2016/06/07
NHKは低迷する「花燃ゆ」の責任を井上真央ちゃんに押し付けずにきちんと責任を取るべきだ
大河ドラマ「花燃ゆ」の視聴率が発表になりました。前回10%割れから、約1%回復をしましたが、それでも10%台。これはやはりキャストの問題というよりも本の内容とかの問題で、井上真央ちゃんの責任では全くなく、責任を追うべきはNHKです。
Contents
日刊スポーツに井上真央ちゃんのインタビュー
今日の日刊スポーツの記事で
井上真央、大河視聴率1桁台に「やりきるしかない」
という記事が掲載されました。そこには、「花燃ゆ」主演の井上真央ちゃんと東出昌大のインタビュー記事で、そこで井上真央ちゃんは次のようにインタビューで答えています。
主演である以上、私の力不足としか言えない。ただ、現場は進んでいくので、現場で落ち込んだりしても皆さんに迷惑がかかる。やりきるしかない。自分のできることをやるしかない。自分の中でこの作品をやると言ったからには、それなりの覚悟を決めてやっています。兄(吉田松陰)の至誠を尽くすという言葉を思い出しながら最後まで頑張って笑顔で乗り切りたい。あまりいじめないで、お手柔らかにお願いします。
というもので、主演女優の辛い立場が明らかになった感じがします。ヒロインになった以上は当然パッシングの矢面に立つ事になりますね。可愛そうだと思います。
日刊スポーツの記事に関するツィート
ちなみにこの記事に関してツィートをチェックしてみると、
大河ドラマ「花燃ゆ」は歴史的な役割がほとんど無い松陰の妹を主人公にするという設定に無理があり、脚本も出来がよくないから、役者がどう頑張っても、無理… RT @nikkansports: 井上真央、大河視聴率1桁台に「やりきるしかない」 http://t.co/W2QibVxmyK
— 石井晃 (@ishiiakira) April 20, 2015
まさにこの人の言うとおりで、あまりにも脚本がつまらないし、歴史的に何を果たしたかということもわからない杉文をヒロインにしたということも設定に無理がある。本当にそうです。
他はというと、
コンセプトと知名度の低さにやられてしまったけど、最後まで頑張って欲しい。打ち切りなんてしてほしくない。"@nikkansports: 井上真央、大河視聴率1桁台に「やりきるしかない」 http://t.co/UTZCekTpmh"
— ミトコンドリアン (@tjawm0) April 20, 2015
真央ちゃんのせいじゃないってwRT @nikkan_entame: 井上真央、大河視聴率1桁台に「やりきるしかない」 – 芸能 : 日刊スポーツ http://t.co/Jo3q0nR93c
— はじたん改 (@hajisuke) April 20, 2015
やはり見てる人はわかってる感じがします。井上真央ちゃんにすれば、ヒロインである以上責任をひっかぶるしかないだろうけれども、それはいかにも理不尽であるということは多くのこころのある人はわかってる感じがします。
「花燃ゆ」がつまらない理由
結局、この「花燃ゆ」がつまらない理由は上記のツィートしている人が仰ってますが、2つあって
- 脚本がつまらない
- 杉文という無名の女性をヒロインにしてしまった
この2点です。
脚本がつまらない「花燃ゆ」
脚本がつまらないということに関して言うと、NHKは何故かオリジナル脚本にこだわっているんです、ここ数年。それが功を奏したというと全く失敗に終わってます。それは司馬遼太郎さんや吉川英治さんのように、自分でストーリーを考えて、それを生活の糧にしている人たちと、ただ単に脚本を書いてきて、それが読者に支持されたという経験のない人とではストーリーを書く力は雲泥の差があるわけです。NHKは何故か読者から支持されたことのない人を敢えて使ってるわけだから、面白く無いのは当然なんです。
さらにいうと、この脚本を書いている人たちは歴史のことを知らないと思います。知らないから面白いことも書けない。ただ、大河ドラマを見てる人、特に幕末モノは司馬遼太郎さんのファンが多いから、当然自分の読書経験とドラマを比較すると思うんです。あるいは、司馬作品で得た歴史的な知識がどう役者さんに再現されるのかということをチェックしてると思うのですが、それがあまりにも歴史からかけ離れているところが実に多いので、司馬ファンは離れちゃってるんじゃないのかなあと思うのです。
そもそも、この幕末の時期は、安政の大獄から明治維新にかけて、実にドラマチックで、逆転につぐ逆転の展開なので、実に面白い時期なのです。ところが、どういうわけだか、花燃ゆの脚本家は、面白いものをつまらなくしてますね。これでは役者もかわいそうです。
杉文という無名の人物を選んだ失敗
日本の場合、女性が社会に進出するまでは完全に男性社会なので、歴史上の人物という点で女性がメジャーになるというのは大変なことでもあるし、そもそも昔から内助の功という言葉がある通り、女性は夫を陰ながら支えて…という時代的な女性観があったこともあり、やはり歴史上のヒロインと言うのはなかなか難しいところがあります。
北政所が、歴史的な知名度が高いのは、秀吉が天下を取るための内助の功が素晴らしかったからであって、彼女自身が何かを成し遂げたということはない。それは日本の国の成り立ちや慣習がそうである以上仕方がないわけです。
ですから、杉文にしても、たまたま吉田松陰の妹であったということだけで、特に何か歴史的に成し遂げたということは全くないわけです。ということは、彼女がどういう女性であったかという具体的な資料も当然乏しいでしょうし、そうなると、そういうマイナーな女性をヒロインにした以上は、結局ストーリーの展開は創作せざるを得ない。ところが、当時の日本史は、まさに事実は小説よりも奇なりということもあり、ものすごく面白い時代なのに、脚本家が歴史に精通していないということもあって、創作自体が実にチープです。
このドラマが始まるときに、花燃ゆは、かたせ梨乃や井川遥が出るから「セクシー大河」とか、松下村塾があるから学園ドラマの要素もある大河とか話題になってましたが、そんな目先のことばかり気にしているから大丈夫かなと心配をしてましたが、やはり失敗でした。実際に学園ドラマ的な要素は全くなかった。
ドラマを復活させるためには世に棲む日日を取り入れるべし
今後のドラマを復活させるためには、とにかく歴史を忠実に描くべき。表現力は、井上真央ちゃんをはじめ、実力派しか出てないわけですから、そこはきちんと120%以上のものを表現してくれると思います。とにかくこのドラマはストーリーがつまらないのだから、面白くすればすぐ視聴者は戻ってきます。何度も書きますが、NHKは世に棲む日日を使うべし。この本は面白いです。特に高杉晋作の描き方は素晴らしい。
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