0 Shares

楽天kobo touch

今、職業訓練のウェブデザイナー向けにウェブ概論を教えてたりしてまして、先日もテストをしたら案外僕の言ってることが伝わっていて、結構喜んでるんです。講義も僕だけテキストがないので、手作りです。これ、実は結構大変で6時間の授業だと40ページくらいの資料を作らないと、時間を持て余してしまいます。

その中で自分が思ったより良く出来た講義を、このブログで公開します。題して、楽天kobo touchに見るブランディングの低下とその影響についてです。

そもそも電子ブックリーダーというのは、本好きの僕としてはすごく楽しみにしてるのです。僕の電子ブックリーダーへの期待というのは、司馬遼太郎さん、瀬戸内寂聴さん、宇野千代さんなどの本を一つのリーダーに収めて、好きなときに好きな作品を読むということ。本はものすごくかさばるから、せいぜい移動するときに持つ量は、3冊が限界。ところが電子ブックリーダーだと1000冊携帯することが可能なのですよ。考えただけでもウキウキする。

ところが現実的には、今、日本で電子ブックリーダーはソニーのリーダー。しかし、全く使いものになりません。簡単に言えば、読みたい本がない。僕はやらないですけど、熱狂的な電子ブックリーダーのファンの方々は、自分の持っている本をスキャニングして、それをPDFに変換して、それを電子ブックリーダーに読み込ませる。これを自炊と言います。自炊をした友人に言わせると、PDFの解像度が低いので、実に読みにくいんだそうです。

こういう悲しい状況なので、日本の電子ブックリーダーはなかなか広がらないわけです。そこで満を持して、楽天がkobo touchを発売した。価格は7980円。しかも楽天会員はポイントも付与!僕は3000ポイントくれるということなので、早々にゲットしたのです。

マーケティングの立場から言うと、7980円、実質的な価格としては4980円ということで、これは極めて戦略的な価格で、ビジネスモデルとしてはソニーのプレイステーションと一緒で、本体を低価格で売って広く多くの人に行き渡るようにして、コンテンツで設けるというものです。

ただ、ここには穴があって、コンテンツがなければ儲からないということなのです。で、kobo touchはそれをやってしまってる。つまり、買いたい本が全くないのです。それに関しては、インターネットではものすごく不評で、社長の三木谷さんは火の粉を消すのに必死で、しかもインターネット企業としてやってはいけないことまでやってしまったわけです。

このkobo touchの悪いところを大別すると3つあります。

  1. コンテンツがない
  2. 使い勝手が悪い
  3. ステルスマーケティング

ということです。

一番初めのコンテンツがないというのは最悪ですね。ゲーム機を買ったけど、やりたいゲームがないのと一緒だし、あとは3Dテレビの教訓をこの電子ブックリーダーは学んでないんです。英語を社内用語にするとか言ってるけど、その前にやらないといけないことがあったんじゃないかと思うね。実際に、koboの売れ筋ランキングとAmazonの売上ランキンが全く違うということは、koboにはなにもないということと一緒なわけです。

そして使い勝手が悪いというのは、ハードとしてあるまじきことで、これも不評の意見を集約すると

  • 初期設定が面倒
  • 本が探しにくい
  • 決済手段がカードのみ

というように、ユーザーの負担を強いるものばかり。これもWindows Vistaの教訓を学んでない。つまり、ユーザーの負担を強いる製品というのは、大いにブランドを低下させるもので、これもプロ野球球団を獲得するほどブランドを重視している楽天とは思えない。

で、ステルスマーケティング。

ステルスマーケティングというのは、口コミを自社のいいところだけを表示するように恣意的に操作するやり方で、これをやっちゃうと口コミ自体が信用されなくなるという重大なことです。インターネットメディアが、TwitterやFacebookがユーザーの中心になっていくということにおいて、この口コミというのは極めて重要なものになので、それを恣意的に操作するということは、独裁国家や共産主義国家のような情報の操作と全く一緒で、ということはそれらが信用されないということになっちゃう。と言うことは、何を信用すればいいの?ということになり、インターネット自体が信用出来ないものと見られてしまうという実に大きな危険を伴うのです。先日食べログがそれをやって散々マスコミを賑わせましたよね。

それに対して、三木谷さんの態度が最悪。自社の責任には全く触れずに、人のせいにしているのです。酷い話だ。

三木谷 kobo インタビュー 」で検索してみると、色々記事が出てきます。どれも批判的なものです。

で、楽天の醜態を笑っているのは、間違いなくキンドルを発売すると発表したAmazon。それは、どうやれば失敗をして世間も物忘れか嘲笑されてブランディングを低下するのかということを、見事に教科書のようにやってしまった楽天とは全く逆のことをやれば、まず失敗しないということですよね。Amazonはほくそ笑んでると思います。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう