東大病院入院記 最終日(16日目)2021年3月4日
入院はこの日で最後になります。結局15泊16日という自分の人生において最も長い入院生活でした。ただ、入院と言っても「教育入院」ということもあって、特に痛みがあるとかということではなかったので、本当に体をリフレッシュさせるために入院したという感じです。今回は、最終日の朝食を紹介させていただき、入院前と入院後はどうなったのか、そして入院中に役立ったもの、役立たなかったものをご紹介しようと思います。
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2021年3月4日の朝食
最終にの朝食はご覧のようにシンプルでした。朝に卵料理とフルーツがあるといいですね。それと全粒粉のパンは、牛乳にすごく合うので、僕はどちらも好きになりましたよ。
では、今日の朝食のメニューです。
- オムレツ&ほうれん草ソテー
- 甘夏
- 牛乳
- 全粒粉パン
この日は、午前中先生と話をして、退院しました。
冒頭にも書きましたが、自分の人生において15日も家を開けたことというのは、大学時代に運動で合宿しているときくらいですから、おとなになってからは全くそういうこともなく、入院時のいろいろな人間模様も見れて面白かったです。
入院前入院後について
今回入院をしたのは、あまりにも体重が減ってしまったということが大きな原因でした。僕はメタボ体型で体重も85キロを越えるくらいだったのですが、家人が少し痩せた感じがするから、体重測ったら?というので測ってみると、なんと驚きの75キロ。しかも、トイレが異常に近く、1時間に1回以上行くような状況。しかも喉が渇くのでジュースなどを含めてものすごい水分を摂取するので、当然トイレは近くなります。また、指が乾燥して、iPhoneのTouchIDが全く動作しなくなり、たまに指が固まって動くかなくなってしまうというようなこともありました。
これはおかしいと思って、近所の内科に行くと、では血液検査をしましょうということになり、翌日結果がわかるのでご都合のいい日に来てくださいと言われました。その翌日9時に僕の携帯電話が鳴り、電話は前日血液検査を受けた近所の内科からでした。結果が出たので、至急来院してくださいというので、行ってみると、先生は即刻入院してくださいとのこと。早速紹介状を書いてもらい、東大病院に行くと、同様のことを言われました。このときの数値は、今から考えるとかなり異常な数値で、血糖値が600、ヘモグロビンA1Cは16%ありました。
入院後はとにかくご案内したように食事がカロリーと塩分の圧縮が徹底していることもあり、血圧も下がり、血糖値も100前後ということで、ほぼ正常な状態に戻ったというか、かなり結構な体になったようでした。
東大病院について
個人的には、子供の時を除いて健康ということもあり、東大病院というような大病院はほとんど縁がありませんでした。何年か前に虫垂炎で東京女子医科大学病院に入院した際は、手術→退院という感じで、病院自体を体感するということはなく、風邪を引いたり、血圧の安定ということでかかりつけの医院に行くという感じで、それが医療機関のイメージでした。
ところが、今回東大病院に入院したことで、感じたことはデーターにも基づいた効率的な治療しているということでした。どうしてそう思ったのかというと、とにかく対応が迅速だし、医師や看護師が僕の状態をデーターをほぼ完全に共有しており、その情報を見て様々な対応をしているという印象でした。食事も、糖尿病患者の初期入院時は血糖値が高いので、それを下げるための治療ということで、投薬はもちろん食事もそれは徹底してました。実際に今までブログにアップしていた食事はとにかく塩分を抑えて、低カロリーということを徹底していました。
入院中には血糖値の測定やインスリンを注射することになるわけですが、血糖値は起床時、朝食後、昼食後、夕食後に測定をして、インスリンは朝食後、昼食後、夕食後と就寝前に注射をしました。特にインスリンに関しては、入院前は8単位だったのですが、入院時には10単位、翌日は16単位、その翌日は20単位、その次の日は24単位ということで、どんどんインスリンの量が増えていくということもあり、大丈夫かなあと心配しました。
実際には、数値自体はどんどん快方に向かい、退院時は血圧が112/64、血糖値は99ということもあり、血糖値は劇的に改善されて、教育入院の効果はものすごくあったということだと思いました。
入院中にあってよかったもの
仕事もしているということもあり、MacBookだけでなく、iPhone、iPad、Nintendo Switchを持っていきました。まず役立ったのは、iPadです。夜、家族とのコミュニケーションをする際にスカイプを使ってやり取りをした。僕のiPadは12.9インチということもあり、画面も大きく見やすかったですし、イヤホンもAir Pods Proのマイク性能がかなりいいこともあって、円滑にコミュニケーションを取ることができました。
因みに東大病院には当たり前のことですが、患者向けのWi-Fiはありませんので、ネットは携帯回線を使うということになりまして、結局2週間の入院生活で50GBのデーターをほぼ使い切りました。
あと、良かったのはニンテンドースイッチ。ドラクエ11をやりましたが、ゲームそのものも面白かったということもあって、退屈するということはありませんでした。
一方で重い割には使えなかったのが、MacBook Proです。
もともと入院中に仕事をするということが、間違っていたように思いますが、病気の影響で目がかなり悪化してしまい、まず画面の字が読めないので、仕事にならなかったということもあります。
入院中に読んだ胡蝶の夢
あと、入院していて読んだ本は、司馬遼太郎さんの「胡蝶の夢」。この本は司馬さんにしては珍しく、世間的にはあまり有名ではない3人の人物を扱っています。舞台は幕末ですが、主人公は蘭医学の医師である松本良順、司馬凌海、そして関寛斎の3人。3人とも長崎でポンペから医学を学び、後々松本は幕府側の野戦病院院長、関寛斎は官軍の野戦病院院長として働き、松本は後、降伏するものの、政府に入り男爵となり、関は、戊辰戦争後阿波藩に戻るものの、平民となり、晩年北海道のトマムに入植して、農民としてはトマムを開拓、最後の最後で服毒自殺をする人物です。それぞれ人間としても、医師としても面白い人であったこともあり、入院中飽きることはありませんでした。