバー構成はというと、
Neal Morse (vocals, keyboards, guitar)
Mike Portnoy (drums, vocals)
Randy George (bass)
Bill Hubauer (organ, piano, synths, vocals)
Eric Gillette (lead & rhythm guitar, vocals)
という構成になっていて、メンバーをわかる限り紹介しておくと、ベースのRandy Georgeはニール・モーズ・バンド以外には、ニールとマイキーと3人Morse Portnoy Georgeというプロジェクトでいろいろなバンドのカバーをやっていて(これはおそらくマイキーの好みだと思うけど)、去年出したアルバムは、ビートルズの曲だけでなく、クリムゾンのスターレスまでやっちゃうというすごい趣味的なプロジェクト。ちなみに以下の曲のはリンゴスターのカバーだけど、リードボーカルはなんとマイキーがとってます。
Bill Hubauerという人は、よく知らないけど、今回のニール・モーズ・バンドの新作を聴いていると、イエスのジェフタウンズをもう少しテクニカルにした感じですね。
最後のギタリストは、Eric Gillette という人は、マイキーがまた別に率いThe Shattered Fortressのギターを務めるなど、凄腕ギタリストです。
タイプとしてはリッチー・コッツェンやバンブルフットのようなトリッキーなタイプではなく、ジョン・ペトルーシ系のストロング型のギタリストです。
これだけテクニカルなメンバーが本気になってプログレを作っているからいいものができないはずがないという感じです。
ニール・モーズ・バンドの新作「Innocence & Danger」
早速ニール・モーズ・バンド「Innocence & Danger」は、どういうアルバムかと言うと、2枚組となっていて、圧巻なのが2枚目でなんと、冒頭にもご案内したようにNot Afraid Pt.2は19分、Beyod The Yearsに至っては31分23秒ということで、長尺の粋を超えている感があります。また、CD1枚目の一番最後の曲は、Bridge Over Troubled Waterで、サイモンとガーファンクルの超名曲のカバーしている。これはおそらくマイキーとニール・モーズの趣味だと思いますが、プログレバンドがこの曲を解釈するとこんな感じですという答えのようで、僕はとても楽しんで聴くことができました。
では、このアルバムは実際にどんな感じのアルバムなのかというと、僕のイエスをもっとテクニカルなところを強調しているか、ドリーム・シアターのハードロック的な要素をなくした感じがしました。いわゆるプログレの王道を踏みながら、マイキーやEric Gilletteのようなテクニカルな演奏が組み込まれているので、音楽の広がりと言うかスケール感がありますね。また何曲かはリズムとサウンドがTOTOっぽさも感じられましたね。
後半の2曲のように一般的なロックと比べると常識を超えた長尺の曲だけでなく、3分台、4分台の曲も含まれていて、とてもバラエティに富んでいて、ぜひこの人達のライブはみたいなあと思った次第です。取り急ぎ新曲の動画がアップされているので、貼り付けておきますね。3曲あります。
次の曲はピアノの雰囲気がTOTOに似ています。
このバンドはとてもテクニカルなんですが、素晴らしいのはボーカルをとれる人が一人だけじゃなくて、動画を見る限りでは、ベース以外は全員取れますね。ニール・モーズ以外にも、マイキーもいい声をしてますし、キーボードのBill Hubauerもうまいですし、何よりも凄腕ギタリストのEric Gillette は、声質がジョン・アンダーソン風なので、バンドの曲にとてもあっているのです。
アルバム全体としては、曲もいいですし、サウンドもスケール感があって雄大なイメージが湧いてくるような印象。何よりもアメリカのバンドということもあってピンク・フロイドやキング・クリムゾンから感じる難解さはまったくないので、とても聞きやすいです。(僕は彼らの難解さがとても好きなんですけれども)個人的には相当レベルの高い素晴らしいアルバムだと思っています。