平清盛低迷の理由
今日、朝日新聞デジタルを見てたら、大河ドラマの平清盛が視聴率が低迷していることを取り上げていた。前々から低視聴率だと言われていたし、僕のブログでもそのことを何回か取り上げているけど、大新聞の朝日新聞まで取り上げるということは、これは結構おおごとだと思うよ。
最近の朝日新聞のサイトは、深く読むためには新聞を購読しないとだめなようで、最後まで読めないのですが、画面のことを言ってるね、汚いと。
で、専門家が以下のことを言ってます。間違ってると思うね。
時代劇研究家の春日太一さんは「ハイビジョン化で映像が鮮明になりすぎ、時代劇の衣装やセットがウソっぽく見えるようになってきた。NHKが映画のようなリアルさを求めたのは評価できるが、違和感を感じた視聴者が離れてしまったのだろう」と指摘する。
この汚い画面は、NHKは最近すごく好きで、古くはハゲタカから始まって、最近だとカーネーション。なんかストーリーじゃなくて、見た目を重視するようになってるというか、そっちに予算をかけちゃってるという感じがする。ちなみにハゲタカが人気があるのは、画面の問題じゃない。あのドラマが実に面白かったから。(後半崩れたし、映画もハチャメチャだったけどね)
平清盛に関しては、キャスティングも松田聖子を使ってみたり、V6を使ってみたり、今度は本物の相撲取りを使うらしいけど、ここがまず間違ってると思うよ。この人達が、ここに出てくる必然性が全く感じられないのです。無用なキャスティングだ。一番大事なのはストーリーです。平清盛はストーリーがつまらないから、それを外面でカバーしようとしてる。せっかく中井貴一とか中村梅雀さんとかいい俳優を使ってるのにもったいない。
もっとわかりやすく言えば、平清盛は中身の無い人間と一緒だから、だれも見なくなっちゃうわけですよ。例えばね、川島なお美という自称女優がいるでしょう。本人も女優だって騒いでるけど、結局訳の分からない変なドラマでしか使ってもらえない。だから、本人は、ワインだとかシガーだとか、犬だとか、結婚とかにはしって話題を作るしかない。そもそも大女優はブログなんて書きません。ブランドが出来上がってるわけだから。
ところが、川島なお美よりもずっと年をとっている吉永小百合さんは、もう女優として別格だし、吉永さんがワインだとかシガーとか言わなくても、吉永さん自体が映画やCMに出るだけで、それだけでみんなが注目する。二人の違いって女優として中身があるかどうかって言うことだと思う。
平清盛にしても、これは藤本有紀という人のオリジナルの脚本です。これは、龍馬伝からずっとそうなんだけど、きちんとした作家の本をオリジナルとしてるんじゃなくて、聞いたことのない人、文章家として世の中から認められていない人が本を書いてる。それは面白くなくて当然だし、作家としての力が未知数の人に本を書かせるというのは、視聴者に対してとても失礼だと思うね。
篤姫だって、宮尾登美子さんの天璋院篤姫という大変良くできている作品がオリジナルで、それを田渕久美子が脚本化した。田渕久美子とNHKはこの時の篤姫の成功を自分の脚本だと思ってしまったことが不幸の始まりで、それは田渕オリジナルの江~姫たちの戦国~の失敗が立証した。江~姫たちの戦国~は実につまらない作品だった。江は、子作りしかしてない。男が生まれた、女が生まれたで一喜一憂してる、実にふざけた作品。これで上野樹里のブランドが上がったかといえば、これは全くNO。NHKと田渕久美子は、上野樹里に謝るべきだ。
また、大河ドラマで名作と言われている新平家物語。僕は見たことがないのでわかりませんが、今やっている平清盛とほぼ同じ内容だと思います。この作品がどうして名作だったかというと、作家が吉川英治。脚本は平岩弓枝さんですよ。この違いなんです。本を書く人のレベルがあまりにも違う。逆に言えば、そのくらい実力のある文章家を使わないとだめってことですよ。連続テレビ小説で評判が良かった脚本だったかもしれないけど、大河はもう少しスケールが大きいから、それなりの人を起用しないと話自体が面白くない。
今朝、阿川佐和子さんの対談に役所広司さんが出てたんだけど、役所さんは自分が出る作品は選ぶって言ってましたよ。つまり、変な作品に出てしまうと、自分の役者としてのブランドが下がるからだと。
それはたしかにその通りで、篤姫で主役を演じた宮崎あおいちゃんは、若手ナンバーワン女優だし、篤姫の旦那さん徳川家定を演じた堺雅人君は今や主役級の俳優になった。ところが、天地人にしても、龍馬伝にしても、江~姫たちの戦国~にしても、このドラマがきっかけで役者として誰も成長してない。連続テレビ小説だったら、おひさまからは井上真央は大飛躍したし、満島ひかりも今や日本アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされるまでになった。もちろん、本人が役者としての資質があるということが大前提だけど、そのくらい作品というのは役者にとって大事なものだと思う。
ところが、平清盛は、汚いし、何時も誰かが怒鳴るか威嚇して、話がどのように進んでいるのか全くわからず。こんな人間が、本当に武士の棟梁になれるんだろうかと思いながら、平清盛を僕は見るのをやめました。