0 Shares

野中広務さんのこと

先日、ブログにも書きましたけど、今日は政治のことを少々。僕は日頃ダレが可愛いだ、あれは美味いとか、そんな事ばっかり言ってますが、実は結構政治は好きだったんです。そして、今日、こういう記事を書こうと思ったのは、野中広務さんの回想録を購入して、この本が実に面白く、今の日本にはこういう政治家がいないなと思うと、日本の政治の現状は実に嘆かわしい。

3年前に民主党が総選挙を圧勝して、これは国民の審判として自公政権に政治の舞台から降りてもらい、民主党に日本を任せようということだった。マニフェストのことよりも、基本は自公政権の否定をしてもらうということが僕は期待していたし、興奮しました。

ところが結局民主党が進めた政権は、自公政権とは変わらず、野田総理のブレないところは買えるけど、やはり消費税関連法案は財務省支配と言われても仕方がないし、そのあたりをどうしてきちんと説明をしないのかという思いを強く持ったし、財源が足りないから消費税を増税しないとだめということは、降って湧いたとしかいいようがなくて、そのあたりの説明不足は非難される対象だと僕は思う。これで、結局民主党の支持率は下がる。今度の総選挙はだいたい結果がわかってきた。

じゃあ、民主党政権の受け皿として自民党ということになると、2世3世議員が跋扈している、アピールだけは上手な軽薄な政治家が日本を本当に背負っていけるのかという思いがする。実際に自民党の議員を見ても、今や次世代の自民党のリーダーっていうのは、石原みたいなお調子者でしょう。こんな不誠実で調子がいい男が日本を背負っていけるのか。そもそも、一部の人間の代弁者でしかなく、しかも痛みのわからない人たちが、海千山千の海外の政治家や日本の役人に太刀打ちできるのか。

人間は騙されやすいという側面があり、オレオレ詐欺が横行したり、Facebookで表面的なことばっかりいってる人間がちやほやされているという点でも、いかに人間は純良なのかと僕は思うのですが、東京オリンピック開催のことだって、これは石原知事が知事としての実績として強引にやろうとしているということも、我々は認識するべきで、都民はそれに利用されているということだ。実際に石原知事は発信力はあるけど、知事になったことで何も東京都は変わってない。あの銀行はどうなったのか。そんな事ばかりです。ましてや、尖閣諸島を買ってくれなんてひとことも言ってない。そんな程度の知事に、我々都民の多くが支持しているわけで、悲しむべきことだ。

最近の政治家は、なんとかの維新の会とか後はなんとは八策とかいってみたり、オリジナリティが全くない。明治維新という革命は、日本を統治することの出来ない幕府ではだめだから、強力な中央集権国家を作って外国にあたらないと、日本は侵略されるという恐怖感から生まれた革命です。

その中で一番偉い人は、維新の三傑と言われる西郷、大久保、木戸。その下の世代が伊藤博文であったり、山県有朋だったりするけど、彼らに匹敵できる日本の政治家はいるのかということをかんがえても、残念ながらいない。彼らは、体を張って明治維新を成し遂げた。うまく行かなかったら、この人達は幕府から殺されている。いい例が、坂本龍馬の暗殺。それだけの思いを持って政治をすすめてきた。ところが、今の政治家にいたっては、結局器用な人間じゃないと政界には生きていけない、しかも二世三世が跋扈する自民党に政治を委ねられるのかと真剣に思うわけです。

で、野中さんはそういった人達とは対局にいる人物で、僕は自民党は昔から嫌いですが、この人はかなり好きです。なんといっても、叩き上げで、しかも地方政治出身。かつ、僕らに勇気を与えてくれるのは、57歳で国会議員になったということです。これは、竹下元総理が、野中さんに向かってお前のような奴が国政にでないと、二世や三世議員ばかりになって、政治に躍動感がなくなるから出てこいと言われたんだそうです。竹下という人はいまいちつかめない人物だけど、やっぱりあの田中角栄を追い落としただけあると僕はこの回想録を読んで改めて思いました。

その後、野中さんの活躍は、細川政権を追い込んだり、自自公政権で小沢さんにひれ伏してでも参加してもらいたいということで、政権を安定させ、そして加藤の乱をたたきつぶしたということはみなさんもよくご存知かと思うけど、その内幕を本人がその回想録で語っており、僕は今年読んだ本の中では一番おもしろく、吸い込まれるようにしてこの本を読みました。

本としては、2800円もするんだけど、僕はこれだけ楽しませてくれるんだったら、下手な映画を何本も見るよりも、こういう本を読んだほうが面白い。

結局野中さんの強さの源泉というのは、地位を追い求めないところにあると思うね。常に役職につくにしても、人から頼まれて、或いは頼まれているときには、本人が断れないように外堀が埋められているという感じで、それだけ力があるということなんだと思うし、僕も50年生きていて、彼ほど喧嘩の強い政治家を見たことがありません。

ただ、本人も、そう若くないでしょうし、往時を思ってこういう本を出版したんでしょうね。実に面白い本で、僕はこの本を大事にしようと思った。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう