これは社会悪じゃないか
ここ数日日経新聞がソーシャルゲームの過熱について報道を続けてます。これは、僕も先週のブログで書きましたけど、GREEが展開する「探検ドリランド」における有料アイテムを入手するためには相当のお金が使われているというものです。
いわゆるソーシャルゲームというのは、無料ですよ、ただ、通信費は別途かかりますよということになってます。この通信費がどうのこうのというのは、これは枕詞みたいなものですから、要はゲームをはじめるにはお金がかからないですよというのが謳い文句です。
これはインターネットにおける(でもないのですが)マーケティングの手段として「フリー」という手法があって、これは負担が全くかからないですよということで大量のユーザーを集めるために使う手法で、特に目新しい方法ではありません。ただ、サービスを提供してる方としては、戦略無しで無料にしているわけじゃなくて、当然ユーザーからはお金を何かしらの手段でお金を引っ張るという戦略が当然にしてあるわけです。下手すると詐欺行為になる場合だってある。
で、これらのGREEやDeNAといったソーシャルゲームのサービス元は、ゲームをしている間にもっと先に進むためには、アイテムを有償で入手しなければいけないということになっていて、それが収益源になってます。
で、GREEの提供する「探検ドリランド」については、ゲームを前にすすめるために10万も20万も使っているユーザーがいたり、この希少アイテムが不正にコピーされ、それがヤフオクで販売されているということになり、これに関して日経が異議を申し立てているということです。
僕もゲームをするので、なんとなく有償アイテムをゲットしたくなるという気持ちがわからないでもないけど、例えばファイナルファンタジーをクリアするのに50時間あれば、なんとかクリアできます。こういうRPGというゲームは、ボスキャラを倒さないと前に進めないのですが、このボスキャラを倒すために一番簡単な方法は、時間をかけてキャラクターを育てることです。だから、50時間くらいはかかっちゃう。これを時間あたりのコストとして1時間あたり1000円とすると、ゲームの購入費用が5000円、それをクリアするための時間的なコストが1000円×50時間=5万円、合計で5.5万円がトータルなコストです。
ところが、「探検ドリランド」では10万円も20万円もかかるらしく、しかもそれらのお金を使わないとゲームがクリアできないというのは、これは法外な費用としかいいようがないと僕は思うし、日経も同じ立場です。
こういう状況で、GREEの田中社長のインタビューが、3月4日付の日経新聞に掲載されていて、
田中社長(あまり人相良くないね、この人)は今の状況対して、あまり危機感を感じてないようなのです。それがこちらの記事。
この儲けのしくみを見付け出した、或いは海外の状況を自社のサービスに落とし込んだ田中社長のセンスは大したものだと思うんだけど、こういう仕組みは社会性に反するものだということがわかってないような気がするね。
ちなみにどういうユーザー層が有償課金アイテムを利用率を調べてみると、マイナビニュースを見てみると
- 利用者に対して実に無責任であるということ
- 過剰な広告宣伝費を使う
GREEも全く同じで、EXILEやTOKIOとかギャラが相当高い芸能人を使ってCMをしている。これは有償アイテムを使ってくれるユーザーを集めるために広告を配信しているわけです。しかも、ここのあくどいところはゲームは無料ということを全面に出して、実際には有償アイテムの費用もかかりますよということは一切明示してないのです。ひどくないですかね。
ちなみに「GREE 射幸心」で検索すると7万件近く出てくる。これは何かの前触れになる可能性が高い。
なお、このGREEの射幸心を煽るということを大変明確に指摘している記事がこちら
行き過ぎたソーシャルゲーム GREEで不正行為の内幕 無法の「換金市場」と「射幸性」
こういう状況でおそらくmixiはゲームに手を出さなくてよかったと胸を撫で下ろしているだろうし、ソーシャルゲームの魁でもあるDeNAは野球チームも持ってますから、変なことはできない。GREEには、変なモノを海外に持ちだして、日本の恥にならないことを強く願うところだ。